ビタミンB群とは
ビタミンB群は体内のエネルギー代謝に重要な役割を担っています。食べ物のタンパク質、糖質、脂質は私たちのエネルギー源になり、活動するためにはエネルギー源をうまく使わなければならず、ビタミンB群はいわば潤滑油の働きをしてくれるのです。種類と性質をみてみましょう。
ビタミンB群の8つの種類
ビタミンB群と呼ばれていますが、次の8つの栄養素があります。8つはそれぞれ、体で担う働きや役割が異なります。
- ● ビタミンB1
- ● ビタミンB2
- ● ビタミンB6
- ● ビタミンB12
- ● ナイアシン
- ● 葉酸
- ● パントテン酸
- ● ビオチン
ビタミンB群は水に溶けやすい性質
ビタミンは油に溶けやすい性質の「脂溶性ビタミン」と、水に溶けやすい性質の「水溶性ビタミン」に分類され、ビタミンB群は「水溶性ビタミン」に属します。
水溶性ビタミンは体内に必要とされる量以外は、尿として排泄されるため、食事で摂取する場合、過剰摂取となる心配はほとんどありません。
ビタミンB群の効果と主な欠乏症
ビタミンB群の特性と主な欠乏症を以下にまとめました。疲労感や口内炎、皮膚のトラブルを起こしやすい人はビタミンB群の不足が考えられます。
参考文献:一般社団法人FLAネットワーク協会.改訂版 食生活アドバイザー2級公式テキスト.第3刷,2016年6月5日
疲労回復で積極的に摂取したいビタミンB群のおすすめ食材
ビタミンB群で主に疲労回復の効果が注目されているのは、ビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシンです。
疲労の回復のみでなく、栄養不良を伴う身体不調や肌の不調を感じる時にも効果が期待できます。積極的に摂取したい食材をご紹介しますので、レシピづくりの参考にしてみてくださいね。
肉類
豚肉、レバー(牛、豚、鶏)
豚肉はビタミンB1を多く含む食材です。タンパク質も豊富なので、栄養のバランスがとりやすい食材です。豚レバーはレバーの中でもビタミンB2やナイアシンが豊富です。
ビタミンAや鉄分も含まれており、美容には欠かせない食材と言えるでしょう。レバーは苦手な人が多い食材ですが、臭み抜きなど調理法を工夫して食事に摂り入れてみましょう。
魚介類
まぐろ、さんま、あさり、しじみ、たらこ
魚介類ではまぐろ、さんまにビタミンB6やビタミンB12が多く含まれています。あさりやしじみはビタミンB12、たらこはビタミンB1が豊富です。あさりやしじみは味噌汁やスープにすると栄養素を無駄なく摂取できるでしょう。
穀類
玄米
玄米は白米と比べると、ビタミンB1やビタミンB6が多く含まれています。慣れないとパサパサして食べにくさを感じるかもしれません。炊き込みご飯やチャーハンにアレンジすると食べやすくなります。ビタミンB12が豊富な海苔と一緒に食べてみるのもいいですね。
ナッツ類
アーモンドなどナッツ類
アーモンドは肌の健康を保つために必要なビタミンB2が豊富で、抗酸化作用を期待できるビタミンEも含んでいます。美容が気になる人にうってつけの食材です。小腹が空いたら甘いお菓子の代わりにナッツ類を食べてみてはいかがでしょうか。
ビタミンB群を効果的に摂取するための注意点5選
ビタミンB群の特性を踏まえより効率よく体に取り込むために、調理法や摂取方法のアドバイスをまとめました。以下を参考に、献立づくりや食材選びに役立ててください。
調理法に気をつける
ビタミンB群は水に溶けやすい性質をもっています。水洗いでもビタミンが溶け出しやすいので、野菜は短時間で洗うようにしましょう。
スープにすれば溶け出した栄養成分も一緒にとれるのでおすすめです。材料を大きめに切ったり、皮付きのまま調理したりするとビタミンの減少を少なくできます。
蒸す、炒めるも効率的にビタミンB群を摂取するのに適した調理法といえます。栄養素が流出せず、食品にビタミンB群が残りやすいためです。
ただし長時間の加熱はビタミンが壊れてしまう可能性があるので、加熱時間に注意しましょう。
多様な食材を食べる
偏った食品ばかりでなく、野菜や肉類、魚介類など多様な食材をバランスよく摂りとりましょう。ビタミンB群を効率よく摂るためには大切です。
ダイエット中は意識して摂る
ダイエット中は食事量を減らす人がおり、ビタミン不足になる可能性があります。疲れやすいだけでなく、肌荒れ、肌の乾燥など美容への影響も。豚肉や魚介類を意識して食べましょう。
旬の食材を食べる
旬の食材は栄養価が高く美味しく食べられます。春はあさりやしじみ、夏はうなぎやあじ、秋はさんまや鮭、冬はカキが旬の食材で、ビタミンB群を多く含みます。ぜひ新鮮な旬の食材を味わいましょう。
サプリメントの過剰摂取に注意する
ビタミンB群をサプリメントで摂り入れたい場合、過剰摂取に注意が必要です。バランスのよい食事をしていれば、食事での過剰摂取の問題はほぼありません。
しかしサプリメントで過剰に摂取した場合、体に悪影響を及ぼす可能性があります。ビタミンB6を例に挙げると「手足のしびれや痛み、神経障害」などです。
効果を期待しての摂取が悪影響を及ぼす事態は避けたいところですね。サプリメントを摂取する際は、記載されている1日当たりの目安量を超えないようにしましょう。
手早く食べたい時はコンビニ食材や栄養ドリンクの利用も
多忙な時、食事は手早く食べたいもの。ビタミンB群を含む食材は、茹でたり焼いたり調理を必要とする食材が多くあります。次にビタミンB群を手間なく摂る工夫を紹介します。
コンビニの食材を利用する
コンビニの食材でも選び方次第でビタミンB群をうまくとれます。おすすめの食材は、鮭のおにぎりや玄米おにぎり、枝豆、レンジで温める魚、ナッツ類です。サラダやカットフルーツ、野菜スープを組み合わせると栄養のバランスもよくなります。
栄養ドリンクやゼリー状ドリンク※を利用する
疲労を回復したい、手軽に栄養補給をしたい時はドリンク剤やゼリー状ドリンク※を利用しましょう。疲れた身体に必要なビタミンB群は栄養物のエネルギー化をサポートしてくれます。
エネルギー産生に関与し、疲れに効果をあらわす「タウリン」が配合されているドリンクもあります。
※内服液剤
多様な食材からビタミンB群をとってハツラツした毎日にしよう
ビタミンB群は私たちが活動するために重要な栄養素です。不足すると、疲れやすくなったり、肌のトラブルを起こしたりする可能性があります。
肉や魚、穀類やナッツ類を積極的に食事にとりいれましょう。食材の組み合わせでビタミンB群の摂取効率は高まるので、多様な食材を摂るのがおすすめです。
忙しい中でもハツラツした毎日を送れるよう、手軽なコンビニの食材や栄養ドリンク、サプリメントもうまく利用していきましょう。
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