疲れを感じたときや、もうひと踏ん張りしたいときに栄養ドリンクを服用するという方も多いことでしょう。
さまざまな効果を感じる一方で「栄養ドリンクをよく服用するけど正直カロリーが気になる」、こういったお話しも良く耳にします。
栄養ドリンクは甘さを感じる商品もあり、カロリーが高いというイメージを持っている人が多いかもしれません。しかし、実際はそこまで気にするほどのカロリーではないことがほとんどです。
実際の栄養ドリンクのカロリーや、そもそもカロリーとは何かを知ることで納得して服用できます。カロリーが気になる場合の栄養ドリンクの摂取方法も参考にしてみてください。
カロリーとは
「カロリー」とはエネルギーの単位です。
1mlの水の温度を1℃あげるために必要なエネルギーが1cal(カロリー)、1リットルの水の温度を1℃あげるために必要なエネルギーが1kcal(キロカロリー)です。
車にはガソリン、電化製品には電気エネルギーが必要なのと同じで、人も生きていくためにはエネルギーが必要です。
人にとってのエネルギー源は“食品”になります。
カロリーは単位ですが、ここではわかりやすいように『エネルギー(カロリー)』としてご説明いたします。
人は、起きている時間はもちろん、寝ている間も心臓を動かしたり、呼吸をしたり、脳の働きを維持するために、食物から取り入れた栄養を体内で血液にして体の各部分に送っています。
このような生命活動の維持にはすべてエネルギー(カロリー)が必要であり、そのエネルギー(カロリー)を食品から摂取しているのです。
太る、痩せるは、食品からのエネルギー(カロリー)摂取量と活動によるエネルギー(カロリー)消費量の収支バランスによって決まります。
摂取したエネルギー(カロリー)よりも消費したエネルギー(カロリー)のほうが多ければ痩せていき、食べてばかりで消費したエネルギー(カロリー)が少なければ太りやすくなります。
体重が維持できている場合は、この摂取したエネルギー(カロリー)と消費したエネルギー(カロリー)が同じくらいでバランスがとれているということになるでしょう。
エネルギー(カロリー)摂取量過多による肥満や生活習慣病も気を付けなければいけませんが、摂取量が極端に少ない場合は低栄養などの栄養障害のリスクも高まります。
低栄養になるとさまざまな感染症にかかるリスクが高まるだけでなく、生命維持も危ぶまれることがあるため注意が必要です。
前述した通り、人は寝ている間にもさまざまな生命活動でエネルギー(カロリー)を消費しています。生きていくうえで最低限必要なエネルギー(カロリー)のことを「エネルギー基礎代謝量」といいます。
生命を維持するためには最低でも基礎代謝量分のエネルギー(カロリー)は確保しなければなりません。
基礎代謝量の目安は、厚生労働省が作成している「日本人の食事摂取基準」に記載されています。
参考までに2020年版で報告されている基礎代謝量の目安をご紹介します。(日本人の食事摂取基準は5年ごとに改訂)
※成人男女を抜粋
- ● 18~29歳:男性1530kcal/女性1110kcal
- ● 30~49歳:男性1530kcal/女性1160kcal
- ● 50~64歳:男性1480kcal/女性1110kcal
- ● 65~74歳:男性1400kcal/女性1080kcal
- ● 75歳以上:男性1280kcal/女性1010kcal
この基礎代謝量に活動量を加えたものが1日の必要エネルギー(カロリー)量になります。
デスクワークなどが中心であまり体を動かなさい方は+500kcal、運動する習慣がある方なら+1000kcalを目安に加算すると良いでしょう。
この数値はあくまでも目安であるため、体重の推移を確認しながら随時調整は必要です。
栄養ドリンクのエネルギー(カロリー)はどれくらい?
