肌が乾燥する原因は一つではありません。季節の変わり目にあたる春秋にはかゆみを伴い、寒暖差が起こりやすい夏冬には爪まで乾燥するなど、年中乾燥肌のお悩みに苦しむ方も多いのではないでしょうか。
今回は、肌の乾燥を招く原因について紐解いていきます。乾燥すると肌がかゆい方は、予防法や対策にも目を通してみてください。食べ物やスキンケアが原因になっているかもしれません。
肌が乾燥するってどういう状態?
大人の体は約60%が水分でできており、約60%のうち約15%の水分は、爪を含む肌に貯蓄されているといわれています。
体内の水分量を大きく占める肌は、個人差こそありますが、キメの整ったうるおいに満ちた状態のはずです。
ではなぜ、肌は乾燥するのでしょう。肌の乾燥による主な症状をチェックしたあと、乾燥が起こるメカニズムをみていきましょう。
肌の乾燥が引き起こす症状
肌が乾燥すると、カサカサとした手触りになり、つっぱりや粉フキを引き起こします。
また、ひび割れたり皮がむけてきたりするケースも少なくありません。さらに乾燥がすすむと、かゆみや赤みに加え、ヒリつきやニキビに転じる場合もあるでしょう。
乾燥の度合いや症状は個人差があり、常に乾燥を感じる人のほか、洗顔や入浴後に実感する人もいるでしょう。
症状が出やすい場所としては、皮脂分泌の少ない顔をはじめ、ひじや膝、すね周りなどです。
顔では、とくに口周りや目の周りにみられやすいため、肌のSOSを見逃さないようにしましょう。
肌の乾燥が起こるメカニズム
肌の不調を招く乾燥ですが、どのようにして起こるかご存知でしょうか。
まず、肌は表皮・真皮・皮下組織の3層から成り立っています。最も表面にある表皮の角質層には「バリア機能」が備わっており、肌の水分を守っているのが「バリア機能」です。
機能が正常にはたらいていれば、肌のうるおいは保たれるでしょう。しかし、機能が低下すると肌の水分を十分に保てなくなり、乾燥したり敏感になったり不調を生じます。
つまり、バリア機能の低下こそが肌の乾燥の原因といえるでしょう。
肌が乾燥する原因とは?
肌の乾燥は先述のとおり、バリア機能の低下により引き起こされると推測できます。
それならバリア機能を一定に保てばいいのでは?と思うかもしれませんが、機能を低下させる要因は一つではありません。
生活のなかには、バリア機能の低下を招く原因がいくつも隠れているのです。そこで次に、肌の乾燥が生じる原因をみていきましょう。
乾燥肌の原因(1)肌のターンオーバーの乱れ
肌の乾燥が生じる主な原因として、ターンオーバーの乱れが挙げられます。ターンオーバーとは、肌の生まれ変わりサイクルです。
古くなった角質を剥がれ落ちさせる役目を担っており、健やかな肌を保つのに欠かせません。
ターンオーバーが正常であれば、肌のうるおいは保たれるでしょう。しかし、サイクルが乱れていれば肌の生まれ変わりはうまくいかず、乾燥などの肌トラブルにつながってしまいます。
ターンオーバーが乱れる原因は複数あるため、要チェックです。
- ● ストレス
- ● 食生活の乱れ
- ● 睡眠不足
- ● 喫煙
乾燥肌の原因(2)夏の紫外線、冬のエアコンなど季節要因
冬は乾燥の季節といわれており、肌の乾燥が起こるのは冬のみと思っている方は多いかもしれません。しかし、乾燥は春夏秋冬起こりうる肌トラブルです。
まず、花粉症の季節である春は、肌を乾燥させる条件が揃っています。秋も含め、季節の変わり目による朝晩の寒暖差は、バリア機能を低下させる原因の一つです。
肌への花粉の付着は花粉皮膚炎につながりかねません。3月後半に入ってくると紫外線量も増え、肌への負担が増えると、乾燥や肌荒れに発展してしまうでしょう。
また、夏の天敵といえば紫外線です。紫外線は日焼けを招くだけでなく、バリア機能を低下させ、乾燥も生じるでしょう。
乾燥の季節といわれる冬を含め、気になるのがエアコンの風です。
エアコンの風は室内の湿度を下げるため、エアコンの効いた部屋に長時間いると、乾燥した空間に肌をさらし続ける状態になりかねません。
乾燥肌の原因(3)間違ったスキンケア
日々のスキンケアによって、肌の乾燥を招いているケースもあります。オイリー肌やべたつきやすい夏は、爽快感を求めて必要以上に洗顔をしてしまいがちです。
しかし、肌をゴシゴシこするスキンケアは、肌の表面を傷つけてゴワつきを生じるとともに、バリア機能を低下させる可能性があります。
また、入浴や洗顔時の水の温度も原因の一つです。お湯で顔を洗うと、つっぱりを感じる方も多いのではないでしょうか。
熱すぎるお湯や冷たすぎる水もまた、バリア機能を低下させ、肌の乾燥を招きかねないのです。
