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疲労回復のために食生活はどうすればよい?とりたい栄養素やおすすめの食べ物、飲み物を紹介

2023/03/29

疲労回復に食事が大切と言われても、具体的にどんな食生活を送ればよいか疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
疲労回復を図るためにとりたい栄養素はいくつかあり、意識した食生活を続けると体調を維持でき、疲れにくいからだ作りのきっかけになります。
「食生活を改善」と聞くと自炊しなければいけないと思われるでしょうが、現在は健康志向の高まりから、コンビニや外食業界でも健康に配慮した商品・メニューを豊富に用意しています。上手に活用しながら、少しずつ食生活をととのえていきましょう。
疲労回復のためにとりたい栄養素やおすすめの食べ物、飲み物、メニューの選び方をご紹介します。

 

疲労回復のために食生活が大切な理由

疲労回復には十分な睡眠、適度な運動、栄養バランスのよい食事が基本です。
睡眠にはからだを休める、運動には血流をよくするなどの目的があります。では食事は疲労回復にどんな役割を担うのでしょうか。
疲労回復のために日頃の食生活が大切な理由を3つご紹介します。

消耗したエネルギーや栄養素を補充する

ヒトが活動したり考えごとをしたりするにはエネルギーが必要です。また、体調を維持するために、エネルギー以外にさまざまな栄養素を体内で利用しています。
エネルギーや栄養素が不足すると、疲労などの体調不良や活動低下を招くため、食事をして消耗した分を補う必要があるのです。

「エネルギーをつくりだす仕組み」を回す

ヒトの体内には、エネルギーをつくりだす「クエン酸回路」と呼ばれる仕組みがあります。
クエン酸回路では、食事から得た糖質・脂質・たんぱく質を燃料にしてエネルギーを産生しています。
他に、ビタミンやミネラルもエネルギー産生のために不可欠です。いろいろな栄養素を摂取するためには、栄養バランスのとれた食事が必要なのです。

酸化ストレスに対応する

疲労の原因物質と考えられているひとつに「活性酸素」があります。
活性酸素とは、呼吸によって取り込まれた酸素の一部が通常より活性化した状態をいいます。活性酸素が過剰になると酸化ストレスを引き起こし、疲労や老化、細胞障害をもたらしてしまうのです。
本来であれば、ヒトの体内に備わっている抗酸化防御機能がはたらき、酸化ストレスに対応しています。ですが、産生された活性酸素が多すぎると対応しきれず、酸化ストレスにさらされてしまいます。
防御機能で対応しきれない過剰な活性酸素をおさえるには、抗酸化作用のある栄養素を摂る必要があるため、食事が必要なのです。

 

疲労回復のためにとりたい栄養素

疲労回復のためにとりたい栄養素は数多くあり、中でも代表的な栄養素を抜粋してご紹介します。
エネルギー源となる糖質、脂質、たんぱく質に加えて摂取するように心がけてみましょう。

ビタミンB1

代謝にかかわり、主に糖質をエネルギーに変える際に必須の栄養素です。

ビタミンB2

代謝にかかわり、主に脂質をエネルギーに変える際に必須の栄養素です。

ビタミンB6

代謝にかかわり、主にたんぱく質をエネルギーに変える際に必須の栄養素です。

ニコチン酸アミド(別名:ナイアシンアミド)

エネルギー産生、脂質の代謝、アミノ酸の代謝に関与しています。

ビタミンC

抗酸化作用がある他、鉄の吸収を高めるはたらきがあります。

ビタミンE

脂質の酸化を防ぐはたらきがあります。

タウリン

エネルギー産生を促進します。

L-アルギニン塩酸塩

アミノ酸の一種で、からだに元気がないとき、エネルギー源の合成、貯蔵を促進します。

 

疲労回復のために積極的にとりたい食べ物

疲労回復のためにとりたい栄養素を含む食べ物をご紹介します。
献立を考えたり、惣菜を買ったりする際の参考にしてみてください

肉類

たんぱく質の供給源になるだけでなく、ビタミンB群も含んでいます。
ビタミンB1は豚肉(ヒレ・ロース・モモ)、ビタミンB6は豚肉(ヒレ)・鶏肉(ムネ)・牛肉(ヒレ)に多く含まれています。

レバー

レバーといえば鉄分をイメージされるかもしれませんが、ビタミンB2も多く含んでいます。

魚介類

たんぱく質の供給源になるだけでなく、ビタミンB群やビタミンE、タウリンの供給源にもなります。
とくにおすすめの魚介類と多く含む栄養素は下記の通りです。

  • ● うなぎ:ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンE
  • ● ぶり:ナイアシン
  • ● カツオ:ビタミンB6、ナイアシン
  • ● マグロ:ビタミンB6、ナイアシン
  • ● イカ:タウリン
  • ● タコ:タウリン
  • ● たらこ:ビタミンB1、ナイアシン、ビタミンE

