新年の始動による興奮や、寒さによる眠りの浅さを感じてはいませんか?
また、日々の生活の疲れ、ストレスや不安からのいらいらが原因で、眠れない、何度も目が覚める、もっと寝たいのに早く目覚めてしまう…不眠の症状が現れた場合、自律神経が乱れている可能性があります。自律神経を整えるために、すぐに取り入れられる方法が「深い呼吸」。そして深呼吸する時間をより楽しく、より贅沢に感じるために取り入れたい、精油を用いた「アロマセラピー」の簡単な方法を紹介します。
うまく眠れない…私たちの眠りを妨げる要因のひとつは「自律神経の乱れ」
ぐっすり眠れない悩みを抱えている方が増えています。疲れているのに寝付けない、夜中に何度も目が覚めてしまう、もっと寝たいのに早く目覚めてしまう…といった不眠の症状が現れた場合、自律神経が乱れている可能性があります。
自律神経が乱れると起こるさまざまな症状
自律神経の乱れは、不眠以外にも心と体のあらゆる部分で症状が出てしまうため、病院で診察を受けても、他の病気と区別することが難しいといった特徴があります。
自律神経失調症、神経性胃炎、過敏性腸症候群…といった、さまざまな症状の原因と考えられているのです。なぜでしょうか。
自律神経とは、24時間内臓や血管や体温といった体の働きを調節する神経です。呼吸・脈拍・血流・消化・呼吸、免疫機能・体温調節などを司っている、いわば「人体の生命維持装置」。
日中や活動時に優位になる交感神経と、夜間や睡眠時に優位になる副交感神経があり、両方がバランスを取りながら働くことで心身の健康を保っています。
しかし、ストレスや不規則な生活が原因で自律神経のバランスが乱れると、交換神経が優位になりストレスホルモンが高まり、さらにいらいらが募って不眠を引き起こすケースが多いのです。
深呼吸が「自律神経を整える」手助けをする理由
実は簡単に自律神経を整える方法があります。それは「呼吸」です。
「ゆったり深呼吸が自律神経を整える助けになる」理由は、肺の動きがダイレクトに副交感神経を高めるから。横隔膜の周囲には意識しなくても呼吸ができるよう、自律神経が集まっています。
横隔膜が大きく動けば自立神経が刺激され、睡眠をつかさどる副交感神経が高まっていく…呼吸と自立神経は大きく関係しているのです。
反対に、交感神経が優位に働きストレスを感じているときは、気づかないうちに呼吸が浅くなっています。浅い呼吸が続くと、心身に影響を及ぼしていってしまうのです。
深呼吸にプラスして「香り」が心地よい睡眠時間を後押しする
コロナ禍でマスク生活が続き呼吸も浅くなりがちないま、生活のなかでゆったりと深い呼吸に導き整える時間をつくるのはより難しくなっています。
ストレスを感じ緊張状態で浅い呼吸になっているのを意識して、大きく深呼吸する際に取り入れていただきたいのが「香り」です。
人が香りを感じる時、鼻から香りの成分を取り込みます。取り込んだ成分が細胞や神経を伝い、大脳に届いた刺激が香りとして認識されます。
嗅覚は五感の中でも原始的な感覚器とされ、「見たり」「聞いたり」する情報とは異なり、香りは脳内の本能的な情動や記憶を支配する部分(大脳辺縁系)に一瞬でダイレクトに伝わっていくのです。
脳が心地よい香りと判断する前に、香りは体を整えるべく副交感神経に働きかけていきます。
どんな香りが心地よい眠りにいざなう手助けをしてくれる?
植物の香りのもつ力や知識をより深く研究し、心身のトラブルを穏やかに整え、健康や美容に役立てていく自然療法が『アロマセラピー(芳香療法)』です。
ハーブ(芳香植物)から抽出した精油(エッセンシャルオイル)のさまざまな香りを、体を整える目的にあわせて使用します。
「香り」は五感の嗅覚を通じて自律神経にダイレクトに働きかけ、ほかの感覚よりも速く刺激が脳に到達するため、活動モードから睡眠におけるリラックスモードへと神経のスイッチを切り替えやすいという特徴があります。
睡眠時におすすめの香りは「鎮静」「リラックス」「バランス調整」といった働きをもった香りです。
真正ラベンダー
ラベンダーは自律神経のバランスをとる働きがあり、不眠によく用いられる香りです。
誰もが心地よいと感じる涼やかで甘い香り効能は豊富で様々な使い方ができることから、心にも体にも利用価値が高い万能薬として世界中で利用されています。
心身への働きかけとしては鎮静作用にすぐれ、心に静けさと落ち着きさを取り戻させ、リラックスさせてくれます。
オレンジ・スイート
柑橘系の中でも日本人には特に人気が高く、老若男女に好まれる香りです。
深いフルーティーな香りが気持ちをリフレッシュさせてくれるため、仕事や勉強の効率を高めたい時などに活躍します。
反対に、肩の力を抜いて一息つきたい時にも適しており神経の興奮を鎮め心身のリラックスをサポートします睡眠の質を高める働きも期待できるでしょう。悩みごとや不安で眠れないときにおすすめです。
ベルガモット
ベルガモットはグリーン感、爽快感、苦味、甘味がバランスの良い香りの精油です。
紅茶のアールグレイを始め、食品の香り付けに使われたり、香水に多用されたり、世界中で愛されている香りです。
