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アロマセラピー(Aromatherapy) とは、アロマ (Aroma) と療法(Therapy)を合わせた造語で、フランス人化学者のルネ・モーリス・ガットフォセによって20世紀前半に生み出されました。 しかしそれ以前より、アロマセラピーの歴史は大変古く、人間は紀元前の昔から芳香植物のもつさまざまな効能を、生活の中で役立ててきたのです。 精油や植物は一体どのように使われてきたか、歴史をたどりながら、アロマセラピーへの理解をより深めていきましょう。
アロマセラピーを知るために古代からひとと植物との関わりを紐解く
「アロマセラピーの歴史」は、祖先が生活や医療に植物や精油を活用してきた「植物と人間の歴史」という観点からも見る必要があり、古くは5000年前の古代インドや4000年前の古代エジプトの時代までさかのぼります。
例えば、古代エジプトで死者の魂はいつか元の体に戻ってくると考えられていました。そこで、死後の体を大切に保存するためにミイラ造りが始まったのです。
内臓を取り出して芳香植物を詰め、さらにミルラ(没薬・もつやく)の防腐効果を活用するために包帯に浸して体に巻いていた記録があり、ミルラは現在でも抗菌作用や抗酸化作用が高い精油として活用されています。
また、ジンジャーやシナモンなどのスパイスは古くから東西の間の重要な交易品として高値で取り引きされていました。 古代から続く芳香植物の機能性や活用方法は、現在まで受け継がれた歴史の知恵のひとつなのです。
近世における『アロマセラピー』の誕生
「精油を意識的かつ目的を持って活用する芳香療法」を意味する『アロマセラピー』の言葉を生み出したのは、フランス人化学者のルネ・モーリス・ガットフォセです。
彼は化学の実験中にやけどを負い、その治療にラベンダーの精油を役立てた自らの経験から、精油の薬理効果を発見しました。
のちに研究を重ね、1937年に著書「Aromatherapie」の発表を機に、アロマセラピーの言葉が誕生したのです。
フランス人軍医のジャン・バルネは精油の薬理効果の認知に重要な役割を果たした人物です。1942年、第二次世界大戦に従軍した際に、負傷者たちの治療に精油を用い、抗生物質の普及が十分ではなかった当時に、目覚ましい効果を挙げました。 そして、同業の医師や薬剤師にアロマセラピーの啓蒙を行い、効果の認知と普及に大きく貢献したのです。
ホリスティック・アロマセラピーの確立
精油を美容や心身の健康に役立てる、現代の『ホリスティック・アロマセラピー』の確立は、オーストリア出身の生化学者、マルグリット・モーリーによってなされました。 モーリーは1950年から1960年代にかけて活躍し、著書『Le capital'Jeunesse'(最も大切なもの・・・若さ)』によって、アロマセラピーは英国内外に大きく広がっていったのです。 なお、近年のアロマセラピーブームのきっかけは、イギリスのロバート・ティスランドの著書『The Art of Aromatherapy』です。アロマセラピーのパイオニアである彼の著書は、世界で最も多く読まれているアロマセラピーの書籍のひとつです。アロマセラピー先進国とも言えるイギリスには、著名なスクールが数多くあります。 そして今日では、多くの日本人が国内外でアロマセラピーを学び、活躍しているのです。
アロマセラピーパーフェクトBOOK(ナツメ社/2016)
アネルズあづさの精油ブレンドバイブル(河出書房新社/2016) マタニティアロマセラピーコンプリートブック(BABジャパン/2014)
COLUMN
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