アロマ・ハーブ・薬膳・漢方ライター田中彩
「紅生姜」の名義でハーブ・薬膳・漢方を中心に書くWebライター。植物と昆虫の研究で修士号を取得。農分野で研究員として働いた経験とバイオ系で遺伝子検査や抗体精製などに関わった経験あり。 薬膳コーディネーター、メディカルハーブセラピスト、アロマ&ケアスペシャリスト、紅茶検定中級の資格あり。理系として、研究論文(英語含む)、書籍を参考に執筆するよう心がけている。
世の中には多くのサプリメントがあります。女性が飲むべきはどんなサプリメントなのでしょうか?女性の悩みは年代ごとに移り変わります。季節・体の変化・年齢のタイミングによって、どんなサプリメントがおすすめなのでしょうか?
美容への働きかけを期待できるサプリメントも気になるところです。まずはサプリメントはどういう錠剤やタブレットかについて確認しましょう。さらにサプリメントの上手な選び方について、女性におすすめのサプリメントを紹介します。
サプリメントは健康のためによく使われますが、サプリメントは医薬品なのでしょうか?多種多様なサプリメントから、自分に合う栄養素をどうやって選べばいいのでしょうか?
厚生労働省などの公的機関がサプリメントをどのようにとらえているかと、サプリメントの適切な選び方について紹介します
疲労の原因は、肉体的なもの・精神的なもの・病気によるものなどがあります。疲労の症状は、以下のとおりです。
サプリメントは、健康食品のひとつとされています。では、健康食品とはそもそもどんな食品を指すのでしょうか?
厚生労働省は、「健康食品は、医薬品以外で経口的に摂取される、健康の維持・増進に特別に役立つことをうたって販売されたり、そのような効果を期待して摂られている食品全般」といったとらえ方をしています。
消費者庁も「健康食品と認識されている製品の多くが錠剤・カプセル状なので、 サプリメントと健康食品は同じものと解釈されている」ととらえています。
サプリメントは、健康にいい成分や栄養素を補充する目的で使う健康食品と考えていいでしょう。
現在世の中にあるサプリメントは非常に多く、含んでいる成分もサプリメントによって大きく異なります。しかし、不足しがちな栄養素は、一人ひとりによって違います。自分に足りない栄養素を把握し、補うサプリメントを選ぶのが、おすすめのサプリメント活用方法です。
今は、自分の食生活を記録すると、摂取できている栄養素を概算してくれるアプリやサイトがたくさんあります。便利なツールを使って、1週間くらい自分の食生活を記録し、自分に足りない栄養素を把握しましょう。足りない栄養素をサプリメントで補うのが、適切な使い方です。
サプリメントは毎日飲むタブレットや錠剤であり、栄養素の成分が濃縮されています。しかし多量に飲んだり、すでに十分とれている栄養素にさらに足したりすると、過剰摂取を引き起こしがちです。
サプリメントは、たくさんとれば健康になるのではありません。また、どんな成分であっても、とり過ぎはよくありません。特定の成分の過剰摂取は、過剰症を起こし、体に悪影響が出る場合もあります。
サプリメントは、あくまで自分の食生活に足りない栄養素を補う形で使いましょう。
女性の悩みに寄り添うサプリメントは、どんな働きをするのでしょうか?
ダイエットや美容は、いつの時代も女性の悩みです。また、ハードな現代では、疲れやすさも悩みのひとつでしょう。
妊娠・出産に関わる体の変化は、女性にとっては大変な事柄です。多くの女性の悩みに広くおすすめできる栄養素で、手軽にとれるサプリメントを紹介します。
髪や肌を作るのはタンパク質です。タンパク質はアミノ酸がつながってできています。アミノ酸をとって髪や肌の材料をしっかり補給し、毎日触りたくなる髪と肌を目指しましょう。
筋トレとアミノ酸サプリメントを組み合わせるのは、体力をつける近道につながります。
また、アミノ酸で作られるタンパク質は、体脂肪の燃焼にも関わります。運動と組み合わせるなら、アミノ酸はダイエットにもおすすめです。
ビタミンA・C・Eは、どれも抗酸化力が高いビタミンです。皮膚は紫外線を浴びると酸化して老化するので、紫外線が気になる時におすすめのビタミンです。
3つのビタミンは、皮膚の新陳代謝にかかわるビタミンでもあります。とくに、ビタミンCは肌のハリを保つコラーゲンを体内で合成する時に必要なビタミンです。3つのビタミンをきちんととって、鏡を見るのが楽しみな肌になりましょう。
ただし、ビタミンA・Eは脂溶性ビタミンであり、とりすぎても、余分にとった分はなかなか体の外に排出されません。気をつけないと過剰摂取になってしまうケースがあります。
