法律関係ライター佐藤孝生
元弁護士としての経験を活かし、日常生活にまつわる法律問題や、困りごとに応える記事を中心に執筆活動を行う。
弁護士時代には、離婚、相続、交通事故など身近な困りごとを取り扱う業務に従事。
現在では「読者の困りごとに寄り添う記事」をモットーに、法律問題にとどまらず、健康コラムなどさまざまな執筆に取り組んでいる。
ヒアルロン酸は皮膚だけでなく、関節や目の硝子体などに含まれている成分です。
ヒアルロン酸の特徴は、保水力にあります。身体の60%が水分でできている人間にとって、ヒアルロン酸の持つ保水力は、身体の良好な状態を保つうえで欠かせません。
今回は、ヒアルロン酸の成分や特徴に触れたうえで、ヒアルロン酸の体内での役割を深掘りして解説します。ヒアルロン酸の上手な摂取法も紹介していますので、どうぞ最後までお楽しみください。
ヒアルロン酸は、皮膚や筋肉、目の硝子体、関節など私たちの体のあらゆる箇所に含まれている成分です。まずは、私たちの体にとって欠かせないヒアルロン酸の成分と特徴について見ていきましょう。
ヒアルロン酸の成分は、「ムコ多糖」と呼ばれる糖質の一種です。ムコ多糖は、細胞の周辺で水分を保持し、身体の中を潤す役割を果たしています。
ムコ多糖には、細胞まで栄養素を届け、老廃物を細胞の外へ運び出す働きがあります。ヒアルロン酸を含むムコ多糖の成分が減少すると細胞が良好な状態を保てず、身体の不調を引き起こす可能性もあるのです。
ヒアルロン酸の特徴は、「保水力」にあります。ヒアルロン酸の驚くべき保水力には、ヒアルロン酸の重量に比べて6000倍もの水分を保水する力があると言われています。
私たちの身体は約60%が水分で構成されており、身体の水分を保つ役割を果たすヒアルロン酸は、人体にとって欠かせない成分です。
ヒアルロン酸は、40代後半から加齢によって減少するとされており、肌や目などの水分を保つには、意識的にヒアルロン酸を摂取すべきと言えるでしょう。
ヒアルロン酸の減少が顕著に現れるのが肌の状態です。ヒアルロン酸の減少により身体の保水力が失われると、肌のうるおいも失われ、カサカサしてハリのない肌になってしまいます。
ヒアルロン酸が美容や健康に役立つ成分として注目されているのは、ヒアルロン酸の体内での役割が理由です。ヒアルロン酸は、優れた保水力によって肌の保湿や弾力を保つ役割を果たしています。
ヒアルロン酸の体内での役割は、肌の保湿を保つだけではありません。ヒアルロン酸は、関節や目にとっても欠かせない役割を果たしています。
ここでは、皮膚に加えて、関節や目でのヒアルロン酸の役割をそれぞれ具体的に解説します。
ヒアルロン酸は、皮膚の真皮に含まれる成分で、肌を保湿し、弾力性を保つ役割を果たしています。
皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の三層から構成されています。真皮の主成分は、皮膚の構造を支えるたんぱく質のコラーゲンと、コラーゲン同士をつなぎ止めるエラスチンです。
ヒアルロン酸は、コラーゲンとエラスチンの間で水分を保ち、一体となって肌のうるおいとハリを作り出しています。
ヒアルロン酸は、もともと体内に存在する成分なので安全性が高く、皮膚のヒアルロン酸を補う目的で化粧品やサプリメント、美容注射などに利用されています。
ヒアルロン酸は、関節と関節をつなぐクッションの役割を果たす軟骨にも含まれています。
ヒアルロン酸にはねばねばした性質があり、軟骨の中で衝撃を和らげるクッションの役割や関節の動きを滑らかにする潤滑剤の役割を果たしています。
とくに、膝関節は人体を支える大きな負担のかかる箇所のため、軟骨がすり減って炎症を引き起こすケースも多いです。軟骨がすり減ると、クッションがなくなってしまうため、関節同士がぶつかって痛みや炎症を引き起こします。
そのため、膝関節をはじめとした関節痛を和らげるにはヒアルロン酸を補う必要があります。膝関節症や五十肩の利用などの治療に用いられるヒアルロン注射は、医療目的でヒアルロン酸を利用するひとつの例です。
目は常に外気に触れる臓器のため、身体の中でも最も水分を必要とする箇所です。硝子体は目を形づくる部位ですが、成分のほとんどは水分で構成されています。
目のうるおいは、涙の主成分であるムチンの働きによって保たれています。ムチンは、粘り気のある糖たんぱく質で、保水と栄養補給の役割を果たしているのです。
本来ヒアルロン酸は涙には含まれておりませんが、粘り気と保水力の高さはムチンとよく似た性質があります。そのため、ヒアルロン酸は涙を補うため、目薬や眼科手術の補助剤としても活用される機会が多いです。
コラーゲンは、皮膚や骨、筋肉などを作る役割のあるたんぱく質の一種で、ヒアルロン酸と同じく肌に必要な成分として有名です。
コラーゲンとヒアルロン酸は、いずれもハリやうるおいのある肌を保つのに欠かせない成分ですが、役割は全く異なります。コラーゲンには、細胞同士をつなぎ合わせて細胞を支える役割があり、ヒアルロン酸は、細胞のすき間で保湿の役割を果たします。
皮膚を作る土台となるコラーゲンと、それを支えるヒアルロン酸は、一体となってハリとうるおいのある肌を作り上げるのです。
ヒアルロン酸は、加齢や肌へのダメージによって減少します。ヒアルロン酸は、サプリメントや化粧品、目薬などの商品で広く使用されているので、ヒアルロン酸を補うために利用すると良いでしょう
ヒアルロン酸は、口からも摂取できます。しかし、ヒアルロン酸は熱に弱いだけでなく、食品に含まれる高分子ヒアルロン酸分子は体内に吸収されにくいため、食事からヒアルロン酸を摂取するのは難しいです。
そのため、ヒアルロン酸の摂取にはサプリメントの活用をおすすめします。サプリメントを選ぶ際には、低分子のヒアルロン酸を含む商品を使用するのが体内に吸収されやすいでしょう。
ヒアルロン酸は、多くの化粧品やシャンプーでも使用されています。肌や頭皮にヒアルロン酸を塗ると肌の中まで成分が浸透し、肌や髪にハリ、うるおいを与えます。
ただし、化粧品やシャンプーに含まれるヒアルロン酸は、肌の表面に浸透するため、効果は一時的です。そのため、化粧品やシャンプーについては、継続的な利用に加えて、サプリメントや注射などとの併用がおすすめです。
目薬に含まれるヒアルロン酸は、涙を補う役割が期待できます。ヒアルロン酸の粘度と保水力によって目のうるおいが保たれるので、目の渇きにお悩みの方はヒアルロン酸入りの目薬を利用してみましょう。
美容医療や関節痛の治療にはヒアルロン酸注射が利用されています。ヒアルロン酸注射は、皮膚の真皮に直接ヒアルロン酸を注入できます
ヒアルロン酸は、肌の美容だけでなく、目や関節にとっても重要な成分です。ヒアルロン酸が足りなくなると、日常生活で苦労する可能性があります。
ヒアルロン酸は普段の食事からは摂取しにくい成分なので、体内のヒアルロン酸を維持するには、サプリメントや化粧品を活用して積極的に摂取するのも重要と言えます。
ヒアルロン酸の積極的な摂取を心がけて、若々しく健康的な毎日を実現しましょう。
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