気になる栄養ドリンクのエネルギー(カロリー)についてですが、代表的な商品の中では高いものだと100kcal、平均すると大体30~70kcalにおさまるものがほとんどです。糖類ゼロなど低カロリーをうたっている商品は、ほとんどが10kcal前後におさまっています。
参考までに、一般的な菓子類のエネルギー(カロリー)は下記の通りです。
- ● シュークリーム1個(100g):211kcal
- ● バニラアイスクリーム1個(120ml):246kca
- ● 大福1個(70g):156kcal
- ● どらやき1個(粒あん、80g):234kcal
- ● 板チョコ1枚(50g):275kcal
栄養ドリンクは高くても100kcalほどであるため、さまざまな栄養素が入っているにも関わらず、エネルギー(カロリー)はそれほど高くないということがわかります。
多くの商品が、1日に1本の摂取を目安としているため、1本程度のエネルギー量であればそこまで気にする必要はないように思えます。
栄養ドリンクと似た商品でエナジードリンクがあります。
これらの商品は1本当たりの内容量が栄養ドリンクよりも多く、そのぶんエネルギー(カロリー)も高くなっているため服用には注意が必要です。
栄養ドリンクの糖類ゼロとは?糖質ゼロとの違い
糖質と糖類、似たような言葉ですがそれぞれ違うものになります。ちなみに「糖分」は、甘いもの全般を一般的には指す言葉として使用されています。
糖質
人体のエネルギー(カロリー)源となる物質で、炭水化物の一部を形成しているものです。炭水化物は、糖質と食物繊維を合わせたものになります。
糖類
糖質の一種です。からだのエネルギー(カロリー)となる糖質は、単糖類・二糖類に分けられる糖類と、デンプンやオリゴ糖などの多糖類、糖アルコールなどに分類されており、単糖類・二糖類の総称が糖類です。
糖類ゼロ、糖質ゼロの表記について
商品のパッケージに記載されている「栄養成分表示」上で、「カロリーゼロ」や「糖類ゼロ」「糖質ゼロ」と記載するには基準が定められています。
カロリーゼロの場合:食品100g(飲料100ml)当たり5kcal未満であれば記載可
糖質ゼロの場合:食品100g(飲料100ml)当たり0.5g未満の糖質量であれば記載可
糖類ゼロの場合:食品100g(飲料100ml)当たり0.5g未満の糖類量であれば記載可
「ゼロ」と書いてあれば完全にゼロかと思いますよね。「ゼロだから安心!」と過剰に摂取してしまうとエネルギー(カロリー)過多や糖質過多にもなりかねません。
実際は前述した基準内であればゼロ表記が可能であるため、場合によってはエネルギー(カロリー)も糖質も含まれている可能性があることを覚えておきましょう。
エネルギー(カロリー)が気になる人の栄養ドリンクの上手な摂取方法
栄養ドリンクのエネルギー(カロリー)はそれほど高くないことは前述したとおりですが、それでもなるべく摂取する量は少ないほうが良いと思われる方も多いかもしれません。
その場合は「糖類ゼロ」タイプの栄養ドリンクがおすすめです。
さまざまな成分が含まれているのに、糖類をおさえていることから、ほとんどの製品が10kcal前後。これぐらいのエネルギー量なら体重管理をされている方でも取り入れやすいのではないでしょうか。
栄養ドリンクのエネルギー(カロリー)は一般的な菓子類と比較すると高くはなく、1日に何本も服用するものではありません。
そのため、摂取するエネルギー(カロリー)量に対してそこまで神経質になる必要はありませんが、必要なエネルギー(カロリー)量はそれぞれ人によって異なります。
医師の判断によりエネルギー(カロリー)制限がある方は主治医の指示に従う必要がありますし、体重管理中の方もエネルギー(カロリー)過多にならないように意識しなければいけません。
エネルギー(カロリー)を気にされる方向けに糖類ゼロ商品も多く販売されているため、栄養ドリンク購入時には上手に活用していけると良いでしょう。
各ブランドの商品一覧をご確認いただけます。