「疲れ目」と「眼精疲労」の違いとは?
疲れ目と眼精疲労の大きな違いは、あらわれる症状の度合いです。いずれも目の疲れをひきおこし、症状自体に決定的な違いはありません。
しかし、疲れ目は一過性の疲労で、眼精疲労は慢性的な疲労です。疲れ目はしばらく休息をとれば回復します。
しかし、眼精疲労になると眼痛といった目の症状だけでおさまらないおそれがあります。
つまり疲れ目は、眼精疲労にかかる一歩手前の段階です。今よりつらい症状におちいらないために、早めに手を打ったほうがよいと警告してくれています。
疲れ目と眼精疲労の症状をチェック
以下では、疲れ目と眼精疲労でおこる主な症状をまとめています。今ある目の疲労が、どちらに該当するのかあらためてチェックしてみましょう。
<疲れ目>
目のぼやけ・かすむ、目のショボショボ感、目の重さ、目が痛い、目の充血、涙目、目の乾き(ドライアイ)、視力の低下、まぶしい
<眼精疲労>
頭痛、吐き気、めまい、倦怠感 +疲れ目の症状
疲れ目につながりやすい原因
目のかすみ・充血といった症状をともなう疲れ目は、今やおよそ2人に1人(※)が悩まされるといわれています。
ブルーライトを発するスマホやパソコンを長時間にわたってみるなど、近年のライフスタイルと密接に関係しているためです。
眼精疲労へと悪化しないためにも、疲れ目の原因を知っておきましょう。
※参照:最近一年間で「目の疲れ(眼精疲労)」を経験したと回答した人の割合/自社調査2017年10月
https://hc.kowa.co.jp/qpkowa/product/idrink/
疲れ目の原因(1)目の使いすぎ
原因として真っ先にあげられるのが、目の使いすぎによる疲れ目です。
まず目のなかには、ピントを調節するための毛様体筋といわれる筋肉があります。
遠くをみているときは筋肉がゆるんでおり負荷のない状態です。しかし、近くをみるときには、毛様体筋が緊張状態におかれてしまいます。
目を使う時間と目の負荷は比例し、疲労はつみ重なっていくのです。
以下のシチュエーションでは、毛様体筋の疲れによる疲れ目に注意しましょう。
- ●パソコンやスマホを長時間さわる
- ●コンタクトレンズやメガネが目にあっていない
- ●極端に暗い・明るいところでの作業
- ●近視なのに、遠くの物を無理にみようとする
疲れ目の原因(2)目の乾燥
スマホやパソコンを集中してみていると、目を酷使するだけでなく、目の乾燥による疲れ目にも要注意です。
画面にじっと見入っていると、まばたきが通常の半分以下の回数に減るともいわれています。
まばたきの減りは目の乾きをまねき、目の角膜をおおっている涙の層を薄くしかねません。
結果、目の疲れやドライアイをひきおこしやすくし、角膜を傷つけやすくさせるのです。また、子供の場合は、近視をまねいたりするケースもあります。
目の乾燥による疲れ目に心当たりがある方は、どれくらいまばたきせずにいられるかチェックしてみてください。
10秒以内に限界がきてしまうなら、疲れ目を疑ってよいでしょう。
疲れ目の原因(3)ストレスの蓄積
たび重なるストレスから、目の疲れにつながるケースも珍しくありません。ストレスを感じると、心身のバランスを保つ自律神経がみだれやすくなります。
ストレスがたまると、夜眠りにくくなったり、頭痛を感じたり、不調をおぼえる方は少なくないでしょう。
目への影響も同様で、ストレスは目の筋肉を過度に緊張させたり、涙の量を少なくしたりして、(1)(2)と同じ流れで疲れ目になりやすくするのです。
眼精疲労に「待った!」疲れ目を進行させないためのセルフケア
目の酷使や乾燥、ストレスが原因となる疲れ目は、ライフスタイルをどれだけ改善していくかにかかっています。
疲れでどんよりする目をいたわり、食事に気をくばっていくなど生活を見直していきましょう。眼精疲労にストップをかける、疲れ目ケア法をお届けします。
とにかく目を休ませる
疲れ目をひどくさせないためには、とにかく目を休ませるようにしてください。1時間に1回や20分ごとなど、休ませるタイミングは複数の説があります。
