冬を健康で乗り切るために、鍋料理は心強い味方です。アツアツの鍋は、体を温め、乾燥対策にも一役買ってくれます。
また、1食で栄養バランスが整うのもうれしいポイントです。食材のアレンジ次第で、健康的なダイエット食にもなります。
今回ご紹介するのは、冬の鍋l料理のメリット・日本の代表的な鍋文化3つ・体が温まるおすすめ鍋レシピです。冬の鍋料理でおいしく美と健康を目指しましょう。
冬の鍋がおすすめな理由
冬の鍋料理は「おいしい」のはもちろん、美と健康にうれしいポイントが満載です。さっそくおすすめな理由を見ていきましょう。
からだを温める
アツアツの鍋料理は、食べるだけで体がポカポカと温まります。さらに、具材を一工夫して、より効率よく体を温められるのです。
冷えが気になる場合は、下記の食材を積極的に鍋に入れてみるとよいでしょう。
【体を温める食材】
- ● 肉・魚などのタンパク質食品:熱を作り出す筋肉の構成成分になります
- ● ショウガ:辛み成分のジンゲロンは、血行を良くして体を温めます
- ● カレー粉:新陳代謝を高めて、発汗を促します
- ● オリーブオイル・サクラマス:豊富に含まれるビタミンEは、末梢の血管を広げます
また、トマトや豆腐・牛乳といった食材は体を冷やす食材といわれています。しかし、加熱によって体を温める食材に変身するため、温かい鍋料理にしていろんなバリエーションで楽しみましょう。
体の外と中から乾燥対策できる
冬は乾燥が気になる季節です。鍋料理でおいしく乾燥対策ができます。
湯気で加湿できる
鍋をグツグツ煮立てると、湯気として蒸気が立ち上るので、部屋の加湿に役立ちます。空気が加湿されることで、のどや肌が潤うでしょう。
スープでおいしく水分補給できる
暑い夏は熱心にするのに、寒い冬になると忘れがちなのが「水分補給」です。人間の体のおよそ60%は水分が占めています。
私たちは、毎日2~2.5リットルの水分を飲み物や食べ物から摂取し、ほぼ同じ量の水分を尿や汗・便によって排出しているのです。これは、季節による変動はほとんどありません。
夏は熱中症対策として水分補給の意識が高まります。しかし、冬も夏と同じく水分補給は重要です。
旨味たっぷりの鍋料理のスープを飲んで、美味しく水分補給ができます。また、食材の栄養が溶け出ているので、ビタミンやミネラル補給にもなるでしょう。
スープを飲むと気になるのが「塩分」です。しかし、鍋料理は減塩しやすい料理です。鍋料理はいろいろな食材の旨味が溶け出ているため、薄味にしてもおいしく食べられます。
また、野菜や海藻・豆類は、カリウムが含まれています。カリウムは、余分な塩分を体から排出する働きがあるため、たっぷりと入れれば、余分な塩分を追い出してくれるでしょう。
乾燥から肌を守る食材が摂れる
具材を工夫することで、体の中からも乾燥対策ができます。角質層を形成する細胞間脂質の主成分である「セラミド」を含む食材を食べれば体の中から潤いをキープできるでしょう。
【セラミドを含む食材】
- ● 大豆製品
- ● 生芋こんにゃく
- ● 胚芽米
- ● 小麦
- ● ほうれん草
また、栄養たっぷりな野菜類を摂取できる点も肌にうれしいポイントです。
健康とダイエットの強い味方
鍋料理は工夫次第で健康的なダイエット料理になります。ダイエットは、運動習慣と同時に摂取カロリーを抑えた栄養バランスの良い食事を摂ることが大切です。
脂質の少ない鶏むね肉や白身魚・豆腐・野菜・きのこをたっぷり入れれば、摂取カロリーを抑えつつ、栄養バランスが整った食事になります。
また、鍋料理の最後に食べる“締め”の雑炊や麺は、食材の旨味を吸っておいしいだけでなくダイエットの観点でも理にかなっているのです。
血糖値を上げる元になる糖質食品を野菜やタンパク質食品のあとに食べれば、血糖値の上昇がゆるやかになり、太りにくくなります。具体的には、以下の順番で食べるのが望ましいです。
- ① 「食物繊維」を含む野菜・きのこ・海藻・しらたきなど
