管理栄養士ライター高村恵美
12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。
洗濯して何度も使えるウレタンマスクは経済的的な一方で、「素材の通気性がよい分、飛沫といった異物の侵入防止効果が低いのでは?」と不安を抱く方もいるかもしれません。不織布マスクとの違いやおすすめの使用シーン・基本的な洗濯方法・サイズや色の選び方を紹介します。ぜひ、お気に入りのマスクを選ぶ際の参考にしてみてください。 着け心地もよいので、愛用している方は多いのではないでしょうか。ウレタンマスクの特長やメリットを知っておけば、よりシーンに合わせた適切な使い方を日常でたのしめるはずです。
「ウレタンマスク」は、ウレタン素材を使った伸縮性のあるマスクです。顔の形に合わせた立体型のタイプが多く、カラーが豊富でおしゃれなマスクとして多く利用されています。洗濯して繰り返し使用できるので、経済的です。
「ウレタン」とは、2種類の主原料を混合させ反応して形成するウレタン結合をもつ化合物で、正式名称を『ポリウレタン』といいます。マスクの他にも、断熱材やスポンジなどに使われており、通気性に優れています。
感染対策として着用をすすめられている不織布マスクとウレタンマスクにはどんな機能の違いがあるのでしょうか?
国立研究開発法人「理化学研究所」により、マスクの素材別に飛沫抑制効果のシミュレーション結果が発表されています。ウレタンマスクは、不織布マスクに比べて飛沫量の抑制効果は半分以下との研究結果が出ています。
自分が周囲の人にうつすリスク要因である「吐き出し飛沫量」は、不織布マスクが約80%カットするのに対してウレタンマスクでは約50%にとどまるといった結果でした。つまり、ウレタンマスクは不織布マスクと比べての2.5倍もの飛沫量をまき散らすリスクがあるのです。
ウレタンマスクは不織布マスクに対して、飛沫の吐き出しの観点で、マスクの効果は半分以下といえます。
「微粒子ろ過効率」をPFE(Particle Filtration Efficiency)と表記し、不織布マスクのフィルター部分に「PFE99%」と表記がされているものもあります。PFEは約0.1㎛(マイクロメートル)サイズの粒子をどれくらいろ過(捕集)できたのかを表します。「PFE99%」であれば、約0.1㎛サイズの粒子を99%ろ過するのです。
ウレタンマスクはフィルターがないため、飛沫や微粒子をカットする機能も劣ります。
空気中に飛散されているおもな異物の粒子の大きさは以下のとおりです。
自分が感染するリスク要因である「吸い込み飛沫量」は、マスクなしを100%とした場合、不織布マスクが約30%なのに対し、ウレタンマスクでは60~70%との結果が出ています。つまり、不織布マスクと比べてウレタンマスクは約2倍以上の飛沫を吸い込んでしまうリスクがあるのです。飛沫カット効果を期待したい場合も、ウレタンマスクは避け、不織布マスクを利用することをおすすめします。
出典:200824記者勉強会_飛沫 (riken.jp)、file312.pdf (lem-labo.com)ウレタンマスクは、ウイルスの侵入を抑制する効果は期待できません。一方で、通気性がよく、呼吸しやすい点はメリットです。ウレタンマスクのおすすめ使用シーンや使い方を紹介します。
夏に問題視される「熱中症」は、マスクの着用で発症リスクが高まります。ウレタンマスクは通気性がよいく、熱さや息苦しさを軽減してくれるので、夏でもマスクを外すのに抵抗がある人は、ウレタンマスクを使いましょう。
また、運動やスポーツをする時も、息がしにくいと酸欠になる恐れがあります。通勤時の自転車、健康のためのウォーキング、ジムで筋トレをする時にマスクを使用したい方は、ウレタンマスクを選択肢に。
密閉性が高い不織布マスクでは、摩擦や蒸れといった肌への負担が気になる人も多いようです。ウレタンマスクは、通気性と着け心地がよいので、蒸れと摩擦を緩和して肌への負担を軽減します。
その他にも、ウレタンマスクは、すっぴんを隠す時や寒さ対策としても重宝します。シーンに合わせて上手に使い分けるとよいでしょう。
ウレタンマスクと不織布マスクを重ねて使えば、お互いの欠点を補い合いメリットを活かせます。肌への負担を抑えつつ、しっかりとウイルスなどの異物の侵入を抑制したい場合は、ウレタンマスクの上に不織布マスクを着けて二重にして使用してもよいでしょう。
また、ウイルスといった異物の侵入抑制効果を維持しながら、ウレタンマスクのファッション性を楽しみたい場合は、不織布マスクの上にウレタンマスクを着ける方法もあります。
ウレタンマスクは、サイズや色のバリエーションが豊富です。選び方のポイントをご紹介します。
ウレタンマスクのサイズは、「SS」「S」「M」「L」「LL」「3L」「フリー」といったサイズがあります。メーカーにより「キッズ」「レディース」「メンズ」といった分類をしている商品もあります。WEB上の商品ページやパッケージに詳細なサイズや着用イメージが記載されている場合が多いので、適したサイズの商品を選びましょう。
サイズが適していない場合は、顔とマスクの間に隙間ができてしまいます。ウイルスや花粉といった異物が侵入しやすくなるので、サイズ選びは重要です。
ウレタンマスクは、カラーバリエーションが豊富です。シンプルな色だけでなく、マットカラーやくすみカラー、パステルカラーといったより多彩な色から選べます。服装に合わせて好みの色をチョイスするとよいでしょう。
淡い色合いは、清潔感があり爽やかな印象になります。濃い色合いは汚れが目立ちにくいため、気軽に使えるでしょう。お子さんには、迷子対策として個性のある色もおすすめです。
ウレタンマスクの洗濯のポイントをマスターして、いつもキレイに、長持ちさせて大切に使いましょう。
まずは、ウレタンマスクを洗濯する際に覚えておきたいポイントをお伝えします。
ウレタンマスクの基本の手洗い方法をご紹介します。
最近では、すっぴん隠しや寒さ対策、日よけ、おしゃれアイテムの一つとしてマスクを着用する方も多いでしょう。「通気性のよさ」や「着け心地のよさ」「ファッション性の高さ」「経済面」を重視する方には、ピッタリのマスクです。
ただ、ウレタンマスクは、ウイルスといった小さな粒子の侵入を抑制する効果は期待できません。
通気性を求める気温が高い日やスポーツをする日、ファッション性をお求めるお出かけや推し活など、シーンに合わせて上手にウレタンマスクを活用してみてはいかがでしょうか。
各ブランドの商品一覧をご確認いただけます。