要は「疲れたかも」と思いはじめたら休憩をとるようにしましょう。症状が軽いうちは、数分でもかまいません。
目を休ませるには、まず近くの物から目を離しましょう。
近視の方は、みえづらいのに遠くの物を読み取ろうとしてはいけません。
遠くをぼんやり眺めたり、辺りをキョロキョロしてみたり、張りつめていた目の筋肉をほぐすのが有効です。
作業環境・姿勢を整える
パソコンやスマホを長時間さわるときは、作業環境と状態を整えるのが大切です。
ディスプレイの明るさは、暗すぎと明るすぎ、どちらも疲れ目をひきおこします。
明るさの感じ方は人によって異なるため、自分がちょうどよいと思う明るさに設定しましょう。
また、作業時は前かがみや猫背にならず、正しい姿勢を保つのも基本です。
画面と目の距離が近いほど、目には負担となります。さらに、姿勢の悪さは、頭のどんより感を増加させるため、場合によっては頭痛や肩こりをひきおこすのです。
姿勢を正し、画面と適度な距離をとるよう心がけてください。
目元をあたためるor冷やす
疲れ目によって目がショボショボしたりどんより重いときは、目元をあたためてあげてください。
目元をあたためると。目周辺の筋肉がゆるみます。血のめぐりがよくなって、疲労感をやわらげられるでしょう。
蒸しタオルや温感効果のあるアイマスクをのせたり、目元にあたたかいシャワーをあてたりするのも効果的です。
とくに、お風呂に入りながらのケアは心身をリラックスさせ、疲れ目の原因となるストレスの緩和にも一役買ってくれます。
ただし、目が充血しているときや痛いときは、あたためると症状の悪化をまねくケースもあります。
目の炎症をしずめるため、冷たいおしぼりやタオルを巻いた保冷剤で冷やしましょう。
もし症状の判断がつきにくいときは、むやみにセルフケアせず医師の判断を仰いでください。
目の疲れによい食事をとる
疲れ目を進行させないためには、体の外側だけでなく内側からのケアも有効です。
日々の食事をバランスよくとるとともに、目の疲れの回復をサポートする栄養素を摂取してみてください。
目によいとされる栄養素としては、以下のビタミンB群があげられます。
- ●ビタミンB1…ブドウ糖をエネルギーに変えるときに必要。疲労回復に欠かせない。
- ●ビタミンB2・B6…皮膚や粘膜の機能を正常に保つ。
- ●ビタミンB12 2…神経機能を正常に保つ。
ビタミンB群は肉類や魚介類、穀類など、複数の食べ物に含まれています。眼精疲労を予防するために、意図的にくみこんでみましょう。規則正しい食生活に自信がないなら、サプリメントや栄養ドリンクで補うのも一手です。
眼精疲労になってしまったかも…と思ったときの対策
「疲れ目をセルフケアしたけれど、眼精疲労にすすんでしまったみたい」
そんなときは、眼精疲労に効くといわれる医薬品を試してみてはいかがでしょうか。
市販されている薬のなかには、眼精疲労の症状を改善させる栄養素を含む飲み薬やドリンクが複数あります。
ただし、症状がいっこうに回復しないときは、早めに医療機関を受診しましょう。
目の疲労とはいえ、ドライアイや白内障・緑内障、黄斑変性といった病気がまねいた眼精疲労の可能性もあります。
状態にあわせて、ケア方法を見直してみてください。
パソコン作業やストレスによる疲れ目は早め対処を
子供もなりかねない疲れ目は、目の使いすぎや乾燥、ストレスが主な原因です。
一時的な目の疲労であり、目のかすみや重さのほか、場合によってはドライアイや視力低下をまねきます。
さらに疲れが慢性化すると、吐き気や頭痛などの全身症状をひきおこしかねません。
疲れ目のケア方法としては、まずブルーライトを発するパソコンやスマホの画面を遠ざけ、目に休息を与えるのが第一です。
症状がひどいときは目元をあたためたり、充血している場合は冷やしたりしましょう。さらに作業時の姿勢を正し、目によい食事をとるのも有効です。
症状がおさまらない場合は、医薬品や医療機関の協力を得ても構いません。眼精疲労にすすませないための疲れ目ケアを、日頃から心がけましょう。
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