オリーブオイルの賞味期限は、開封前後や保管する場所によって大きく変化します。
「開封した後のオリーブオイルはどれくらい持つのか」と、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
オリーブオイルの賞味期限の目安やおすすめ保管方法、酸化してしまった後の使い道など幅広く解説します。
オリーブオイルの賞味期限はどれくらい?
オリーブオイルの賞味期限は、未開封と開封済みの状態では、大きな違いがあります。
未開封の場合は約1年半~2年と比較的長くなります。が、入っている容器や種類によっては、賞味期限の長さが異なってきます。
しかし、開封済みの場合は1~3ヶ月での使い切りが推奨されています。理由は、酸化による風味の変化です。
賞味期限を過ぎたオリーブオイルは調理に使用できます。が、品質や風味に多少の劣化が出るのは避けられません。
なお、この機会に消費期限と賞味期限の違いについても確認しておきましょう。
購入した食品には、安全においしく食べられる期間があり、袋や容器には「消費期限」か「賞味期限」のどちらかが表示されています。
賞味期限とは
袋や容器を開けないまま、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、記入された「年月日」まで、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」です。
スナック菓子・カップめん・チーズ・缶詰・ペットボトル飲料など、傷みにくい食品に表示されています(作ってから3ヶ月以上もつものは「年月」で表示することもあります)。
また、この期限を過ぎたらすぐに食べられないわけではありません。また、表示されている保存方法を守って保存しておくのが大切です。ただし、一度開封した食品は、期限に関係なく早めに食べる必要があります。
消費期限とは
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、記載された「年月日」まで、「安全に食べられる期限」です。
お弁当、サンドイッチ、生めん、ケーキなど、傷みやすい食品に表示されています。
オリーブオイルが酸化するとどうなる?
オリーブオイルは開封と同時に、酸化がはじまります。
オリーブオイルを含む油の酸化とは、「空気中の酸素との反応により起こる変化」を指し、空気との接触だけでなく光や温度の変化が原因で起こる現象です。
オリーブオイルの酸化によって起こる現象や、人間の身体への影響を確認しておきましょう。
色や表面に変化が現れる
オリーブオイルは酸化とともに、色がだんだん濃くなり、表面に粘りが出てきます。
酸化したオリーブオイルを使って調理すると、食材への火の通り具合などに良くない影響が出るリスクが高まるので気をつけましょう。
油分が分解されて嫌なにおいがする
オリーブオイルが酸化すると、油分の分解によって本来の風味が失われます。
酸化した進んだオリーブオイルは、ツンと鼻につく油独特の匂いがします。開封時に従来のフレッシュな香りを感じられなくなったら、酸化が進んでいると判断しましょう。
食べると身体に良くない影響を及ぼすケースも
酸化したオリーブオイルの中では、過酸化脂質が作り出されています。
過酸化脂質を含むオリーブオイルを体内に摂取しすぎると、お腹や頭への不快感など悪い影響を及ぼす場合もあるので注意しましょう。
オリーブオイルの保存時に避けるべき注意点
オリーブオイルは、保存の方法により酸化のスピードに違いが出ます。保管場所によっては、すぐに本来の風味を失ってしまうケースも。
オリーブオイルの保存時に避けるべき点や注意点について解説します。
冷蔵庫に入れるのは避ける
オリーブオイルは、冷蔵庫に入れると劣化が加速します。
オリーブオイルの保管時の適温は、15℃から18℃です。10℃前後の冷蔵庫でオリーブオイルを保管すると、固まりや味の変化の原因となるので避けましょう。
日光が当たる場所に置かない
オリーブオイルは、強い光で劣化・酸化してしまいます。
