管理栄養士ライター高村恵美
12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。
「アラニン」は馴染みのない人が多いかもしれません。
しかし、私たちの健康を支えるために欠かすことのできない成分であり、食品添加物としても広く使われています。
とくに外食や会食が多い人には、しっかりと摂りたい成分です。
今回は、アラニンとはどのような成分なのか、アラニンを多く含む食品について解説します。
また、アラニンの効果的な摂取方法やおすすめレシピもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
アラニンは「αアラニン」と「βアラニン」に大別されますが、単に「アラニン」と呼ばれる場合に指すのは、一般的に「αアラニン」です。まずは、αアラニンについての情報を確認しておきましょう。
アラニンとは、アミノ酸の一種です。人間の体内では、糖質や脂質から作り出せるほか、食品からも摂取しています。
体内では、筋肉や皮膚などのタンパク質の一部となり存在しているのです。アラニンは、旨味と甘味が特徴的で、食品添加物としても広く利用されています。
体内のアラニンは、血液に溶けた状態で肝臓に運ばれ、糖新生(エネルギーを作り出すために、肝臓で新しく糖を合成する経路)に関与しています。
栄養素の摂取目安量は、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」によって示されています。しかし、非必須アミノ酸である「アラニン」については、摂取目安量の記載はありません。
アラニンは、うまみ成分であるため、うまみが強い食品に多く含まれています。
上記の表を確認すると、アラニンが多い食品は、乾物に集中しています。
また、アラニンは、水に溶けにくい成分なので、乾物の戻し汁や煮汁・だし汁にはあまり含まれていないのです。
そのため、煮干しやかつお節などはだし汁だけでなく、食品そのものを食べたほうが効果的にアラニンを摂取できます。出し殻は、ふりかけにすることで無駄なく摂取できるでしょう。
「アラニン」は「オルニチン」との相性が良いので、健康維持のためには、アラニンとオルニチンを両方多く含む“しじみ”がおすすめです。
生のしじみ(可食部100g中)には、480mgのアラニンが含まれており、オルニチンも約15mg含まれています。
アラニンを多く含む「乾物類」を使ったレシピを、3つご紹介します。アラニンはうまみ成分の一つです。うまみがギュギュっと詰まった乾物を料理に使うと本格的な味わいになります。
(アラニン食材:サクラエビ・かつお節・青のり)
サクラエビが香ばしい味わいの簡単お好み焼きです。
【材料】(2枚分)
<生地>
<具>
<トッピング>
【作り方】
(アラニン食材:ホタテの貝柱・ゼラチン・刻みのり)
ホタテの旨味と女性にうれしいコラーゲンがたっぷり入った炊き込みご飯です。
【材料】(2人分)
【作り方】
粉ゼラチンを入れることで、味や食感に大きく影響を与えません。冷めても固まって団子状にならずおいしく頂けるので、ぜひ試してみてください。
(アラニン食材:干しタラ)
干しタラと韓国調味料“ダシダ”の旨味の相乗効果で本格的な味わいが楽しめるスープです。
【材料】(2人分)
【作り方】
アラニンは、外食や会食の多い方・美容意識の高い方をはじめ、忙しい現代人におすすめの健康成分です。
甘味のあるうまみ成分としても知られ、食品のおいしさに関与しています。アラニンを特に多く含む食品は、うまみが凝縮された乾物類です。
また、アラニンは水に溶けにくい性質があります。そのため、かつお節や煮干しでだしを取ったあとは、ふりかけにして食べると無駄なく摂取できるでしょう。
外食で乱れがちな栄養バランスを整えたい方には、アラニンに加えてオルニチンも多く含む「しじみ」がおすすめです。
しかし、しじみや乾物を毎日調理するのは難しいかもしれません。そんな方には、アラニンが濃縮された健康ドリンクで摂取するのがおすすめです。
ぜひ、毎日アラニンを取り入れてベストな自分を目指しましょう。
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