野菜・いも・果物類

ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEの供給源になります。
とくにおすすめの食材と多く含む栄養素は下記の通りです。

  • ● ピーマン:ビタミンC、ビタミンE(ビタミンEは赤ピーマン、オレンジピーマン、黄ピーマン)
  • ● ほうれん草:ビタミンE
  • ● ブロッコリー:ビタミンC、ビタミンE
  • ● 南瓜:ビタミンC、ビタミンE
  • ● キウイフルーツ:ビタミンC
 

コンビニや外食におけるメニューの選び方

疲れがたまっているときは自炊する気になれず、コンビニや外食で済ませる日もあるでしょう。
コンビニや外食利用時でも疲労回復を促せるメニューの選び方をご紹介します。日頃の食生活の参考にしてみてください。

「主食・主菜・副菜」をそろえる

食事の組み合わせは「主食・主菜・副菜」がそろっていると理想的です。
「主食」とはご飯・麺・パンを指し、炭水化物の供給源になります。「主菜」はメインとなるおかずで、肉や魚、卵、大豆製品を使ったたんぱく質源です。
「副菜」は2番目のおかずで、約70g以上の野菜やきのこ、いも、海藻類を使用した小鉢や味噌汁でビタミンやミネラルの供給源になります。
さらに、前述した疲労回復のためには、とりたい食材が使用された商品を選ぶとなおよいでしょう。
いろいろな食材から栄養素を摂る意識でいると、自然と栄養バランスもととのいやすくなります。

(例)

  • ● おにぎりだけで済ませるのではなく、焼き鳥や和え物を加えてみる
  • ● サンドイッチだけで済ませるのではなく、野菜スープや果物を加えてみる
  • ● 唐揚げ弁当ではなく幕の内弁当にしてみる
  • ● パスタ単品ではなくサラダやスープをつけてみる
  • ● 五目あんかけや八宝菜など多種類の食材が使用されているメニューを選ぶ

食事が夜遅くなる場合は脂質の多いメニューを避ける

脂質は消化に時間がかかるため、夜遅くに揚げ物やあぷらっぼいメニューを食べると、からだに負担がかかります。睡眠の妨げにもなり、ゆっくり休めず疲れがとれない原因になるのです。食事が夜遅くなる場合は、なるべくさっぱりとしたメニューを選ぶとよいでしょう。

炭酸飲料やジュース類を飲みすぎない

炭酸飲料やジュース類には多くの糖質が含まれています。糖質が多くなるとエネルギーに変換しようとビタミンB1も多く消費され、結果疲労回復時につかいたいビタミンB1が不足してしまうのです。糖質の過剰摂取には注意しましょう。

 

疲れている人に差し入れをする場合の食べ物・飲み物の選び方

仕事、家事、育児、運動、勉強……忙しい理由や疲れの原因はさまざまです。
頑張っている身近なひとや大切なひとの姿を見て、何か差し入れをしてあげたい気持ちになったときに、おすすめの食べ物や飲み物をご紹介します。

おにぎり

できれば玄米、鮭、たらこ、ツナなど疲労回復につながる栄養素を含む食材を使用しているとよいでしょう。

サンドイッチ

菓子パンよりはサンドイッチのほうがおすすめです。レタスやツナ、ポテトサラダなどなるべく多くの食材が入った種類を選びましょう。

野菜ジュース・果物ジュース

野菜や果物を使用しているジュースはビタミン類を摂れます。オレンジジュースやアセロラジュースもよいでしょう。

果物

ビタミン類を摂れます。バナナなら包丁がなくても手軽に食べられますし、カットフルーツもおすすめです。

栄養ドリンク

疲労回復を謳った商品が多く販売されています。
糖質を気にされている方には糖類ゼロタイプ、目を酷使されている方にはアイケアタイプ…と、市場に出回る栄養ドリンクの種類も、特徴もさまざまです。
差し入れする方のライフスタイルや健康状態について、できるだけリサーチや確認をして、そのひとに合った商品を選ぶとよいでしょう。

 
疲労が蓄積される前に
食生活を見直しましょう

疲労回復のためにとりたい栄養素やおすすめの食べ物、飲み物、メニューの選び方をご紹介しました。
まずは現在の食生活を振り返ってみましょう。疲労回復のためにとりたい栄養素が含まれている食品を、きちんととれているでしょうか。
もしとれていない場合は、1日1食からでもよいので、食事内容を意識し、疲労が蓄積される前に回復できるよう食生活を見直しましょう。
「食べる」目的は単に「栄養を摂る」との意味だけに留まりません。記事では疲労回復に食生活が大切な理由をお伝えしましたが、「食べる」行為は精神面にも影響します。
「美味しい・楽しい」と感じる充足感、食事を介して家族や社会とのつながりを感じる安心感などです。心が満たされればリラックスでき、良質な睡眠がとれ、心身の疲労回復につながります。
食生活をととのえ、何かと慌ただしい日々を少しでも快適に過ごしましょう。