寒い時期になると手や足が冷たくなり「冷え性かも??」と悩まれる方が多くいます。
冷え性は女性に多い印象かもしれませんが、最近は男性で悩まれる方も増えているのです。
また、冬に限らず夏に冷え性の症状がみられる方もいます。冷え性は末端型だけでなく、内臓型、下半身型、全身型とタイプがわかれています。
放っておくとさまざまな不調を招く可能性があるため、早めの対策がポイントです。
冷え性のタイプや原因、自宅でできる対策について解説します。
目次
- 01冷え性について
- 02冷え性の原因
- 03自宅でできる冷え性対策
- 04冷え性対策をして快適に過ごしましょう
冷え性について
「冷えは万病の元」と言われています。冷え方のタイプ、冷え性と低体温の違い、冷え性によって起こりうるからだの不調を解説します。自身がどのタイプなのか、当てはまる不調はあるか確認してみましょう。
冷え性とは
冷え性とは、手足などが冷える体質や症状をいいます。
「冷え症」と書かれる場合もありますが、どちらも意味は同じです。東洋医学的に冷えは治療対象として捉えられており、東洋医学的な呼び方をする場合に「冷え症」と使われるケースが多いようです。
冷え性は大きくわけて下記のタイプに分けられます。
【冷え性のタイプや傾向】
- ● 全身型:からだ全体が冷える。体温も低め傾向。
- ● 内蔵型:からだの内部は冷えるが、からだの表面は温かい。
- ● 下半身型:腰から下の下半身が冷える。上半身は逆に熱くなる場合がある。
- ● 四肢末端型:手先や足先が冷える。
冷え性と低体温の違い
冷え性は、からだが冷える自覚症状はあるものの、深部体温(からだの中心部の温度)はそれほど低くなく、正常範囲である場合がほとんどです。
一方「低体温」は、深部体温が35度より低くなり、からだの機能を正常に保てなくなる状態をいいます。
主な症状は、からだの冷えによりおきる震えや意識障害です。最悪の場合は心停止する可能性もあります。
「からだが冷える」の意味ではどちらも同様ですが、冷え方や症状によって命に関わる状況が大きく異なるのです。
冷え性によって起こりうるからだの不調
冷えが続くとさまざまな症状やからだの不調を招きます。
【冷えにともなっておこる主な症状や不調】
- 1 抜け毛・白髪・薄毛
- 2 くすみ・たるみ・むくみ・クマ
- 3 歯周病・歯肉の萎縮・歯肉の腫れ
- 4 イライラ・不眠・不安感
- 5 ドライアイ・疲れ目・かすみ
- 6 肩こり・腰痛・頭痛・だるさ・疲れ・めまい・月経痛・月経不順・便秘・下痢・動悸・肥満
- 7 ニキビ・乾燥肌・かゆみ など
冷え性の原因
冷え性の主な原因を紹介します。
自身の生活環境と照らし合わせ、心当たりがある場合は症状がひどくなる前に対策しましょう。
自律神経のバランスが崩れる
人間の体温は、自律神経の働きにより一定温度に保たれています。
ストレスや不規則な生活の影響を受けると、体温を調節する自律神経がうまく機能しなくなり、冷えにつながります。
また、寒暖差によっても自律神経のバランスは崩れてしまうのをご存じでしょうか。季節の変わり目だけでなく、冷房や暖房による室内外の寒暖差も、知らず知らずのうちにからだに負担をかけています。
夏の暑い時期でも冷え性になるのは、冷房が関係しているのです。
血行(血液の流れ)が悪い
血液は酸素や栄養素だけでなく、熱を全身に運ぶ役割も担っています。
そのため、筋肉のコリ・血管が細い・締め付けが強い下着や靴下の着用といった要因で、血行不良がおきると冷えにつながります。
また、貧血や低血圧、血管系の疾患がある方も血行不良になりやすい傾向です。
筋肉量が少ない
熱をつくる筋肉量が少ない場合もからだは冷えます。男性よりも女性に冷え性の方が多い理由のひとつに筋肉量の差があります。
女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、からだの中でつくり出せる熱量が少なく冷えやすいのです。
性別だけでなく、加齢や運動不足による筋力低下がみられる場合も冷えにつながります。
女性ホルモンの分泌が乱れる
女性ホルモンは、ストレスや更年期の影響を受けると分泌が乱れます。
