子どものマスク問題について頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。
「まだ小さいけれど、いつからマスクを着けるべき?」「熱中症が気になるけれど、着けないとダメ?」
「子どもなのに肌荒れを起こしていて心配……」「マスクを噛む癖がなおらない……」など、悩みは絶えません。
今回は、そんな疑問や悩みに答えていきます。マスクのサイズや選び方にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
子どものマスクはいつ・どんな場面で着けるべき?
2歳未満(乳幼児)は、マスクの着用はおすすめしない
乳幼児は「息が苦しい」「具合が悪い」と自分で訴えるのが難しく、自分でマスクを外すのも困難です。
また、正しくマスクを着用するのも難しいため、マスクの効果はほどんど期待できません。さらに、マスクの着用で次のようなリスクも考えられます。
- ● 顔が隠れるので、顔色・呼吸状態など体調不良の発見が遅れる
- ● 呼吸困難による窒息
- ● 嘔吐物が吐き出せないことによる窒息
- ● 熱がこもることによる熱中症
2歳未満の子どもの場合は、このようなリスクがあることを踏まえて、マスクの着用はおすすめしないとされています。人ごみを避けるなど、他者との距離を保つことが大切です。
参考:乳幼児のマスク着用の考え方/公益財団法人日本小児科学会乳幼児のマスク着用の考え方|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY
2歳以上~小学校未就学児は、マスクの着用を一律には求めない
保育施設では、子どもの発達状況・体調などがまちまちであるため、他者との距離に関係なく、マスクの着用を一律には求めないとしています。
マスクを着用する場合は、親をはじめ周りの大人が子どもの体調に注意して着用するようにしましょう。
なお、施設内で感染症が発生している場合などには、施設の判断により可能な範囲でマスクの着用を求められるケースも考えられるようです。
就学児(小学校~高校段階)は、2m以上離れていればマスクを着けなくてもOK
就学児の場合、他者との距離が確保(2m以上が目安)できるシーンでは、マスクを着ける必要がないとされています。マスクをする必要が無い場面は以下のとおりです。
参照:新型コロナウイルス感染症対策 子どものマスク着用について/厚生労働省なお、就学児以上は高齢者に会うときや病院に行く場合は、マスクをして行くように求められているので、エチケットを守りましょう。
子どものマスクの選び方とは?
子どものマスク選びの際に役立つ情報をお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。
素材で選ぶ
マスクで重視したいポイントは、それぞれです。お子さんの特性を考えて、ピッタリなマスクを選んでみてください。
ウイルス飛沫や花粉の防御力で選ぶなら「不織布マスク」
不織布素材の子ども用マスクは、ウレタンや布素材に比べて、飛沫の防御率が高いとわかっています。
基本的に使い捨てなので、衛生的です。飛沫の吸い込みはもちろん、拡散も抑えられるので、病院に行くときなどに心強いでしょう。
通気性と肌触りで選ぶなら「綿素材の布マスク」
綿(コットン)素材でできたマスクは、肌当たりの柔らかさが特徴です。通気性が良い分、飛沫の防御率は不織布マスクに劣ります。
洗って何度も使えますが、強く洗うと縮んでしまうため、優しくお手入れしましょう。
機能性で選ぶなら「化学繊維素材の布マスク」
ナイロン・ポリエステル・レーヨンといった化学繊維素材のマスクは、いろいろな機能性があります。
たとえば、夏におすすめの接触冷感タイプ・冬に適した吸湿発熱温感タイプ・紫外線対策ができるUVカットタイプなどです。
綿素材の布マスクよりもシワが付きにくく型崩れしにくいので、扱いやすいでしょう。
サイズの合うマスクを選ぶ
サイズ選びを間違えると、隙間によりウイルス飛沫などが侵入してしまいます。
いくら防御力の高いマスクを使用してもこれでは、台無しです。鼻・頬・あごに隙間ができていないかをチェックして選びましょう。
子ども用のマスクは、不織布タイプであれば「14.5cm×9cm」がオーソドックスです。
就学前の幼児用では「12cm×10cm」「12.5cm×8.5cm」など、メーカーにより各種サイズが用意されているので、パッケージに記載されているサイズを参考にしてみてください。
耳ひものタイプで選ぶ
耳ひものタイプによっては、耳が痛くなってしまう場合があります。おすすめは、耳ひもが太いタイプや柔らかいゴムタイプです。
また、短い耳ひもでは耳が痛くなるのでアジャスターで長さ調節できるタイプも重宝します。
形状で選ぶ
マスクの形状は、おもに「平型」「プリーツ型」「立体型」に大別されます。
平型
昔からあるガーゼマスクのタイプです。口元に空間ができないため、少々息苦しさを感じるかもしれません。
プリーツ型
不織布マスクでよく見られるタイプで、上下に広げて使います。顎まで広げて使え、顔の形に合わせやすいのが利点です。
立体型
立体型は、口元に空間ができるように作られているので、息苦しさが軽減できます。プリーツ型のように伸縮性がないので、サイズ選びには注意しましょう。
デザインで選ぶ
子ども自身で選んだマスクであれば、楽しい気持ちで着けてくれるかもしれません。好きなキャラクターや心がときめくようなデザインのマスクを子どもに選ばせてあげるのも一つの手です。
子どもがマスクを嫌がる・噛んでしまう…対策方法はある?
