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紫外線吸収剤は肌にいいもの?悪いもの?紫外線散乱剤と日焼け防止の仕組み・肌への影響・付け心地・成分を比較しました

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2023/05/31

日焼け止めに使われている紫外線吸収剤。「紫外線吸収剤 なし」で検索している方も多いようですが、さまざまな角度からメリットを整理すると、想像しているよりもずっと使いやすい成分だとわかります。
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤のどちらを選べばよいか迷ったときは、それぞれのデメリットではなく、メリットに注目してみると答えがみえてくるかもしれません。
敏感肌の方のために、後半で「肌にやさしい日焼け止めの選び方」も紹介しているので、ぜひチェックしてくださいね。

 

日焼け止めに使用されている「紫外線吸収剤」ってどんなもの?

紫外線吸収剤とは、日焼け止めに使用されている紫外線防止成分の1つです。
紫外線を吸収したのち、化学反応によって熱エネルギーに変換して放出します。
日焼け止めに使用されている紫外線吸収剤には、以下のようなものがあります。

t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン

UV-Aを吸収する紫外線吸収剤です。UV-Aは波長が長く、肌の奥まで到達します。紫外線によるシミやシワなどの肌老化は、UV-Aが原因といわれています。

メトキシケイヒ酸エチルヘキシル

UV-Bを吸収する紫外線吸収剤です。UV-Bはエネルギーが強く、日焼けや赤みなどの炎症を起こします。日焼け止めだけでなく、紫外線による退色予防を目的にさまざまな化粧品に使用されています。

オキシベンゾン-3

UV-A、UV-Bの両方を吸収できる紫外線吸収剤です。使う人の体質によってはごくまれに肌トラブルを起こす恐れがあるとして、医薬部外品では「表示指定成分」に分類されています。安全志向の高まりから、化粧品への使用は減少傾向にあるようです。

参考:一般社団法人 日本化粧品協会|オキシベンゾン
 

「紫外線吸収剤は肌に悪い」といわれるのはなぜ?

インターネットやSNSで「紫外線吸収剤は肌に悪い」との情報を見た方もいるのではないでしょうか。
背景に、紫外線吸収剤のひとつである「オキシベンゾン」が表示指定成分になった経緯が関係していると考えられます。肌の上で化学反応を起こす成分のため、肌に刺激をあたえてしまうリスクがあるのも「危険」と見られがちな理由です。
しかし、近年では安全志向の高まりから、肌トラブルのリスクが高い紫外線吸収剤の使用を中止したり、単一の紫外線吸収剤が多くなりすぎたりしないように配慮された日焼け止めが増えています。
紫外線吸収剤のメリットを活かした日焼け止めも増えており、一方的な「紫外線吸収剤が悪い」といった考えは見直されつつあります。

 

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違い

紫外線吸収剤とよく比較されるものに、紫外線散乱剤があります。どちらも日焼け止めに使われている紫外線防止剤ですが、どのような違いがあるか、対比図で比較してみましょう。

紫外線吸収剤のメリット・デメリット

最初に紹介した通り、紫外線吸収剤は化学的な力によって紫外線を熱エネルギーへ変換して肌を守ります。「紫外線を吸収するスポンジ」を思い浮かべるとわかりやすいのではないでしょうか。
紫外線吸収剤は「無色で感触がよい」優れた性質をもっており、さまざまな日焼け止めに使用されています。紫外線散乱剤と比べて、紫外線ブロック効果が高い点もメリットです。
一方で、人によってはごくまれに肌荒れを引き起こす場合があります。とはいっても、日焼け止めによる肌荒れは、配合成分の問題だけではありません。
日焼け止めが肌に残っていたり、塗るときや落とすときの摩擦が刺激になって肌荒れするケースもあります。
各製品との相性も大切なので、新しい日焼け止めを使うときはサンプルやテスターで試してみると安心です。

紫外線散乱剤のメリット・デメリット

紫外線散乱剤は、微粒子を肌にのせて物理的に紫外線を反射・散乱させて肌を守ります。「紫外線を跳ね返すベール」をまとっているイメージです。
紫外線散乱剤は、紫外線吸収剤よりも肌への負担が少ない点がメリットです。化学合成物質を使用していないため「ノンケミカル」とも呼ばれています。子ども用の日焼け止めも、紫外線散乱剤を使用している製品が多い傾向です。
一方で、微粒子状のため、肌に塗った際に白浮きする場合があります。また肌なじみをよくするために、紫外線吸収剤と併用されるケースもあります。

 

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤、どちらを選べばいいの?

