管理栄養士ライター高村恵美
12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。
ビタミンAは、肌や目の健康を維持する働きを持つ成分です。しかし、過剰に摂ってしまうと、体に害を及ぼしてしまいます。
どのような食品に多く含まれていて、どのくらいの量を摂取するのが効果的なのかを知っておきましょう。サプリで摂取するのがおすすめの人とサプリの選び方についてもご紹介するので参考にしてみてください。
ビタミンAとは、レチノール・レチナール・レチノイン酸の総称であり、油に溶けやすい性質を持ったビタミンの一種です。
レチノールは、ビタミンAの主要な成分であり、「免疫力アップ」や「皮膚や目の粘膜を健やかに保つ」働きがあります。さらに、薄暗いところでも物を見られるのもレチノールの働きによります。
また、摂取したあとに体内でビタミンAに変換される成分もあります。それが、植物の赤や黄といった色素成分の一種である「カロテン」です。カロテンは、ビタミンAの前駆体(プロビタミンA)として、ビタミンAの仲間に分類されます。
カロテンは、β(ベータ)型・α(アルファ)型・γ(ガンマ)型・クリプトキサンチンなどの種類があり、ビタミンAとしての効力が最も高いのは「β-カロテン」です。
ビタミンAは摂り過ぎると、中毒症状が起こります。急性と慢性の症状があるので、詳しく見ていきましょう。
● 急性の中毒症状
魚の肝油を大量に食べた場合やサプリメントの過剰摂取などでみられ、以下のような症状が起こります。
● 慢性の中毒症状
連日にわたって過剰にビタミンAを摂取していると慢性症状が起きるといわれています。症状は以下のとおりです。
極端なダイエット・お酒の飲み過ぎ・長引く下痢によってビタミンAの欠乏症を引き起こす場合があります。
初期症状としては、夜盲症(暗いところや夜に物が見えにくくなる病気)が見られます。悪化すると目が乾燥したり、最悪の場合は失明する危険性もあるのです。
日本人の食事摂取基準(2020年版)により、ビタミンAの摂取目安量が設定されています。
なお、単位の「μgRAE」は、レチノール活性当量を表しており、「β-カロテンなどのプロビタミンAをレチノールで換算したらどのくらいか」を示しているのです。
「1μgRAE=1μgのレチノール=1μgのビタミンA=12μgのβ-カロテン=24μgのほかのカロテン」といった考え方に基づいています。
※1推奨量とは、ほとんどの人(97.5%)が摂取できている量で、この量を摂取していれば、だいたいの人が健康な状態を維持できると考えられています。
※2耐容上限量は、この量以上を長期的に摂り続けることで健康を害するリスクがあるという量です。
参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書
レバーや卵といった動物性の食品には、ビタミンA(レチノール)が多く、緑黄色野菜といった植物性食品には、プロビタミンA(カロテン)が多く含まれています
参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ビタミンAサプリメントは、「目の健康を維持したい人」「風邪をひきやすい人」におすすめです。サプリメントを選ぶ際は、次の3つをチェックしましょう。
β-カロテンは、体内で必要な分だけビタミンAに変換される性質があります。そのため、ビタミンAの過剰症を引き起こす心配がないのです。特に、妊娠中は過剰摂取により、胎児の先天性異常を起こす危険性があるため、注意しましょう。
健康のために摂るものだからこそ、安心できるサプリメントを選びたいですよね。その指標となるのが、「GMP製品マーク」です。原料の受け入れから製品の出荷までのすべての工程において、製造管理と品質管理がなされているので、安心して摂取できます。
免疫力アップを期待する場合は、ビタミンA+C+Eが配合されているサプリがおすすめです。皮膚や粘膜を守るビタミンAに加えて、ビタミンCとEを摂ると、年齢に負けずイキイキとした日々をサポートします。
ビタミンAは、目や肌の健康を維持して免疫力を上げる働きがあります。そのため、不足しないように毎日摂る必要があります。
しかし、摂り過ぎは中毒症状を引き起こす可能性があります。ビタミンAの多い動物性食品(レバーなど)の摂り過ぎには注意が必要です。
普段の食事でビタミンAが不足しがちな方は、サプリメントで補給するのがよいでしょう。サプリメントを選ぶ際は、過剰摂取の心配がない「β-カロテン」が配合されている製品がおすすめです。
ぜひ、適切にビタミンAを補給して、イキイキと毎日を過ごしましょう。
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