精油はアロマセラピーの基本となる芳香物質。種類の違う精油のブレンドによって、楽しみの幅が広がります。
初心者の方はまず単品で香りを楽しむ人が多いでしょう。次のステップとして、精油のブレンドにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
チャレンジする前に知っておきたいブレンドの意味、精油の選び方や相性、やり方について解説します。ブレンドだから体験できる、自分好みの香りを楽しんでみませんか?
精油をブレンドする意味とは
アロマセラピーは1種類の精油でも充分楽しめますが、2種類以上ブレンドすると、さらに楽しみの幅を広げられます。
自分好みの香りを楽しめる
精油をブレンドすると、香りのハーモニーが生まれます。
植物にはそれぞれ独特の香りや性質がありますが、2種類以上ブレンドすると単品では考えられなかった香りを楽しめるのです。
また、時間の経過とともに香りが変化するので、ブレンド直後と時間経過後では違った印象になるでしょう。
精油の種類や特徴、滴数での調整が可能なので、気分や期待する作用で配合を変えられるのもポイントです。
精油の相乗効果が期待できる
精油で心身を整えたいと用いる方も多いでしょう。例えば広く知られているのはラベンダーの香りから感じるリラックス感、ペパーミントの香りから感じるリフレッシュ感です。
取り入れたい作用のある精油に、狙った作用を補助する精油、好きな香りの精油をブレンドすると、相乗効果が期待できるのです。
精油のブレンドへの知識を得る方法
ブレンドにはじめてチャレンジする場合は、まずは好きな香りの精油で始めてみましょう。さらに精油の知識を深めていけば、ブレンドによる香りのバリエーションが広がり、精油の相乗作用も得られやすくなります。
精油について詳しく記された書籍を読む
最近ではアロマセラピーに関する書籍が増え、書店やインターネット販売でも一般的になりました。
書店や専門店での実店舗での販売だけでなく、インターネット通販や電子書籍での入手も可能です。
気に入った書籍を一冊購入し読んでみましょう。
インターネットで検索をする
インターネットでもアロマセラピーや精油の情報を検索しやすくなりました。
お好みの精油をキーワードにしたり、期待する作用をキーワードにしたりして検索しましょう。
ただし、ただし、有料の書籍と異なり、無料でインターネットで得られる情報はすべてが正しいものとは限りません。
できるだけ信頼のおける専門的なサイトであるのかや、情報についてのエビデンスを確認するのをおすすめします。
アロマショップや専門店でに聞く
アロマショップでは香りを試せます。好きな香りを選び、相性のよい精油はどれか確認するとよいでしょう。
初心者でも簡単にブレンドできる精油の選び方
初心者でも簡単にブレンドするには、精油の選び方についていくつかの基本的な方法を知っておくとよいでしょう。
まずは「香りで選ぶ方法」「目的で選ぶ方法」を解説します。
香りで選ぶ
基本は好きな香りを中心に選びましょう。自分が心地よく感じなければ逆効果になる場合もあるので、心地よさが大切です。香りを重視した選び方では知るとよいポイントがあります。
▽ノート別に選ぶ場合
精油の香りの揮発速度を「ノート」といい、揮発が速い精油からトップノート、ミドルノート、ベースノートの3種類に分けられます。各ノートの中から一つずつ精油を選びブレンドすると長時間香りを楽しめるでしょう。
代表的な分類を確認しておきましょう。精油のメーカーによって多少分類が異なりますので、分からない場合は専門店や専門家に確認しましょう。
▽系統別に選ぶ場合
精油の香りは7つの系統に分類できます。
フローラル系、柑橘系、ハーブ系、樹木系、スパイス系、樹脂系、エキゾチック系です。同じ系統の精油と近い系統の精油は相性がよいとされています。例えば柑橘系のオレンジとハーブ系のローズマリーの組み合わせです。