- ② 「タンパク質」の多い肉・魚・大豆製品など
- ③ 「糖質」の多いご飯・麺など
この食べる順番は、“ベジファースト”と呼ばれ、糖尿病患者さんへの食事指導でもおすすめされている食事法です。
糖尿病患者さんのみならず、健常者にとっても体にやさしい食べ方なので、鍋料理を食べる際に意識するとよいでしょう。
調理がカンタンで片付けもラク
鍋料理は、好きな具材を切ってお鍋の中に放り込んで煮るだけのカンタンな料理です。
市販の鍋つゆやタレの種類も充実しており、お好みの薬味で無限大にアレンジを楽しめます。調理に使った鍋のまま食卓に出せるので、洗い物が少ない点もうれしいポイントです。
日本各地の冬の代表的な鍋文化
日本には、地域の特産物を活かしたご当地鍋料理がたくさんあります。そのなかから代表的な鍋文化を3つご紹介しましょう。
ちゃんこ鍋(東京都)
東京の両国は、相撲が有名で「ちゃんこ」は“力士の鍋料理”として知られています。ちゃんこは力士の食事を意味する言葉です。
肉や魚・野菜などたっぷりの食材をぶつ切りにして鍋に放り込んだ寄せ鍋で、さまざまな出し汁や具材で、各家庭で楽しまれています。
石狩鍋(北海道)
北海道の石狩地方では、江戸時代から鮭漁が盛んに行われています。漁師たちが大漁を祝って鍋にしたのが起源とされています。鮭の身やアラをキャベツやきのこ類などと一緒に鍋で煮て、味噌で味を整えた鍋です。
カキの土手鍋(広島県)
広島県では、室町時代からカキの養殖が行われ、カキの生産量全国一を誇っています。鍋の内側に味噌を土手のように塗り、その中でカキ・豆腐、白菜・椎茸・春菊などの野菜を煮込んだ鍋です。広島県民のソウルフードとして親しまれています。
栄養たっぷり!体が温まるおすすめ鍋レシピ
ご紹介してきた寒さや乾燥対策におすすめの食材をふんだんに使った鍋料理レシピをご紹介します。
- ● 体を温める食材:豚肉・ショウガ・カレー粉
- ● セラミドを含む食材:豆腐・しらたき・ほうれん草
豚しゃぶカレー鍋
カレー味でお子様も食べやすいしゃぶしゃぶ肉を使ったカンタン鍋です。
【材料】(2人分)
- ● 豚肉(しゃぶしゃぶ用) 250g
- ● 豆腐 1/2丁
- ● ショウガ 40g
- ● キャベツ 200g
- ● えのき 1パック
- ● にんじん 1/2本
- ● しらたき 1パック
- ● ほうれん草 2株
<A>
- ● めんつゆ 1/4カップ
- ● 水 4カップ
<B>
- ● カレールー 30g
- ● カレー粉 大さじ2(お好みで調整してください)
【作り方】
(下準備)
- ● ショウガはすり下ろします。
- ● ほうれん草は下茹でして冷水にとり、水気を搾って食べやすい長さに切っておきましょう。
- ● しらたきは、下茹でしてザルに上げておきます。
- ● にんじんは、ピーラー(皮むき器)で薄くリボン状にしておきましょう。
- ● ほかの豆腐と野菜は、食べやすい大きさに切っておきます。
- 1. 鍋に<A>を入れ火にかけて、ショウガ・キャベツ・えのき・にんじんを加え煮ます。
- 2. 沸騰したら、肉をしゃぶしゃぶしながら加え、最後に下茹でしたほうれん草をのせたら完成です。
無限大のアレンジでおいしくキレイと健康を目指そう
冬の鍋料理は、おいしく寒さと乾燥から身を守る美と健康の味方です。一度に、いろいろな食材を摂取でき、“締め”まで食べると「完全栄養食」になります。
野菜や豆腐・しらたき・白身魚・きのこなどヘルシーな食材をふんだんに使えば、ダイエットにもおすすめです。
さらに“ベジファースト”を心がけることで、太りにくく、体に優しい食べ方になります。なんといっても調理と片付けがラクなので、忙しい現代人の救世主といえるのではないでしょうか。
この冬を元気に乗り切るためにお好きなアレンジで、鍋料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。
各ブランドの商品一覧をご確認いただけます。