子どもがマスクを嫌がって困っているパパやママは多いのではないでしょうか?
そんなときの対策方法をお伝えします。
マスクではなく、フェイスシールドにする
お子さんのなかには、マスクの着用が難しい子もいます。たとえば、なんらかの原因でマスクを噛んでしまったり、触覚や嗅覚が過敏でマスクを外してしまったりするケースです。
WHO(世界保健機関)の「COVID-19に関連した地域社会の子どものためのマスク使用に関するアドバイス」(※)では、
「発達上の障害や他の障害、またはマスク着用に支障をきたす可能性のある特定の健康状態をもつ子どもに対しては、マスクの使用を強制するべきではない」「フェイスシールドなどのマスク着用に代わる選択肢を与えるべき」”としています。
周囲の理解を得ながら、臨機応変に対応することが大切です。
イラストやシールで気分を上げる
シンプルな使い捨てマスクであれば、イラストを描いたりシールを貼ったりするのも手です。好きなキャラクターやモチーフがついたマスクなら、お子さんの着けたい意欲が高まるでしょう。
子どもに描いてほしいイラストをリクエストしてもらったり、シールを選ばせてあげるといっそう喜ぶのではないでしょうか。
「出かけるときはマスク」を親や兄弟が徹底する
外出時に親や兄弟がマスクをつける姿を見せてあげましょう。とくに2歳頃の子どもは、誰かのマネをしたい時期です。家族みんなでマスクを着けることで「みんなと同じでうれしい」という感情が生まれます。
少しでもマスクをつけたら、ほめてあげる
少しでもマスクを着けていられたら、「マスクできて、かっこいいね!」と褒めてあげましょう。褒められるとモチベーションが上がるのは、子どもも大人と同じです。
「マスクしないと、ダメだよ」と否定的な声かけはなるべく控えて、肯定的な声かけをしていきましょう。
マスクによる子どもの肌荒れを予防するセルフケア方法とは?
最近、増えているのがマスクによる子どもの肌荒れです。
マスク着用による「摩擦」「蒸れ」「着用後の乾燥」がおもな原因となり、顔に赤み・かゆみ・湿疹といった肌トラブルが頻発しています。
重症化すると、炎症が起こりただれや痛みをともなうケースもあるので、日ごろのケアが大切です。
保湿ローションやクリームを塗る
子どもの肌は皮膚が薄く皮脂の分泌も少ないため、乾燥しやすい状態です。
保湿剤(ローションやクリームなど)を使ってこまめに保湿してあげましょう。
お風呂上りの保湿ケアだけでなく、朝に顔を洗ったあとにもしっかり保湿剤を使って乾燥を防ぐことが大切です。
また、マスクを着ける前にマスクが当たる部分へ再度保湿剤を塗ることで、摩擦による刺激を緩和できます。
低刺激の洗顔料を使う
子どものお肌はデリケートなため、大人用の洗顔料では洗浄力が高すぎて、必要以上に皮脂を取り除いてしまいます。望ましいのは、添加物が少ない子供向けの洗顔料です。
食後の口周りの汚れは優しく拭く
小さな子どもの場合、食事のあとは必ずといって良いほど口の周りが汚れています。汚れたままマスクをすると雑菌が繁殖するので、しっかりとキレイにすることが大切です。
しかし、ゴシゴシこすると肌に刺激を与えてしまいます。優しく拭いて汚れを取り除きましょう。できれば、保湿剤で肌を整えてあげると安心です。
不織布マスクの場合は、内側にガーゼを当てる
「布マスクは通気性が良いけれど、ウイルス飛沫や花粉のブロック力を考慮して気密性の高い不織布マスクを子どもに着けさせたい」という親御さんも多いでしょう。
そんな場合は、肌当たりの柔らかいガーゼをマスクの内側に当てると肌の刺激を緩和できます。セルフケアだけで不十分な場合は、早めに受診しましょう。
マスク生活が一般化している現代では、子どものマスク問題が数多くあります。
子どもは肌がデリケートなので、保湿剤でこまめにケアするなど肌荒れ対策も必要です。
しかし、条件や場面によってはマスクをする必要がない場合もあります。たとえば、2歳未満はマスクの着用をおすすめしておらず、就学児でも他者との距離が確保できる場合などはマスクの着用は不要とされているのです。
マスクの着用について公的な見解を理解しておけば、不必要に子どものマスク問題に悩まされることが減るかもしれません。
また、最近はさまざまなタイプのマスクが販売されているので、できるだけお子さんの特性に合ったマスクを選んであげるとよいでしょう。
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