目的で選ぶ
心身に役立つ作用に着目した選び方です。心身の状態にあわせメインとなる精油、補助的な精油をブレンドします。例えばラベンダーとゼラニウムのブレンドはリラックスに役立つでしょう。
精油をブレンドする際に必要な道具
お好みの香りを選んだら実際にブレンドしてみましょう。どんな道具が必要か、確認して事前にそろえておきましょう。
ブレンドする際必要な道具
現在はインターネットの販売でも入手が可能です。しかし安全性を考えるとアロマセラピーの専門メーカー、専門店の実店舗での購入が望ましいでしょう。実店舗であればテスターで香りの確認ができるためです。
▽好みの精油4~5種類
前述の方法で好みの精油を選びましょう。
▽ムエットまたは細く切った画用紙
ムエット(試香紙)か5mm程度の細さに切った画用紙を準備します。
▽ビーカーまたはガラス製の容器
遮光瓶へ移しやすく、色や香りが残りにくいです。
▽保存用の遮光瓶
精油は揮発性が高く、酸化により成分の変質が進みやすいため、遮光瓶に入れ日の当たらない冷暗所での保存が必要です。できあがった精油は遮光瓶で保存します。
ブレンドのやり方と注意点
ブレンドに必要な最低限の情報を確認し、道具をそろえてから、実際にブレンドしてみましょう。ブレンドの際の手順を解説します。
ブレンドの仕方
(1)各ムエットに1種類ずつ精油を垂らし、香りを確認します。反対側には精油名を記入しておくと後で迷わないでしょう。
(2)数枚ずつ重ねて鼻の先でゆらし確認します。メイン以外のムエットの組み合わせを変え、香りを確認します。ムエットを増やしたり減らしたりして香りを調整します。
(3)自分のイメージした香り、好みの香りがわかったら滴数を決めてビーカーに入れます。保存する場合は遮光瓶に入れましょう。
ブレンド時の注意点
ブレンドする際には、いくつかの点に注意しておこないましょう。
- ● 時間帯は頭のさえている午前中に行う
- ● 食後すぐは脳の働きが鈍くなるため避ける
- ● 生理中や排卵日は香りの感じ方が普段とは違うため避ける
- ● 季節、温度、湿度による感じ方の違いを念頭に置く
精油を取り扱うときの注意点
アロマセラピーを楽しむためには、精油を取り扱う際大事な注意点があります。
- ● 原液を皮膚につけない
- ● 飲用しない
- ● キッチンや火気を取り扱う場所での使用は充分に注意する
- ● 小さな子どもやペットの手の届かない場所に保管する
- ● 病気治療中、妊娠中、子どもの場合使用できない精油があるため、医師に確認、相談する
- ● 光毒性のある精油(レモン、グレープフルーツ、ベルガモット)を皮膚に使用する時。使用後日光にあたると炎症をおこす可能性があるので注意する
初心者でもチャレンジしやすい組み合わせ
初心者でもチャレンジしやすい組み合わせの例をお伝えします。以下でお伝えするのは、一般的に入手しやすい精油を利用したブレンドです。
ストレスを感じ心が落ち着かない時
オレンジ+フランキンセンス
柑橘の香りにお香の印象の香りを合わせると穏やかな気持ちが取り戻せるでしょう。
忙しくてヘトヘト、気力を出したいとき
ティーツリー+レモン+ゼラニウム
寝ても疲れが残るとき、やる気になれないとき、作用を期待できるでしょう。
初心者でも精油のブレンドはカンタン!自分にあった精油で選び気軽にブレンドを楽しんで
アロマセラピーは好きな香りをリラックスして楽しむのが基本です。まずは基本的な知識を押さえたうえで、気軽にトライから始めましょう。
さらに知識が加わると香りのバリエーションを広げられ、さまざまな目的にあわせたブレンドも狙ってブレンドしやすくなるでしょう。
精油の持つ自然の力は心身をゆるやかに整えていくのに役立ちます。自分に合ったぺースで、精油や用具を準備し「香りのある生活」を楽しみましょう。