セラピストライター白井未奈子
サービス業を10年経験するなかで、リラクゼーション業務に出会い「人を癒す」ことに目覚める。
フリーランスに転向して以降は、ボディートリートメントとフェイシャルエステの知識を活かし、美容・健康系の記事執筆を中心に担当。今は手ではなく、文章で読者にくつろぎとすこやかさを届けることを目指している。
グレープシードオイルは、食べやすさと栄養素の豊富さを両立する植物油です。
健康や美容で話題の成分が含まれているものの、具体的にどんな栄養成分を含んでいるかご存じでしょうか。
今回は、グレープシードオイルについて徹底解説します。風味や使い方をはじめ、要となる栄養成分に興味がある方は要チェックです。選び方の注意点もお伝えするので、ぜひ手に取ってみてください。
グレープシードオイルとは、ぶどうの種から絞って抽出される植物油です。
主にワインの製造過程で出たぶどうの種を使うため、フランスやイタリアなど、ヨーロッパで多く生産されています。
想像すると分かる通り、小さなぶどうの種に含まれるオイルはそこまで多くありません。種子からわずか10%程度しか採れないといわれる、幻のオイルなのです。
稀少価値の高いグレープシードオイルは、多種多様な料理に取り入れられています。幅広く活用される魅力は、いったいどこにあるのでしょうか。
まずはグレープシードオイルの風味や使い方について、チェックしていきましょう。
グレープシードオイルは、味や香りがほとんどしません。植物油のなかには独特の風味を感じるオイルもあるでしょう。
しかし、ほぼ無味無臭のグレープシードオイルは、植物油ならではの、クセのある味わいが苦手な方にはぴったりといえます。
グレープシードオイルは先述した通り、料理では多岐に渡って活用できます。
クセの少ない風味は料理の味を邪魔しにくいため、どんな料理にも合わせやすいのがメリットです。
ドレッシングやソースなどにアレンジして楽しんでみてください。
グレープシードオイルの魅力は、クセのなさや使い勝手のよさだけではありません。一般的に植物油は栄養成分を多く含むといわれていますが、グレープシードオイルも同様です。
私達の体に欠かせない、大切な栄養成分がたくさん含まれています。生活に取り入れ、健康や美容面でも注目されている秘密は、栄養成分に隠されているのかもしれません。
それでは次に、グレープシードオイルを構成する主な栄養成分を見ていきましょう。オリーブオイルやひまわり油など、他の植物油との違いが知りたい方も要チェックです。
グレープシードオイルで特筆すべき栄養成分といえば、ヘルシー成分ともいわれるリノール酸です。
リノール酸とは、いわゆるオメガ6系と呼ばれる脂肪酸の一種で、健康維持をサポートしてくれるといわれています。※1
ちなみに、リノール酸を含むオメガ6系脂肪酸は、体内でつくるのがむずかしいとされる必須脂肪酸です。
厚生労働省では摂取目安量を定めており、18~29歳以下の女性を例にすると、1日あたり8gの摂取が推奨※2されています。
グレープシードオイルに含まれるリノール酸は、100gあたり68.4g※3です。大さじ1で約10gのため、1日の目安量をクリアできます。
とはいえ、オイルであるのに違いはないため、摂りすぎは禁物です。日々の食事にうまく取り入れてみましょう。
主な植物油に含まれるリノール酸量(100gあたり)※
ビタミンEが豊富なのも、グレープシードオイルの栄養成分を語るうえで外せません。ビタミンEとは、ご存じの通り、美容でも注目される栄養素の一つです。
グレープシードオイルには、ビタミンEの一種であるα-トコフェロールが豊富に含まれています。100gあたり28.0mg※1のα-トコフェロールが含まれており、大さじ1杯で約4mg補給できるでしょう。
ビタミンEもリノール酸と同じく、1日の摂取目安量を定めており、18~29歳の女性でみると、1日に5.0mgの摂取が目安※2とされています。
野菜や穀類から補えるビタミンEを、大さじ1程度で目安量を補給できるのがグレープシードオイルです。食生活が乱れやすい方や、本格的な料理をする時間のない方の味方になるでしょう。
主な植物油に含まれるビタミンE(α-トコフェロール)(100gあたり)量 ※
グレープシードオイルが美容のために摂りたいと注目される理由として、ビタミンKの豊富さも挙げられます。
グレープシードオイルは100gあたり、190μg※1のビタミンKを含んでおり、国が定めた1日の摂取目安量は18~29歳の女性で150ug※2です。
食事に取り入れると十分なビタミンKを補給できますが、過剰摂取はあまり好ましくありません。使い方や量を工夫すれば、ビタミンK補給の強い味方となるでしょう。
主な植物油に含まれるビタミンK量(100gあたり)※
グレープシードオイルは栄養素が豊富な植物油です。クセのない風味を活かし、料理に日常的に用いたいと考える方も多いでしょう。
しかし、栄養がたっぷり詰まっているからこそ、気を付けなければならないポイントもあります。正しい保存方法や使い方、選び方を知りたい方は参考にしてみてください。
グレープシードオイルであるかどうかを問わず、すべての油は光を浴びると劣化してしまう傾向にあるため注意が必要です。
酸化を遅らせるといわれるビタミンEを豊富に含んでいるのは利点ですが、過信してはいけません。
光を受けると酸化スピードが早まり、せっかくの食べやすい風味を損ねてしまうかもしれません。
なるべく新鮮な状態をキープするためには、光を通しにくい遮光瓶で保存・保管しましょう。また、短期間で使い切れる小さめのサイズを選ぶのも大切です。
生活習慣をサポートしてくれるグレープシードオイルですが、摂りすぎるのはよくありません。油である大前提に加え、リノール酸が豊富に含まれているためです。
体内で生成されにくい必須脂肪酸ではありますが、先述の通り1日の摂取目安量は決まっています。
グレープシードオイルより少ないですが、日頃からインスタント食品やコンビニ弁当を口にする方は注意しましょう。
知らず知らずのうちに、リノール酸を過剰摂取してしまっているかもしれません。
グレープシードオイルの栄養素をまるごと取り入れたいなら、製造方法に着目してみてください。高温で製造する方法であれば、熱に弱いリノール酸の性質が損なわれてしまうかもしれません。
30℃以下の低温でじっくり抽出する低温圧搾方法なら、ぶどうの種に含まれる豊富な栄養素を壊しにくく、素材本来の栄養をたっぷりと補給できるでしょう。
また、食事に取り入れる時も、考え方は同じです。加熱は栄養素のはたらきを妨げる恐れがあるため、高温で行う揚げ物や炒め物にはあまり向いていません。
ドレッシングやソースに混ぜるほか、温かい料理に使うなら、仕上げ段階に加えて楽しみましょう。
ぶどうの種子からわずか10%程度しか採れない、幻の植物油がグレープシードオイルです。
独特の味や香りがほとんどしないため、料理の味を邪魔しないとしてドレッシングやソースづくりに重宝されています。
クセの少なさだけでなく、健康や美容に一役買う栄養素を多く含むのが欠かせない魅力です。必須脂肪酸であるオメガ6系のリノール酸をはじめ、ビタミン類も補給できます。
ただし、栄養素がたっぷり詰まっているからこそ、保管方法や使い方には注意しましょう。光を透過しにくい遮光瓶で保管するとともに、加熱での調理や過剰摂取は避けてください。
ドレッシングやソースに活用しながら、うまく食生活に取り入れてみましょう。
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