農林水産省では「梱包されていないオリーブは、光を避け、本産品の特性を維持できる適切な場所で保管しなければならない」と定義されています。
オリーブオイルが黄色や緑色に見えるのは、成分に葉緑素が含まれているからであり、光によって光合成をおこない、酸素が発生し、酸化を促してしまうのです。
強い光により、オリーブオイルの中の成分が光合成によって酸化しないよう注意してくださいね。
熱を伴う家電の近くで保管するのは避ける
オリーブオイルは、光だけでなく熱にも弱いのが特徴です。
オリーブオイルを電子レンジやオーブンなど高温を伴う家電や、100°を超えるお湯を沸かしているコンロの側に置いておくと、酸化が加速する原因になるので避けましょう。
他の瓶に移し替えたらすぐに消費する
オリーブオイルを他の瓶に移し替えると、空気に触れる面積や時間が増えてしまいます。
他の瓶にオリーブオイルの中身を移し替える際は、出来るだけ早く使い切るのを前提で作業を行いましょう。
オリーブオイルを保管するときのポイント
オリーブオイルを長持ちさせるためには、適切な保存方法や使い方を知っておくのが必要不可欠です。オリーブオイルを保管する際のポイントを解説します。
暗くて光の当たらない場所を選ぶ
オリーブオイルは、暗くて光の当たらない場所で保管しましょう。身近にある保管場所になりそうな例を確認して、保管してください。
【オリーブオイルを保管するのにおすすめの場所】
- ● 密閉された引き出しの中
- ● 食器棚の中
- ● シンクの棚の中 …など
温度変化を伴わない場所を選ぶ
オリーブオイルの保管場所を決める際は、温度変化を伴う家電の近くを避けましょう。
電子レンジやオーブンなど、加熱処理を伴う家電の側に置いておくとオリーブオイルの温度を高め、酸化の原因となってしまいます。
また、オリーブオイルを冷蔵庫に入れたり出したりすると、温度の変化により食物繊維が傷んでしまうので、保管の際は一定の温度を保てる場所を選んでくださいね。
開封後は出来るだけはやめに使い切る
開封したオリーブオイルは、酸化も考慮して1~2ヶ月以内に使い切りましょう。
開封後のオリーブオイルがたくさん余ってしまったら、アヒージョやオイルパスタなどの料理を作って一気に消費する工夫もおすすめです。
酸化したオリーブオイルは料理以外に他の使い道はある?
酸化したオリーブオイルは、状態によっては調理に適していません。しかし、オリーブオイルは食用以外にも様々な使い道が存在します。ただ、本来は食用のものなので、活用の際には十分な注意が必要です。
メイク落としとして活用
酸化したオリーブオイルは、メイク落としとして使えます。オリーブオイルは毛穴や肌の角質などの汚れに強いため、工夫次第でメイク落としや洗顔料として使えるのがメリットです。
肌質によっては合わない人もいるので、心配な場合は事前にパッチテストをしてみましょう。
石鹸やキャンドル
実はオリーブオイルを利用して、石鹸やキャンドルがつくれるのをご存じでしょうか。
石鹸は石鹸基材とオリーブオイル、アロマオイル(精油)を混ぜてこねて型にはめて固めるとつくれます。
また、キャンドルは古くなったオリーブオイルと凝固剤を混ぜ合わせてキャンドルが作れます。
キッチン・コンロ周りの掃除
酸化したオリーブオイルは、キッチンやコンロ周りの掃除でも活躍します。
「痛んだオリーブオイルを身体に付けるのは抵抗がある」と考える方は、揚げ物料理をした後の後始末や、年末の大掃除での活用を検討しましょう。
オリーブオイルの酸化を防ごう
オリーブオイルは賞味期限や保管期間が長いイメージがあります。しかし、実際は瓶の開封後に酸化がはじまり、保管場所や方法によってどんどん本来の風味も鮮度も失ってしまうのです。
オリーブオイルは熱や光だけでなく、冷蔵庫の温度や空気も苦手なため、出来るだけ日光が当たらず温度変化も少ない場所で保管するようにしましょう。
酸化によって風味が変化してしまったオリーブオイルは食用にせず、役立つ活用方法を見つけて再利用できるよう加工するアイデアで、フードロスを防げるでしょう。
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