セラピストライター白井未奈子
サービス業を10年経験するなかで、リラクゼーション業務に出会い「人を癒す」ことに目覚める。
フリーランスに転向して以降は、ボディートリートメントとフェイシャルエステの知識を活かし、美容・健康系の記事執筆を中心に担当。今は手ではなく、文章で読者にくつろぎとすこやかさを届けることを目指している。
深呼吸と自律神経の関係を知っていますか?互いは密接に関係していて、どちらか一方が乱れると片方も乱れてしまいます。浅い呼吸では、横隔膜のはたらきを鈍くしてしまうため、健康をおびやかしかねません。一方、深い呼吸は心身を整えてくれます。心身のバランスを保つために、正しい呼吸方法を身につけるのが大切です。みずみずしい香りやスパイシーな香り、心おどる華やかな香りといった胸いっぱい吸い込みたくなるアロマとともに、素敵な時間を過ごしましょう。
普段は気づかなかったのに、ふと立ち止まったりひと息つくときに、息苦しさを感じた経験はありませんか?
たとえば、長い時間をかけて準備したプレゼンの翌日や、スマホやパソコンの画面を食い入るように見たあと。何かに集中していると、呼吸する意識が薄くなり、まともな呼吸ができなくなっているのです。
現代人はもはや浅い呼吸が当たり前になってしまっていて、呼吸に使う横隔膜が十分に動かなくなりやすいです。運動習慣があるなら、おのずと深呼吸する機会もあるでしょう。しかし、テレワークといったオンライン体制がすすむ現代では、運動量の増加にあまり期待できません。日常で受けたストレスが慢性化し、息を吸うばかりで吐き切れなくなるとどうなるでしょう。肺に空気が残り、次に吸い切れず悪循環になってしまいます。深い呼吸でしっかりと息を吐き切るのを忘れないのが大切です。
「浅くても、息ができているなら、生きていくうえで支障はない」と思うかもしれません。しかし、呼吸の浅さは、多くのリスクを引き起こしてしまいます。代表的なのが、自律神経の乱れです。呼吸は自律神経に深く紐づいていて、息を吸うときに交感神経がはたらき、息を吐くときには副交感神経がはたらきます。つまり、息を十分に吐けていないと、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、自律神経の乱れにつながるのです。
深呼吸ができず自律神経が乱れて交感神経優位になると、血管が収縮して血がめぐりにくくなります。血行不良は、肩こり・足のむくみ・顔色のくすみといった、さまざまな不調の原因になりやすいです。とくに女性はホルモンの関係上、自律神経が乱れやすいとされています。イライラ・不安感・やる気のなさ・ほてり・めまいなど、あらゆる不調が起こりかねません。
浅い呼吸はマイナス要素を連れてきてしまいますが、深呼吸は私たちにプラスを与えてくれます。自律神経を整えるのを助けてくれるのはもちろん、免疫向上にも加担してくれるのです。深呼吸のメリットを詳しく確認しておきましょう。
自律神経は自分で意識的に動かせませんが、呼吸の方法によって整えられるといわれています。最近イライラしがちだなと感じたら、息をゆっくり長く吐いてみてください。交感神経優位から副交感神経優位になり、リラックス感を得られるでしょう。
横隔膜が動きにくくなっている状態での深呼吸は、なかなかむずかしいかもしれません。口をすぼめた状態をつくって腹式呼吸を意識し、お腹が膨らんだり凹んだりするのを確認してみてください。詳しいやり方は以下のとおりです。
自律神経のうち、副交感神経はリラックス感に加え、免疫機能も司っています。免疫が私たちの健康を守ってくれているのはいうまでもありません。深呼吸をして副交感神経がきちんとはたらくようになれば、免疫バランスもよい方向にととのうでしょう。
深呼吸を忘れやすい私たちですが、思わず息を吸い込みたくなる香りがあります。森の香りやお花の香り、鼻をくすぐるスパイシーな香りなど。好みの香りは人それぞれなので、胸いっぱいに吸い込みたくなるアロマを見つけてみてください。
オレンジスィートは、柑橘系のフレッシュな香りが特徴的。ハンカチやティッシュに垂らして持ち歩けば、まさにオレンジの果汁がじゅわっとあふれる、みずみずしさを感じられるでしょう。心身のリフレッシュに向いているうえ、気分転換にもぴったりです。
オレンジスィートより、落ち着きある柑橘系のアロマがベルガモットです。忙しい合間にかげば、ほっとひと息つけるでしょう。同時にフレッシュさもあるので、ハツラツとした時間を過ごしたいときにも適しています。清潔感もあり、男女問わず人気のアロマです。
ユーカリナローフは、深呼吸タイムにふさわしいアロマ。鼻に抜ける清涼感があり、次へ次へと息を吸い込みたくなるでしょう。ゆううつな気分がパッと晴れる清々しさもポイント。オレンジスィートといった柑橘系のアロマとのブレンドもおすすめです。
清涼感のある香りなら、スペアミントも忘れてはいけません。吸い込むと涼しさを感じられる香りで、暑さでむっとする夏の深呼吸タイムにぴったり。すーっとする感じの中に甘さもあるので、刺す強いミント系が苦手な人でも取り入れやすいでしょう。
マージョラムは、香辛料のようにスパイシーな香り。古くから薬草として活用されていて、料理の風味づけにも使われています。スッキリ感があるので、かぐと心身がととのう気分になるでしょう。愛の女神、アフロディーテが創ったとされる香りで、深呼吸してみませんか。
お花の香りが好きなら、ダマスクローズの花から採れるローズオットーに注目。クレオパトラも愛したといわれていて、むせかえる甘い香りが印象的です。香りのよさが感じられるのはもちろん、悩み多き女性の味方にもなってくれるでしょう。
フランキンセンスは、まさに深呼吸したくなる香りと伝えられるアロマ。スパイシーかつウッディな香りは、つい深追いしたくなってしまいます。古くから瞑想にも使われているので、束の間のリラックスタイムにもうってつけ。ディフューザーにセットして、自室や寝室でゆっくり炊くのもおすすめです。
深呼吸タイムに取り入れるなら、オーガニック認証精油を使用したARTQの「水音ブレンドオイル」も検討してみてください。オーガニックのオレンジ・ベルガモット・マージョラム・フランキンセンス・スペアミントといった、複数のアロマをブレンドしています。香りをブレンドしたいけれど、自分で組み合わせるのに自信がない方にもぴったりです。贅沢なアロマを吸い込みながら、ととのう時間を過ごしてみましょう。