この記事をご覧になっている皆さんは、慢性的な疲労に悩まされている方が多いでしょう。慢性的な疲労を回復させるには、毎日の生活習慣の見直しが重要です。
十分な睡眠、良質な栄養補給、適度な運動を心がけると、段々と疲労から回復できるでしょう。疲労の種類と原因に触れたうえで、疲労回復のために見直すべき生活習慣と、セルフケアの方法について解説します。
生活習慣の見直しで、疲労に悩む毎日から抜け出しましょう。
疲労の主な種類と原因
疲労は、過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態と定義されます。
疲労の種類をどのように分けるかは諸説ありますが、主に末梢性疲労と中枢性疲労の2つに分けるのが一般的です。
ここでは、末梢性疲労と中枢性疲労それぞれの内容と、疲労の原因について見ていきましょう。
末梢性疲労
末梢性疲労は、脳以外の身体を酷使した結果として起こる肉体的な疲労です。激しい運動をした後の倦怠感や全身のだるさは、末梢性疲労に分類されます。
末梢性疲労の状態は、身体を過度に動かした結果、体内のエネルギーが枯渇した状態です。そのため、十分な睡眠や栄養補給によって回復しやすい特徴があります。
中枢性疲労
中枢性疲労は、脳の緊張状態が継続した結果として起こる精神的、神経的な疲労です。長時間の会議やデスクワークなど、ストレスのかかる作業を続けた後のぐったりとした疲労感は、中枢性疲労に分類されます。
中枢性疲労は、思考力や集中力の低下を招き、気持ちの落ち込みにつながる場合もあります。中枢性疲労の状態は、すぐに回復させるのが難しく、蓄積されて慢性的な疲労を抱えている現代人も多いです。
疲労の原因
かつて、疲労の原因は、激しい運動によって増加する筋肉の中の乳酸であると考えられていました。
しかし、その後の研究によって、疲労の原因は乳酸ではなく、体内の活性酸素が自律神経に与えるダメージであると考えるのが通説となっています。
自律神経は、交感神経と副交感神経を切り替えて調整する神経です。人間は、緊張状態や興奮状態のときに働く交感神経と、リラックスした状態のときに働く副交感神経の優位性を切り替えて、身体にとってベストな状態を維持しています。
激しい運動や長時間のストレスなど、疲労の原因となる状態が続くと、自律神経のバランスが崩れて、活性酸素を大量に発生させます。
活性酸素は、体内の免疫機能の調整にとって欠かせない物質ですが、量が多くなると逆に体内の細胞を傷つけてしまうのです。
活性酸素が自律神経をつかさどる細胞を傷つけると、さらに自律神経のバランスを保つのが難しくなり、結果として身体にとってベストな状態を維持できなくなってしまいます。
自律神経が傷つき、バランスが崩れた結果、体には疲労として現れるのです。
疲労回復のために見直したい生活習慣
現代人が慢性的に抱える中枢性疲労を回復させるには、日々の生活習慣の見直しが重要です。見直したい生活習慣は、3つあります。
- ● 十分な休息
- ● 栄養のある食事
- ● 適度な運動
十分な休息や栄養のある食事は、疲労回復のための習慣としてイメージしやすいでしょう。意外に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、適度な運動も疲労回復には効果的です。
十分な休息
そもそも疲労は、過度な身体的・精神的活動によって、身体が休養を求める状態と定義されます。そのため、十分な休息が疲労にとって最も重要であるのは間違いありません。
睡眠中は脳細胞が休まり、緊張状態から解放されるため、中枢性疲労を回復させるのに最も効果的ですし、全身も休まるので末梢性疲労の回復にも繋がります。
疲労が蓄積すると、よく眠れなくなる人も少なくありません。睡眠の質が低下すると、疲労を回復できなくなり、さらに疲労が蓄積し続けるという負のスパイラルに陥ってしまいます。
よく眠れない人は、まずは、心身をリラックスさせて眠りやすい身体の状態を作る作業から始める必要があるでしょう。
栄養のある食事
疲労回復には、食事から摂る栄養素も重要です。栄養素が足りないと、身体のエネルギーが枯渇して疲労の原因となります。
エネルギーの代謝を促すビタミンB群や、抗酸化作用のあるビタミンCなどの栄養素は、細胞の新陳代謝を促します。
また、活性酸素による神経細胞へのダメージも抑えられるため、疲労回復のために積極的に摂取すべきです。
適度な運動
現代人の多くは、運動不足の状態にあります。運動不足が続くと、体内の血行が悪くなり、活性酸素や老廃物などの疲労物質を体外に排出できなくなってしまいます。
有酸素運動やストレッチなどで、血流の循環を活性化させると、新陳代謝により疲労物質を体外に排出できるため、疲労回復にとって効果的です。
ただし、過度の運動は、逆に末梢性疲労の原因となるので、疲労回復のためには適度な運動をおすすめします。
疲労回復のためのセルフケア
ここでは、疲労回復のためにできる具体的なセルフケアを紹介します。休息、食事、運動と見直したい3つの習慣に合わせて、それぞれ見ていきましょう。
休息
十分な休息のためには、良質な睡眠が不可欠です。良質な睡眠をとるには、布団に入る段階で心身がリラックスした状態でなければなりません。
寝る前にぬるめのお湯にゆっくり浸かると、副交感神経が優位になり、リラックスした状態で眠れます。
他には、瞑想やアロマテラピーもリラックス効果があるためおすすめです。寝る前の軽いストレッチも、呼吸を整えて身体をリラックスさせられるので、より良い睡眠をとるのに効果的と言えるでしょう。
休息のためのセルフケアとしては、いかにリラックスした状態で質の良い睡眠をとれる状態にするかを心がけてください。
食事
食事面では、バランスの良い食生活を心がけてください。
バランスの良い食生活を前提に、疲労回復にはエネルギーの代謝を促すビタミンB群や、活性酸素によるダメージを防ぐための抗酸化作用のある栄養素の摂取を意識すると良いでしょう。
ビタミンB群が含まれる食材には、豚肉、うなぎ、玄米などがあります。抗酸化作用のある栄養素としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、イミダゾールジペプチドなどが挙げられます。
具体的な食材としては、レモンや梅干し、鶏のむね肉などがおすすめです。蓄積された疲労には、疲労回復の効果・効能のある栄養ドリンクの摂取も効果的です。
運動
疲労回復を目的とした運動では、全身の血行を良くする軽めのウォーキングやストレッチ、ヨガなどの有酸素運動が効果的です。
ストレッチやヨガは、ゆっくりとした呼吸で全身の筋肉を伸ばす意識を持って行うと良いでしょう。
どうしても疲労が抜けないときは
おすすめしたセルフケアを試してみても慢性的な疲労がどうしても抜けないときは、医療機関の受診をおすすめします。
慢性的な疲労、倦怠感は重篤な病気の症状として現れる場合もあり、病気が原因の疲労を回復するには、セルフケアでは対応できません。
慢性的な疲労の回復には、日々の生活習慣の見直しが不可欠です。良質な睡眠がとれるよう、身体をリラックスさせるための習慣を取り入れるようにしましょう。
良質な睡眠と、毎日の栄養補給で慢性的な疲労から抜け出して健康的な毎日を過ごしましょう。
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