夏バテとは?どんな症状?
夏バテとは、暑くてジメジメした夏の気候に体が適応できずに不調な状態です。また、暑い屋外と冷房の効いた室内の急激な温度変化による自律神経の乱れも一因になります。
おもな症状は、以下のとおりです。
- ● 体がだるい
- ● 疲れがとれない
- ● 食欲がでない
- ● 体力が低下する
- ● 眠れない
- ● 夏風邪のような症状
夏バテの予防・解消には「食事」が重要
夏の厳しい気候に体を適応させるには、さまざまな栄養素が必要です。
そのため、夏バテの予防・解消には、バランスの良い食事が欠かせません。
暑さで食欲が落ちると、十分に栄養補給できず、体を健全に保てないのです。しっかりと食事管理をして、暑い夏を乗り切りましょう。
夏バテ対策におすすめの栄養素
夏バテ対策のために積極的に摂るべき栄養素をご紹介します。
良質なタンパク質
良質なタンパク質を含む食品:肉類・魚介類・卵など
良質なタンパク質とは、必須アミノ酸をバランスよく含んでいるタンパク質をいいます。
食欲低下で食事量が減ると不足しがちです。必須アミノ酸は、体内でつくり出せないので、不足しないように良質なタンパク質を摂りましょう。
ビタミンB1
ビタミンB1を含む食品:豚肉・うなぎ・紅鮭・小豆(乾燥)・ピーナッツなど
ビタミンB1は、疲労回復に効果的です。夏は、暑さを乗り切るためにビタミンB1の消耗が多くなります。積極的に摂りましょう。
ビタミンC
ビタミンCを含む食品:アセロラ・グァバ・ゆず・キウイ・赤ピーマン・ブロッコリーなど
ビタミンCは、暑さなどのストレスがかかると体内で消耗されます。体内でつくり出せないので、積極的に補給しましょう。
鉄
鉄を含む食品:レバー・大豆製品・小松菜・しじみ・のり・パセリ・切り干し大根など
鉄は、汗で体外に流れ出ていくため、汗をよくかく夏場は不足しがちです。鉄は全身に酸素を運ぶ役割があるため、不足すると体は酸素不足になります。ビタミンCとの相性がよいため、一緒に摂るとよいでしょう。
食欲をアップさせる調理の工夫
「食べたくない…」そんなときには、少しの工夫が必要です。食欲を刺激して、夏バテに打ち勝ちましょう。
香味野菜をたっぷり
香味野菜は、胃液の分泌を促す働きがあるので食欲アップに効果的です。
ねぎ・にんにく・生姜・ミョウガ・大葉などを積極的に使いましょう。味にアクセントを与え、見た目にも彩りが加わり食欲を刺激します。
香辛料を効かせる
香辛料は、胃液の分泌を促す働きがあるので、食欲アップに効果的です。カレー粉やコショウ・唐辛子といった香辛料を料理に使用して、味や香りにパンチを与えましょう。
冷たい飲み物を控える
暑い日は、冷たい飲み物を選びがちです。しかし、胃腸は冷えると働きが鈍くなるため、夏バテにつながります。夏こそ、冷たい飲み物は控えて、常温やホットの飲み物を飲みましょう。
酸味を効かせる
酸味のある味付けは、サッパリ食べられます。料理にレモンやゆず・カボスを添えたり、酢の物・寿司(酢飯)・もずく酢・酢豚といったメニューにするとよいでしょう。
しょっぱい食品を食べる
漬物・梅干しといった塩辛い食べ物を少し食べると、食欲が増します。ただ、塩分が多いので、食べ過ぎには注意しましょう。
だしを効かせる
“うまみ”の効いただしは、料理をおいしくします。かつお節・昆布・煮干し・干しシイタケといった食材からだしを取るのが理想的です。
だしを煮出すのが大変な人は、お茶ポットに水と乾物を入れて常備しておけば、“水出しだし”が簡単にできます。便利なだしパックを活用してもよいでしょう。
また、かつおだしは、中高年を対象とした実験により疲労感を軽減して、緊張をほぐすと示唆されています。
かつおだしの効いた味噌汁を飲むとホッとするのは、“だしの力”かもしれません。暑さの厳しい夏こそ、だしの効いた料理で、ホッと一息するとよいでしょう。
“アツアツ”と“冷たい”のメリハリを
暑い夏場であっても、“ラーメンはアツアツ”、“サラダは冷たく”といった具合に、温度に変化をつけると食べやすくなります。
