心を落ち着かせるため、リフレッシュタイムに楽しむハーブティー。
ハーブの種類やブレンドにより変わる色や香りを楽しんでリラックスを感じたり、植物のエキスの働きかけで体を整える働きかけが期待できます。
ハーブティーも、アロマセラピーで使用する「精油」も、考え方の根は同じ。香草から得られる体への働きかけへの情報や知識に基づいて、楽しまれているんです。
香りを楽しむハーブティー…どのような飲み物か知っていますか?
ハーブティーとは、ハーブをはじめとしたさまざまな植物を乾燥させ、お湯や水で成分を浸出させて香りやテイストを楽しむ飲み物です。 自然を感じる豊かな色合いや、香りの違いから自分の好みのブレンドを探したり、自然からの恵みを体感するといった楽しみ方ができます。
緑茶、紅茶、フレーバーティとは何が違うの?
「緑茶や紅茶と何が違うの?と疑問な方も多いはず。
簡単にいうと、ハーブティーが「さまざまな植物を使用している」のに対し、緑茶や紅茶はツバキ科の「チャノキ(茶の木)から摘み取った茶葉」のみを使用しています。
また、緑茶と紅茶の違いは、緑茶は醗酵させずに使用し、紅茶は茶葉を発酵させて使用している違いがあります。
いっぽう「フレーバーティー」は茶葉をベースにし、ハーブなどいろいろな植物をミックスしたお茶になります。
ハーブティーの歴史は?
ハーブティーの歴史も『アロマセラピー』の歴史も、実は根本はおなじ。
植物を体に取り入れて体や心を整えるためへの利用は、5000年以上もの昔に生まれたインドの医学「アーユルヴェーダ」をはじめ、エジプトやメソポタミアなど、紀元前の昔より、さまざまな文明で取り入れられています。
ヨーロッパではギリシャ・ローマ時代にハーブが広まったとされています。
やがて中世に修道院などで病気や怪我の治療用として栽培されていた植物が、徐々に人々の暮らしの中に溶け込んでいったのです。
いっぽう東洋では漢方をはじめ、日本も古くから「ハトムギ茶」や「生姜茶」など、私たちにとって身近な独自の薬草文化が生活に根付いています。
「ハーブティー」がハーブのちからの活用法として広く認識され、ジャンルを確立したのは比較的歴史が新しく、じつは20世紀半ばになってから。
しかしいまでは誰もが簡単に店舗や通販で購入できるほど、多種多様な種類のハーブティーは生活のなかにすっかり馴染んでいるのです。
ハーブティの香りの楽しみ方や体への働きかけは?
ハーブティーはフルーツ、花、スパイス、ハーブといった香りのある多様な植物を原料にしています。さらに植物の葉・茎・根・果実・花びらといった、さまざまな部位をブレンドして作られます。植物の種類、部位、季節によっても、驚くほど多くの香りが楽しめるのです。
まずは「香り」を楽しみ、お湯に溶け出す水溶成分を体に取り込んで、体への働きかけをゆったりと感じるのも楽しみ方のひとつです。
アロマセラピーとおなじ働きを楽しみ、感じられる
多種多様なハーブティーから自分にとって「心地よい」香りを探し、立ち昇る香りを深呼吸して楽しんでみましょう。
鼻から入った芳香分子は粘膜を通って脳に到達し、電気的信号に変わって大脳辺縁系にダイレクトに届けられます。自律神経を支配している視床下部に香りの情報が届く結果、リラックスを感じたり、睡眠の質へゆるやかに働きかけるのです。
日々のイライラやもやもやに、1日1回のハーブティータイムは自分へのご褒美であり、リフレッシュをゆったりと促してくれるはずです。
なぜ“香りを楽しむ”の?多様化する健康へのアプローチを、もっと身近に、もっとシンプルに、もっとリラックスして。
ハーブから溶け出した成分を味わい、働きかけを楽しむ
ハーブティーの入れ方は主にティーポットで手軽に楽しむほかにも、煮出しや水出しといった方法があります。
ハーブの種類やブレンドに合わせ、適した方法を選択すると美味しさも変わってくるため、入れ方の違いを楽しむのもおすすめです。
ハーブから溶け出した水溶性成分…タンニン・フラボノイド・ビタミン・ミネラルなどの栄養や化学成分は消化管から体内に吸収され、穏やかに肉体に働きかけます。
ハーブの種類によってどのような働きが期待できるのか調べてみるのも、より深くハーブティーを楽しむひとつの方法です。
「ハーブティー」とアロマセラピーの「精油」の違い
「ハーブティー」もアロマセラピーで使用される「精油」も、どちらもハーブと呼ばれる芳香植物がベースの原料です。
ハーブの定義は諸説ありますが、「香りを持っていて食や体に有用に働きかける植物」を一般的に意味します。
ハーブは植物の葉や茎の緑だけでなく、花の美しさを楽しむといった色彩豊かな面もあり、乾燥ハーブ以外に、生鮮ハーブの形でも利用されています。
さらに利用範囲はクラフトやガーデニング、アロマテラピーなどの分野に広がっていますし、種類もスパイスが数百種類程度なのに対し、ハーブの種類は万を超えるとも言われています。
ハーブティーは水溶性成分の穏やかな働きを楽しむ
ハーブティーも精油も、どちらも同じハーブを原料として使用していますが、ハーブティーは「お茶にする」ために水溶性成分が多く、体への働きかけが穏やかです。 飲んで体に取り入れるため、ハーブティーは香りからの働きかけだけでなく、口腔内や胃腸を通じ「体の中から」働きかけ整えていきます。 ノンカフェインのハーブティーも多く、妊娠中や小さなお子さまにも、日々の生活に取り入れやすいラインナップがそろっています。
アロマセラピーの精油は純度の高い揮発成分の香りを楽しむ
精油(エッセンシャルオイル)は、ハーブのあらゆる部分から抽出した有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質です。 いちばん大きな違いは「内服できるかできないか」。 精油は鼻腔や皮膚といった表面を通じて、香りや成分が脳や神経に働きかけます。 成分の濃度が高いため、日常での簡単な楽しみ方はわずかにお湯にたらしてアロマバスにしたり、ディフューザーを利用したり…と直接体に触れないよう工夫した方法で取り入れていきましょう。
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