アロマ・ハーブ・薬膳・漢方ライター田中彩
「紅生姜」の名義でハーブ・薬膳・漢方を中心に書くWebライター。植物と昆虫の研究で修士号を取得。農分野で研究員として働いた経験とバイオ系で遺伝子検査や抗体精製などに関わった経験あり。 薬膳コーディネーター、メディカルハーブセラピスト、アロマ&ケアスペシャリスト、紅茶検定中級の資格あり。理系として、研究論文(英語含む)、書籍を参考に執筆するよう心がけている。
精油といえば、香りを楽しむ目的で使うイメージが強いかもしれません。でも実は、掃除やハウスキーピングにとても役立ちます。汚れを落としやすくしたり、いやな臭いを中和したり、虫よけとしても大活躍。精油を使って掃除をしたあとは、よい香りが空間を満たしてくれるでしょう。
精油を取り入れたアロマ掃除のメリットと、おすすめ精油や掃除での活用方法を紹介します。アロマの力で、お掃除タイムをもっと楽しく、もっと快適に過ごしましょう。
精油を使って家の手入れをすると、掃除が手早く進む、消臭や虫よけに役立つなど、多くのメリットがあります。
油を溶かす成分「リモネン」が含まれているオレンジ精油は、油汚れに最適。ティートリー・ユーカリ・ペパーミントといった精油を使うと、殺菌作用で清潔な状態を維持できます。
ペパーミントやレモン精油を使うと、いやな臭いが和らぎます。トイレや生ゴミのアンモニア臭が気になるときは、モミの精油で中和しましょう。
虫よけによい精油は種類が多く、代表的な精油といえば、レモンの香りに似たシトロネラやレモンユーカリです。ゼラニウムやペパーミントにも虫よけ作用があり、オレンジ・グレープフルーツ・クローブの精油は、ゴキブリよけに効き目があります。
以下に当てはまる人には、精油を取り入れたアロマ掃除がおすすめです。
精油を使ったアロマ掃除は、掃除が楽に進むだけでなく、住環境が快適になります。さらに、目的に合わせて精油を使い分ければ、香りのバリエーションを楽しめます。掃除に使う洗剤やワックスに数滴加えるだけでも、香りの楽しみ方が広がるでしょう。
ただし、精油に直接触れると、刺激が強すぎて肌を傷めてしまいます。精油を水で薄めるときは、少量のエタノールで溶かしてから使ってください。洗剤やワックスには、精油をそのまま加えるだけでよく溶けます。
掃除やハウスキーピングに最適な精油について、香りの特徴と効能を紹介します。
勉強部屋や書斎といった、集中力を高めたい場所に。
清涼感のある香りです。すっきりしたいときに最適。虫よけ作用もあります。
頭をクリアにするハーブの香りです。リフレッシュ作用や集中力を上げる作用があります。
身体にしみとおるすっきりした香りです。リフレッシュ作用や集中力を上げる作用があるだけでなく、咳や痰が出るときにも役立ちます。
レモンとハーブをミックスしたリフレッシュ系の香りです。虫よけ作用に優れるため、蚊が出る夏はとくに重宝します。
リフレッシュ系のシャープな香りです。とくに抗菌作用に優れています。
寝室やリビングといった、リラックスして過ごす場所に。
お香に似た落ち着く香りです。リラックス作用があるので、睡眠前によく使われます。
日本の針葉樹の香りです。リラックス作用や抗菌作用があります。
リビングや客間といった、心地よさを高めたい場所に。お好みで寝室にも。
バラに似た優雅な香りです。リラックス作用だけでなく、虫よけ作用もあります。
フローラルとすっきり感を合わせ持つ、人気の香りです。リラックス作用や抗菌作用があります。
リビング・客間・台所といった、心地よさに加えてすっきり感も欲しい場所に。お好みで寝室にも。
マスカットに似た甘い香りです。リラックスによいだけでなく、女性のケアにもよく使われます。
果物のオレンジそのものの香りです。甘い香りは、リラックスを促し、気分を高揚させます。油を溶かす成分のリモネンを多く含むため、キッチンまわりの掃除に活躍します。