乾燥肌の原因(4)マスクの付け外しによる水分蒸発
マスク生活において、口まわりの乾燥が気になる方も多いのではないでしょうか。
一見するとマスク内部はうるおっている感覚を受けますが、肌の保湿はできないといわれています。
なぜなら、マスク内部の水分が蒸発すると同時に、肌の角質層にある水分まで奪ってしまうためです。
マスクを付け外しする瞬間、もしくはマスクと肌の間にできた隙間から、乾燥がすすむといえます。
かといって、マスクを外さなければよいともいえません。長時間マスクをつけていると、マスクに覆われた肌は徐々にふやけ、バリア機能が低下します。
さらに、マスクの付け外しによる摩擦を伴うと、乾燥を通り越して、肌荒れに繋がる時もあるでしょう。
肌の乾燥を防ぐポイント4つ
肌の乾燥につながる原因は、日常のあらゆる部分にひそんでいます。とはいえ仕方ないと諦めるのではなく、日々のちょっとした工夫を心がけてみてください。
今日から取り組める、乾燥肌の予防法を4つご紹介します。うるおった肌を保つため、ぜひ実践してみましょう。
日々の保湿ケアでうるおいチャージ
乾燥を予防するためには、どんな原因であっても、日々の保湿ケアが必要不可欠です。
べたつくからといって、夏であっても手を抜いてはいけません。肌のうるおいを司るバリア機能を正常に保つために、化粧水やクリームで肌を保湿しましょう。
とくに洗顔後や入浴後は、肌が乾燥しやすいため、スピーディーな保湿を要します。普段から乾燥しやすいと感じるパーツを中心に、うるおいをチャージしてあげてください。
肌を傷つけない労りスキンケア
バリア機能の低下を防ぎ、乾燥を予防するためには、スキンケアの方法を見直すのも大切です。
硬めのボディタオルで体をゴシゴシとこすったり、手のひらで摩擦をかけながら顔を洗ったりが、習慣化されてしまっていないでしょうか。
体用にはなるべく肌あたりのやさしいタオルをチョイスし、強くこすりすぎないのが乾燥を防ぐ第一歩です。また、洗顔は洗顔料をよく泡立て、泡で洗うイメージにて行ってみてください。
ちなみに、洗顔・入浴用のお湯は、肌に負担の少ない、熱すぎず冷たすぎずの40度弱がちょうどよいでしょう。
規則正しい生活をおくる
不規則な生活をしている方は、規則正しい生活リズムに整えるのが健やかな肌を手に入れる近道です。
とくに肝心なのが食生活と睡眠といえます。食事は野菜と果物を中心に、健康維持に役立つ栄養素をバランスよく摂取しましょう。
また、睡眠は最低ラインとして、6時間ほどの時間を確保できるよう努めてみてください。睡眠不足はターンオーバーを乱れさせる一因です。
肌の修復を促す成長ホルモンが正しく分泌され、乾燥を防ぐためには十分な睡眠が必要といえます。
紫外線やエアコンの風をしのぐ
紫外線やエアコンの風などが原因になりやすいなら、外的要因を肌に受けないように努めるとベターです。
紫外線の予防には帽子や日傘を使用し、天候にかかわらず日焼け止めを塗りましょう。UVカット効果のあるメイクアイテムを使用するのも一手です。
またエアコンによる乾燥は、吹き出し口から遠い席を選んだり、風向きを調節したり、できるだけ風に当たらない工夫をしてください。
外との寒暖差をつくらないよう、適温に設定するのも欠かせません。冷房は28度、暖房は20度程度が適しているでしょう。
肌が乾燥してしまった時の対策
「気を付けていたのに、肌が乾燥してしまった…」そんな時もあるのではないでしょうか。
すでに乾燥してしまった肌には、保湿力の高いスキンケアアイテムを取り入れましょう。うるおいをチャージした後は、乳液やクリームでフタをするのも忘れてはいけません。
保湿は外からだけでなく、内側から行うのも大事です。飲み物や食事から水分をこまめに補給し、肌の水分不足を防ぎましょう。
ストレスを解消するためにリフレッシュしたり、食生活や睡眠サイクルを正したり、ターンオーバーを整える根本からのケアも有効といえます。
原因は日常にあり
かゆみや皮むけ、赤みやニキビに発展する肌の乾燥は、複数の原因から起こります。
ターンオーバーの乱れや紫外線、エアコンの風といった季節要因に加え、間違ったスキンケアやマスクの付け外しも原因の一つです。
トラブルが引き起こされかねない乾燥を防ぐためには、保湿をベースに、スキンケアや生活習慣の見直しが大切といえます。
外的刺激の予防にも努めましょう。実際に乾燥してしまったあとも諦めず、保湿に特化したスキンケアアイテムと水分補給に注目して、健やかでうるおった肌を取り戻しましょう。
各ブランドの商品一覧をご確認いただけます。