監修医師成田 亜希子
2011年医師免許取得。初期臨床研修を経て総合診療医として幅広い分野の治療に携わる。
臨床医として勤務しながら、行政機関での勤務経験もあり地域の健康課題にアプローチした健康寿命延伸、感染症対策などの医療行政にも携わってきた。
国立保健医療科学院、結核研究所での研鑽も積む。
現在、医療法人ウェルパートナー主任医師。
慢性的な疲労を速攻で退治するのは難しいです。慢性的な疲労から抜け出すには、生活習慣を見直す必要があります。
慢性的な疲労は、単に睡眠をとっただけでは回復しない場合も多いでしょう。睡眠の質を高めるだけでなく、栄養のある食事と適度な運動の習慣化なども重要です。
慢性的な疲労から抜け出して気分の良い毎日を過ごすため、疲労回復に効果的な休息、食事、運動の方法を詳しく見ていきましょう。
繁忙期の仕事や激しい運動などによる肉体的な疲労は、ゆっくり休息を取れば基本的には回復します。しかし、毎日の生活で知らず知らずのうちに蓄積される疲労は、生活習慣を見直さなければ蓄積される一方になってしまうでしょう。
急いで疲労を回復したいと考える方も、疲労回復が期待できる方法を生活習慣に取り入れて、実践し続けるのが何より重要です。
慢性的な疲労は、放置しておくと重篤な病気やうつなどにつながる可能性があります。疲労は、体からの危険信号です。疲労への対策をしっかり行い、疲労の蓄積から体を守りましょう。
疲労には、末梢性疲労と中枢性疲労の2つの種類があります。「末梢性疲労」は身体を酷使した結果として起こる肉体的な疲労で、「中枢性疲労」は脳の緊張状態が継続した結果として起こる精神的・神経的な疲労です。
末梢性疲労は、体を休めれば回復しやすいのが特徴です。一方、中枢性疲労は、睡眠も浅くする症状も現れやすく十分に体を休めるのすら難しくなってしまうケースも珍しくありません。長時間のデスクワークや人間関係のストレスの多い現代社会では、中枢性疲労の蓄積に悩んでいる方が多いです。中枢性疲労を回復させるには、生活習慣から見直す必要があります。
慢性的な中枢性疲労を回復させるためには、まずは食事、休息、運動の3つの生活習慣を見直しましょう。
疲労回復に役立つ栄養のある食事・十分な休息・適度な運動を心がければ、疲労に悩まされる日々からより脱却しやすくなります。
食事、休息、運動それぞれに期待できる方法を紹介しますので、生活習慣の中に積極的に取り入れてみてください。
食事の基本は、バランスの良い食生活です。ただし、食生活がどうしても不規則になってしまうときには、サプリメントや栄養ドリンクで栄養を補うのも必要です。
疲労回復が期待できる栄養素には、エネルギーの代謝を促すビタミンB群や抗酸化作用のあるビタミンCなどが挙げられます。
ビタミンB群が含まれる食材としては、豚肉や卵、ビタミンCが含まれる食材としてはレモンが調理も簡単でおすすめです。
ビタミンB群やビタミンCなど、疲労回復を期待できる栄養素が食事だけでは補えない場合には、サプリメントの利用によって補う方法も検討しましょう。
休息の基本は睡眠です。睡眠中は脳も休まりますし、睡眠中に多く分泌される成長ホルモンの働きで疲労回復が進みます。しかし、十分な睡眠時間を確保していたとしても、睡眠の質が悪ければ思うように疲労は回復しません。
疲労回復のためには、睡眠時間を確保するだけでなく、睡眠の質を高めるための工夫が必要です。睡眠の質を高めるには睡眠前に心身をリラックスさせて、副交感神経を優位に働かせるのが効果的です。
疲れているときにお湯を貯めるのは面倒な作業です。そのため、シャワーだけでサッと済ませてしまう方も少なくないでしょう。
しかし、お風呂に浸かって体を温めると血行が良くなるため、それ自体で疲労回復が期待できます。さらに、お風呂にじっくり浸かって身体も頭もリラックスさせると、副交感神経が優位となり、質のよい睡眠のための準備も整います。
疲労回復には、38~39℃のぬるめのお湯にゆっくり浸かってリラックスしてみましょう。また、入浴は就寝の1時間以上前にはすませておきましょう。