原産国であるイタリアでは古くから民間療法に利用されてきました。神経のバランスを整える精油としてよく知られ、気分を明るくするとともに心を落ち着かせ、気分を明るく保てる働きがあります。精神的な落ち込みや不安で眠れないときにおすすめです。
イライラ、欲求不満、憂鬱などのマイナスの感情が積もってきたら、ぜひ利用してみてください。
フランキンセンス
キリスト誕生の妻に捧げられ、教会の神事なのでも用いられる神聖な香りです。
男女問わず好まれる香りで、呼吸をゆっくり深くするように促し、気持ちを徐々に落ち着かせる働きがあります。
忙し過ぎて気持ちが高ぶっているときや、ストレスが溜まって眠れないとき、心の中に溜まっているものを流してくれるでしょう。
ネロリ
ビターオレンジの花から抽出されたネロリ。
花から抽出される精油なので、華やかで甘さがあるのですが、どこか苦味のあるとても神秘的な香りです。印象に残るあとを引くような香りは幅広く愛され、男性にも好まれます。デリケートな心を静かに癒して穏やかにし、日々の充実感を高めるようサポートしてくれます。神経をリラックスさせるための精油ブレンドには、常に有力候補として挙げられます。不安なときや気分が沈んでいるときなどに嗅ぐと、心を癒してくれるでしょう。
サンダルウッド
エキゾチックな香りが特徴のサンダルウッドは、ヒノキ特有のウッディの香りをベースにやや強めの酸味を感じるでしょう。使うほどに魅力が増してくる精油で、お香にも使われており、日本人には馴染み深い香りです。
気持ちを安定させる働きをし、大きな変化が訪れたとき、困難な問題が降りかかったとき、不安を払拭し心安らかにしてくれます。また緊張やストレスで動揺する心をコントロールする役目も担います。
簡単に使えるアロマセラピーやグッズを活用!睡眠の質をあげる環境を整えるには?
マスク生活が続き呼吸も浅くなりがちないま、生活のなかでゆっくりと深い呼吸に導き整える時間をつくりませんか?
「深呼吸」プラスあなたの「お気に入りの香り」をとり入れるだけで、1日のふとした時間が贅沢なリラックスタイムになる…難しい手順はいらず、就寝前に簡単にリラックスタイムを作り出すアロマセラピーの楽しみ方や、あると便利なアロマアイテムをご紹介します。
ティッシュやコットン
吸入は、精油の揮発成分を身近にある道具を使い、深呼吸して体内へ吸い込む最もシンプルでありながら香りの力を実感できる方法です。
アイテムもマグカップやマスクといった本当に身近にあるアイテムを用いるだけ。おすすめはティッシュやコットンにアロマオイルを1・2滴垂らしたものを枕元に置いてみてください。こんなにも簡単に、精油の香りがダイレクトに室内に広がるのか…と驚くはずです。
深呼吸して体内へ吸い込む方法
アロマセラピーのいろいろな利用方法 →
アイテムもマグカップやマスクといった本当に身近にあるアイテムを用いるだけ。おすすめはティッシュやコットンにアロマオイルを1・2滴垂らしたものを枕元に置いてみてください。こんなにも簡単に、精油の香りがダイレクトに室内に広がるのか…と驚くはずです。
アロマスプレー
水と精油を混ぜ、遮光瓶のスプレーボトルに入れてよく振って、簡単なルームスプレーを作り空気中やファブリックに噴いて香りを楽しめます。
市販されているアイテムや種類も多いため、好みの香りを楽しみやすく、持ち運びも簡単なので外出先・職場・旅行先でも楽しめるメリットがあります。
部屋の中に香りを拡散する芳香浴
アロマセラピーのいろいろな利用方法 →
ディフューザー
アロマディフューザーとは、精油を拡散して香りを楽しむための器具。超音波振動や、内蔵されたファンにより香りを効率よく拡散させ、アロマの香りでリラックスできる空間を作りたいときに活躍します。就寝前1時間~30分前に拡散を開始しましょう。
アロマディフューザーとは?
リラックス空間を手軽に実現したいあなたへ。
ディフューザーの種類や使い方・お手入れ方法 →
アロマバス
全身浴の場合、浴槽にお湯を張り、精油を2滴から10滴垂らして混ぜてから肩まで浸かります。 アロマバスは血液循環や新陳代謝が高まるとともに、副交感神経が優位になることで心身の緊張がほぐれリラックスを促します。ストレスや緊張疲労、肩や腰のこりなど、心と身体両方のケアに幅広く役立ちます。 アロマバスには全身浴・半身浴・足浴など、身体の部位や求める働き、リラックス効果によって楽しみ方を変える方法もありますので、精油の種類とともに入浴方法も考えて、楽しみ方の幅を広げましょう。
アロママッサージ
アロマセラピーマッサージでは、マッサージと精油の香りによって、深い精神的リラックス効果を体感できるでしょう。体液の流れを促進しながら、皮膚から精油の成分を体内に浸透させ、アロマセラピーの体への働きかけを実感できます。
好みの精油を用いてマッサージ用アロマオイルを自作する場合は、体調に合わせた分量やパッチテストなどさまざまな注意が必要です。
アロママッサージ専用ページより詳しくご確認ください。
COLUMN
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