とくに、ビタミンAは、妊娠初期に過剰摂取すると胎児に奇形の起こる可能性が高くなります。自分の食生活を把握して、足りない分を補う程度にサプリメントを活用しましょう。
疲れやすさや生理前後の不調など、女性の悩みは貧血が関わっている場合も多いです。貧血は鉄分不足による鉄欠乏性貧血であることが多いので、積極的に鉄分をとりましょう。
鉄欠乏性貧血で起こる主な症状は、脱力・疲労・息切れ・顔の青白さです。無性に氷などが食べたくなる、異食症という症状が起きる場合もあります。
立ちくらみがあったり、下まぶたをめくってみて血の色が薄かったりしたら、一度、病院で貧血かどうか調べてみましょう。
鉄を含むサプリメントはたくさんあります。なかでもヘム鉄が一番吸収しやすい鉄分です。また、ヘム鉄と非ヘム鉄は、ビタミンCと一緒にとると吸収率がアップします。
水溶性ビタミンのビタミンCは、多く摂取したぶんは尿で排出されるので、多少ならとりすぎても問題ありません。鉄のサプリメントとビタミンCサプリメントを組み合わせたり、もとからビタミンCの含まれている鉄のサプリメントを選んだり…といった工夫がおすすめです。
ただし、鉄のサプリメントはコーヒーやお茶で飲むのは避けましょう。鉄分は、コーヒーやお茶のタンニンと結びついて吸収しにくくなるためです。サプリメントを飲むときは、水で飲むのがおすすめです。
妊娠前から葉酸を十分とると、葉酸不足で起こる胎児の先天性異常(神経管閉鎖障害)の予防にも役立ちます。
葉酸は食事からとれる栄養素ですが、食事のみで必要量をとるのが大変な栄養素でもあります。こういう栄養素にこそ、サプリメントを活用しましょう。
また妊娠中は、鉄やカルシウムも普段より多くとるべきです。葉酸を複合したサプリメントもあります。自分の食生活と相談しつつ、自分に合ったサプリメントを選びましょう。
女性の悩みは、年代によって変わります。どの年代でもバランスよく栄養素をとる食生活の意識が一番の前提ですが、年代によっては不足しがちな栄養素もあります。
年代ごとに、とくに重視すべき栄養素で、サプリメントによって補充できる栄養素を紹介します。
20代・30代では、まだ若く新陳代謝も盛んなので、体を作る栄養素をとるべきです。体を作る栄養素は数多くありますが、カルシウム・鉄・アミノ酸は押さえておきたい栄養素です。
骨粗鬆症(こっそしょうしょう)は、年をとってからの病気という印象があります。しかし、骨にカルシウムをきちんと吸収させて、20代・30代からカルシウムを適切にとるべきです。
骨粗鬆症で年をとってから骨折すると、予後が悪く、寝たきりになってしまうケースもあります。若い年代から備えておくべきです。万全を期して、カルシウムの吸収をよくするビタミンDも一緒にとるべきでしょう。
さらに、体の器官の多くを形作るのは、アミノ酸から作られるタンパク質です。また、体中に酸素を十分に運んで動かすためには、鉄も必要です。
【20代・30代で摂取したい栄養素】
上記は最低限押さえたい栄養素です。まずは食事から栄養素をとれているか調べ、食事だけで補給するのが難しければ、サプリメントで補給しましょう。
40代・50代では、体を作る栄養素に加えて、「体を整える」栄養素をしっかりとるべきです。更年期対策をしておきたい年代なので、ビタミン・ミネラルがきちんととれているか、食生活をよく確認しましょう。
40代・50代から栄養素を十分にとっておくと、健康寿命の延長につながります。人生の質を高めつつ、長く生きられる人生を目指せるでしょう。よい人生を送るために食生活を見直し、サプリメントを上手に活用しましょう。
上記は最低限押さえたい栄養素です。また、年をとっても動ける体を保つためには、毎日の運動がおすすめです。
サプリメントは健康食品の一種であり、足りない栄養素を補うために使うのがおすすめです。女性の悩みに広く対応し、サプリメントでとれる栄養素では、カルシウム・アミノ酸・ビタミンA・C・E、鉄があります。また、妊娠の準備には葉酸をとりましょう。
どの年代でも栄養素はバランスよくとるべきですが、20代・30代では「体を作る」栄養素をしっかりとるべきです。40・50代では、更年期対策も兼ねて、「体を整える」栄養素を加えてとるべきです。
どの年代であっても、自分の食生活で足りない栄養素を把握し、サプリメントで足りない部分を補うようにすべきです。サプリメントのとりすぎは特定の成分の過剰摂取を引き起こしやすく、特定の成分の過剰摂取は体に悪影響が出る可能性もあります。
サプリメントを上手に使って栄養素を補い、質の高い人生を送りましょう。
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