寝る前のスマホやテレビを控えるだけでも睡眠の質は変わってきます。寝る前にスマホやテレビを見ていると、目が覚めてきて眠れなくなった経験のある方は少なくないでしょう。スマホやテレビの強い光は、人を睡眠に誘うメラトニンの分泌を抑制するため、脳が覚醒し眠りにくい状態となってしまうのです。
軽い運動は、副交感神経を優位にする働きがあります。副交感神経が優位になると気持ちが落ち着いて精神的な疲労を改善させる効果が期待できます。
また、軽い運動自体がストレス解消になるケースもあるでしょう。
ただし、、激しい運動は疲労回復のためには逆効果です。軽めの運動を習慣化して、慢性的な疲労を退治しましょう。
軽めのウォーキングやヨガなどの有酸素運動は、心肺機能を高めて、全身の血行を良くする効果が期待できます。
運動習慣のない方は、週に2~3日だけでもウォーキングの習慣を取り入れると、身体が軽くなるのを実感できるかもしれません。
最初は無理せずゆっくりと、運動を習慣化していきましょう。
ストレッチで凝り固まった身体をほぐすのも、血行を良くする効果が期待できます。
お風呂に浸かったあとにストレッチを行うとより効果的でしょう。寝る前のストレッチには、リラックス効果により、睡眠の質を高める効果も期待できます。
速攻性のある疲労回復により近づくよう、コンビニの商品を選ぶ際も意識して選びましょう。いそがしい毎日で自炊する時間がとれない、外食に頼りがちな場合でも、食生活を見直しながら栄養バランスをよりよくするために、意識して商品を選ぶよう工夫していくのが大切です。
100%のフレッシュジュースには、ビタミンB群やビタミンCが含まれています。レモンやみかんなどの柑橘系のジュースなら、クエン酸も含まれています。
果物を食べるのが難しい方も、フレッシュジュースを飲めばビタミン不足を補えます。
コンビニでは、豊富な種類の豆乳飲料も販売されています。
豆乳には、たんぱく質やビタミンB群が含まれています。たんぱく質は、血液や筋肉などを作るのに欠かせない成分です。豆乳は、たんぱく質とビタミンB群をまとめて摂取できる便利な飲料です。
疲労回復の方法を色々と試しても疲労が抜けないときには、医療機関を受診してみてください。
症状として慢性的な疲労や倦怠感が現れる重篤な病気もあります。病気によっては、セルフケアでは治せない場合もあります。まずは、病院で医師の診療のもと、必要な検査や治療をしてもらいましょう。
慢性的な疲労を回復させるのは、本当は一朝一夕では難しいのです。疲労回復の方法も、一度きりではすぐに効果がなくなってしまうでしょう。
慢性的な疲労から抜け出すために、疲労回復に効果的な方法を習慣化して健康的な毎日を送るのがもっとも近道です。軽い運動やお風呂に浸かる習慣など簡単に始められる方法を毎日の習慣に取り入れてみてください。
疲労は体が悲鳴を上げている合図かも知れません。
日々の疲れはゆっくり体を休めたり、十分な睡眠をとることで回復するのがほとんどです。
しかし、精神的疲労や神経的疲労はそれだけでは不十分な可能性も。精神的疲労や神経的な疲労は日常生活の乱れが原因になっている場合もあるため、まずは生活習慣を見直しましょう。
ただし、疲労は貧血や甲状腺機能低下症などの身体的な病気のほか、うつ病や不安症など精神的な病気が要因になっている可能性もあります。
今回ご紹介した対策を講じても疲労が改善しないときは軽く考えずに医療機関を受診して下さい。
また、健診の結果などで異常がなくても6か月以上に渡って日常生活に支障を来すほどの強い疲労感があり、以下の症状を伴う場合は要注意。慢性疲労症候群という病気の可能性があります。
思い当たる方はできるだけ早めに医療機関を受診しましょう。
・微熱や寒気
・筋肉痛
・頭痛
・不眠
・思考力や注意力の低下
・抑うつ気分
・めまい
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