女性ホルモンと自律神経は、共に脳の視床下部によりコントロールされており、女性ホルモンの分泌が乱れると自律神経にも影響を及ぼします。
結果、体温調節がうまくいかなくなり、冷えが助長されてしまうのです。女性ホルモンの乱れも、男性より女性に冷え性が多い理由のひとつといえるでしょう。
手先や足先がとくに冷える理由
人間のからだは、生きていく上で重要な臓器が集まるからだの中心部を、一定の温度に保とうと働きます。
寒さを感じた時は、体温を維持するために自律神経が血管を収縮させ、手足にまわる血液の量を減少させます。
血液はからだの中心部に集められるため、末端である手先や足先の温度は下がり、冷えを強く感じるのです。
自宅でできる冷え性対策
自宅でできる冷え性の対策や生活習慣を紹介します。まずは、日常生活で取り入れられる内容から始めてみましょう。
首やお腹を温める
首、足首、手首と「首」とつくところは太い血管があるため、温めると全身がポカポカしてきます。
お腹を温めると内臓や体幹が温まり、体幹で増えた熱を逃がすために血管が広がり、末端まで血行が良くなります。
マフラーやレッグウォーマー、腹巻といった部位別の保温グッズを利用するとよいでしょう。
からだを温める食材を摂る
食事は「ご飯・パン・麺類の主食」「魚・肉・卵・大豆製品を使用した主菜」「野菜・海藻・きのこ類を使用した副菜」をなるべく毎食そろえ、栄養バランスを意識しましょう。
加えて、からだを温める効果のある食材を使用した食事を取り入れるのがおすすめです。
【からだを温める代表的な食材】
鶏肉・海老・カボチャ・人参・ニラ・ネギ・生姜・にんにく・唐辛子・シナモン(桂皮)・黒豆・黒ゴマ など
40℃程度のぬるま湯で入浴する
お風呂はシャワー浴で済ませるのではなく、なるべく湯船に浸かりましょう。
からだを温める入浴方法は、40℃程度のぬるま湯に10~15分程ゆっくり浸かります。血行がよくなり、からだがポカポカしてくるでしょう。
入浴剤を使用するのもおすすめです。現在では温泉成分が入った医薬部外品の入浴剤も多く販売されています。温浴効果があるタイプや好きな香りでリフレッシュできる商品を選ぶとよいでしょう。
からだを締め付ける衣服は避ける
足先が冷えるときは足や足首を温めるよう、夏でも靴下を履くとよいでしょう。ただし、締め付けが強い衣服の場合、血液やリンパの流れを滞らせてしまう可能性があるため、注意してください。
靴の選び方にも注意が必要です。つま先の細い靴やサイズが小さく圧迫感のある靴は血行不良につながります。
生活習慣を改善する
十分に睡眠をとって、心身を休ませましょう。たばこは血液の循環を悪くするので、できるだけやめたほうが冷え性にはプラスです。
ストレスもよくありません。ストレスゼロの生活はなかなかむずかしいかもしれませんが、自分に合ったリフレッシュ方法を見つけ、ストレスをためない習慣を心がけてください。リラックスできれば自律神経も整いやすくなります。
軽い筋トレや適度な運動をする
軽い筋トレやウォーキング、ストレッチなど無理のない範囲で運動習慣をつくりましょう。運動により血行が良くなり、筋肉量が増えれば、日頃からからだも温まりやすくなります。
とくに脚には大きな筋肉があるため、下半身を動かす運動が冷え対策におすすめです。
漢方を利用する
漢方では、冷えを放置するとさまざまな症状につながると考えており、冷えの解消を重視しています。
それぞれの人に合わせた漢方薬の処方や、生活習慣の見直しも漢方治療の一貫です。医師や薬剤師に相談してみるのもよいでしょう。
エアコンを通年通して使用する現代では、女性だけでなく男性の冷え性も増えており、冬の悩みではなく年間を通じての悩みに変わりつつあります。
自身の冷え性の原因が何なのか探り、自宅でできることから対策を講じてみましょう。
いろいろな対策をとっても改善がみられない場合は、何か病気が隠れているかもしれません。
症状が重い場合や気になる場合は、かかりつけや専門の医師へ相談をおすすめします。
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