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤は、どちらもメリット・デメリットがあります。したがって、どちらのほうが優れているとはいいきれません。
日本の科学技術は年々進歩しており、紫外線吸収剤の「肌への影響」や、紫外線散乱剤の「付け心地」は改善されつつあります。
「どちらが良いか・悪いか」ではなく、良い点と気になる点を整理して、自分に合った製品を見つけることが大切です。

 

肌にやさしい日焼け止めを選ぶポイント

肌にやさしい日焼け止めを選びたいときは、紫外線防止剤以外にも目を向けてみましょう

適切なSPFとPAの日焼け止めを使用する

日焼け止めにはUV-Aから肌を守る「PA」と、UV-Bから肌を守る「SPF」の2つの指標があります。高い紫外線防止効果を得ようとすると、数値が高く「+」が多いものを選びがちです。しかし、効果の高いものほど肌への負担は大きくなります。
肌への負担を減らすためには、シーンに合わせた強さの日焼け止めを選ぶのがポイントです。日常生活であれば、PA+~++、SPF10~20で十分でしょう。レジャーや屋外でのスポーツをするときは、PA+++~++++、SPF30~50のものを選んでみてくださいね。

石けんで落とせるタイプなら肌の負担軽減に

ウォータープルーフタイプは汗や水に強く、マリンスポーツや激しい運動に最適です。しかし、密着性に優れているがゆえに、落とすときに擦ってしまいやすい傾向にあります。また、きちんと落とせないと肌に日焼け止めの成分が残ってしまいがちです。
肌に日焼け止めの成分を残したくない方や、落とすときに負担をかけたくない方は、石けんで落ちるタイプの日焼け止めを選ぶのがおすすめです。

乾燥肌の方は保湿成分配合の日焼け止めを

日焼け止めのなかには、清涼感を演出するためにエタノールやメントールなどのアルコールの入っている製品があります。暑い夏にはぴったりですが、乾燥を促しやすいので使用する際は保湿も同時におこなった方が安心です。
乾燥肌や敏感肌の方は、保湿成分配合の日焼け止めを選ぶとよいでしょう。一般的に、クリームタイプは油分が多い傾向にあるため、ジェルタイプやローションタイプよりも保湿性に優れています。

 
紫外線吸収剤不使用にこだわりすぎず自分の肌にあった日焼け止めを選ぼう

紫外線吸収剤は、どうしてもこだわりたい方以外は気にしすぎる必要はありません。
なぜなら、日焼け止めをはじめとする化粧品は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」において「使用することで皮膚刺激がおきないか」「体内に入っても害はないか」などの安全性を確認した上で、製造されているからです。
「紫外線吸収剤か・紫外線散乱剤か」よりも、自分の肌やシーンに合うものを選んだ方が結果的に肌への負担軽減につながるケースもあります。
紫外線吸収剤について、良い点・気になる点をよく理解し、あなたにとってのメリットの高い日焼け止めを選びましょう。

参考:日本化粧品工業会|化粧品と医薬品医療機器等法
参考:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

  • 中村里歩

    美容×健康ライター中村里歩

    元美容師で「超」がつく美容・健康マニア。試した美容法・健康法は数知れず…。経験を活かし、美意識の高い女性や、健康に悩む男性に寄り添う記事を執筆するべく活動中。
    モットーは「明るく前向きに」「日進月歩」。AIに負けない、読者への愛がたくさん詰まった記事を執筆するため日々勉強中。

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