果物のレモンそのものの香りです。フレッシュな香りで、気分転換や臭い消しに役立ちます。
以下のアイテムを精油と併用すると、掃除・ハウスキーピングがより効果的に進みます。
油汚れを溶かして落とします。オレンジ精油を少し混ぜて使うのがおすすめです。
水垢を溶かして落とします。また、アンモニア臭を中和するため、トイレや生ゴミの掃除に最適です。
汚れを浮かせます。
重曹やクエン酸を溶かした液体を、掃除する場所に吹き付けるときに便利です。
精油は水に溶けません。また、直接触れると、刺激が強すぎて肌を痛める場合があります。そのため、無水エタノールに溶かしてから水で薄めて使いましょう。消毒用アルコール(無水エタノール70%と水30%の混合物)でも代用できます。
ハウスキーピングや掃除に精油を取り入れる方法を、場所別に紹介します。
汚れを落としやすくする、窓掃除用のスプレーです。
精油をエタノールに溶かし、炭酸水に混ぜた液体を、汚れが気になる場所にふりかけてください。
虫よけや、香りのよい空間づくりができるアロマです。
精油をエタノールに溶かし、さらに水で薄めて雑巾がけをしましょう。
精油をエタノールに溶かし、さらに水で薄めて雑巾がけをしましょう。リラックスしたい部屋には、ローズマリーをラベンダー・クラリセージ・フランキンセンスなどに変えるのがおすすめです。床を消毒したいときは、ティートリーを10滴ほど使うとよいでしょう。
汚れが落ちやすくなるだけでなく、臭い消しもしてくれるスプレーです。
オレンジ精油と重曹をよく混ぜた粉末を、油汚れにふりかけてしばらく置いたあと、スポンジで擦ると汚れが落ちます。
精油をエタノールに溶かして水で薄め、さらにクエン酸を溶かして作ります。水垢が気になる場所にスプレーしましょう。抗菌作用が欲しいときは、レモンをティートリーに変えてください。さわやかさを足したいなら、ペパーミントを使いましょう。
エタノールに精油を溶かし、水で薄めれば完成です。生ゴミを置いている場所に使用すると、さわやかな香りと抗菌作用が、いやな臭いを抑えます。生ゴミそのものにスプレーしてもよいです。抗菌を重視するなら、レモン精油はティートリー精油に置き換えましょう。
クローブもオレンジも、ゴキブリが嫌う香りです。オレンジ精油を染み込ませたクローブを、お茶パックに入れて、ゴキブリが出そうな場所に忍ばせましょう。
アンモニア臭を中和する精油を使ったアロマ掃除は、トイレの臭いを消してくれます。
クエン酸は、トイレの汚れを落としやすくする成分です。モミとクエン酸は、アンモニア臭を中和します。ペパーミントはさわやかな香り付けのためなので、好みに合わせて別の精油に変えてみましょう。
コットンやティッシュに精油を含ませて、クローゼットに置くと、衣服によい香りが移ります。虫よけ作用がある精油を使うと、よい香りが移るだけでなく、衣服に虫がつきません。
コットンに精油を垂らし、クローゼットに忍ばせましょう。衣服の虫よけには、他にもシトロネラ・ローズマリー・ゼラニウムがおすすめです。ゼラニウム+ラベンダーはフローラルな香りに、ローズマリー+ユーカリはシャープな香りになります。
精油を掃除に使う際は、精油が直接肌につかないように気をつけてください。刺激が強いので、肌を痛めてしまいます。精油は水に溶けず、エタノールや洗剤といった親油性の素材によく溶けます。そのため、必ずエタノールなどに溶かしてから、水で薄めて使いましょう。
精油を使ったアロマ掃除は、ハウスキーピングに役立ちます。重曹やクエン酸がない場合でも、精油を洗剤やワックスに数滴足して混ぜるだけで、十分にアロマ掃除ができます。
もし掃除が苦手でも、精油の香りに包まれながら掃除をすれば、気分が上がるはず。アロマを活用して、気持ちのよい空間を作りましょう。