食欲不振の場合に食事で意識したいこと
暑くてジメジメした日本の夏は、胃腸の働きが衰えがちです。食欲が沸かず、サッパリ食べられる“冷や麦”や“そうめん”だけで簡単に済ませる人も多いでしょう。
しかし、炭水化物だけでは、暑さを乗り切るための栄養素は不十分です。食事を少し工夫して、夏を元気に乗り切りましょう。
必ず朝食を食べる
朝食は、一日をイキイキ過ごすためのガソリンになります。体のリズムを整える役割があるので、必ず食べましょう。比較的食べやすくて、調理不要のバナナやシリアル・牛乳・野菜ジュース・納豆などを常備しておくと便利です。
「炭水化物・タンパク質食品・野菜」をそろえる
過酷な暑さを乗り切るには、栄養をバランス良く摂る必要があります。「主食・主菜・副菜」を揃えるのが理想的です。しかし、毎食3品をつくるのは簡単ではありません。
わざわざ3品つくらなくても、1品のなかに「炭水化物・タンパク質食品・野菜」がそろうと栄養素のバランスが良くなります。
例えば、炭水化物(ごはん)とタンパク質食品(肉)・野菜がそろっているカレーライスは優秀です。
ただし、脂質が多く緑黄色野菜は少なくなりがちなので、トマト缶やオクラなどを加え野菜たっぷりに仕上げるなどバランスを工夫しましょう。
また、そうめんの場合は単品ではなく、ねぎやミョウガ・生姜といった薬味を多くしたり、つゆに卵を溶くだけでも栄養バランスを整えられます。
栄養ドリンクを活用する
どうしても食べられない場合は、必要な栄養素が凝縮された栄養ドリンクを活用するのもよい方法です。栄養不足にならないように、しっかりと栄養チャージしましょう。
コンビニや外食時の夏バテ食事対策
コンビニや飲食店に行くと、ついつい自分の好きなメニューだけを選びがちです。栄養バランスの悪い食事は、夏バテの一因になります。
コンビニや外食利用時に注意が必要な食べ物と、おすすめのメニューをご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
コンビニや外食で控えたい食品
夏バテ対策のために、控えたい食品を理解しておきましょう。
甘いお菓子
糖分が多いお菓子類は、胃液の分泌低下を招きます。たくさん食べ過ぎないようにしましょう。
冷たいアイスや清涼飲料水
冷たい食品や清涼飲料水は、胃液の分泌を低下させます。つい摂り過ぎてしまいがちなので、ほどほどにしましょう。
甘くて冷たい清涼飲料水やアイスクリームは食べ過ぎに注意です。水分補給は、ミネラルウォーターや無糖のお茶類・牛乳にしましょう。
コンビニや外食時におすすめの食品
夏バテ対策に役立つ栄養を含んだメニューをご紹介します。
とろろそば
食欲がないときもサッパリと食べやすいとろろそばは、栄養的にも優れています。
そばは、ラーメンやうどんに比べて鉄分やビタミンB1が豊富です。また、だしと薬味で食欲を促します。
さらに、とろろに含まれるアミラーゼという消化酵素が糖質の消化を促し、低下した胃腸の働きをサポートするのです。
枝豆
枝豆は、良質なタンパク質・ビタミンB1・鉄・ビタミンCを含み、夏バテ対策にピッタリの食べ物です。おつまみには、枝豆をチョイスしましょう。
豚肉のメニュー
豚肉は、ビタミンB1が豊富なので、お肉の気分のときには、豚肉メニューがおすすめです。ただし、豚の生姜焼きや豚丼といった単品では、野菜が不足しがちなので、サラダや野菜ジュースも合わせるとよいでしょう。
しっかりと栄養補給して夏バテに打ち勝とう!
夏バテで不調な毎日は、辛いものです。厳しい夏の暑さから体を守るには、しっかりと栄養補給する必要があります。夏バテしないために、食欲が無くても栄養補給は不可欠です。
しかし、忙しい毎日のなかで3度の食事の準備をするのは簡単ではありません。ときには、コンビニエンスストアや外食の力も借りましょう。また、手軽な栄養ドリンクもおすすめです。ぜひ、この夏はしっかりと栄養補給をして暑さを乗り切りましょう。
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