メノテックとは?
「メノテック(MenoTech)」は、女性の更年期や閉経期をあらわす「メノポーズ(Menopause)」と「テクノロジー(Technology)」をかけ合わせた造語です。
頭痛やめまい、異常な発汗、イライラや不安感といった更年期を迎える女性の心身に生じる不調や健康問題を、テクノロジーを活用した商品やサービスでサポートします。
なぜ今メノテックが注目されているのか
メノテックが注目されるようになった背景には、更年期の女性の人口増加や社会的問題、市場規模の大きさにあります。
更年期の女性をケアするアイテムが少ない現状
ここ数年、女性の健康問題をテクノロジーでサポートするフェムテックが大きな盛り上がりを見せています。
しかし、フェムテックは40歳以下をターゲットにしているため、生理中の不快感や辛さを軽減したり、妊娠中の不安を解消したりする商品やサービスが主流です。
世界では2025年までに約11億人の女性が更年期を迎えるといわれているにもかかわらず、更年期の女性に対しては十分なケアを提供できていません。
しかも、更年期は子育てや仕事、親の介護など人生の中でも多忙な時期に訪れます。女性ホルモンの分泌量が低下して更年期障害の症状に悩まされる女性の多くは、日常生活はもちろん、キャリア形成も難しくなっているのです。
大半に更年期障害の影響で生活に影響が出ている
NHKの「更年期と仕事に関する調査2021」によると、更年期症状を経験した40~59歳の調査対象者のうち、19.2%の女性が更年期症状により降格・非正規化といった雇用条件が悪化したと回答。
収入が減少した割合は16%との結果が出ています。また、女性起業家を支援するFemale Founders Fund の調査によると、更年期を迎えた回答者の78%が更年期障害の影響で生活に影響が出ていると示しています。
日本の女性の2人に1人は50歳以上となっている今、更年期障害による体や心の不調は社会や企業にとって重要視すべき健康問題なのです。
性差に配慮しながら、革新的な製品やサービスに取り組む世界的なジェンダード・イノベーションも追い風となり、更年期の女性に焦点をあてたメノテックへの注目や期待が高まっています。
出典:「The North American Menopause Society Recommendations for Clinical Care of Midlike Women」/The North American Menopause Society, “Chapter 1:Menopause”
出典:『NHK実施「更年期と仕事brに関する調査2021」結果概要 -仕事、家計への影響と支援について -』/周 燕飛 日本女子大学人間社会学部教授 毒散る行政法人労働政策研究・研修機構 客員研究員
出典:「Suffering in Silence:The Biases and Data Gaps of Menopause」/ Female Founders Fund 0ct 26,2020
出典:「人口推計- 2023年(令和5年)4月報-」/総務省統計局
65兆円超えと予測されるメノテックの市場規模
更年期を迎える女性の人口が世界的に増加しつつある中、メノテックの市場規模は65.4兆円になると見込まれています。企業にとっては、非常に大きなビジネスチャンスです。
しかし、民間企業はもちろん、国をあげて取り組みをしているところはまだ少ない状況です。今後、さらなるメノテックの活用や可能性、市場の成長に期待が寄せられています。
更年期障害はいつ訪れる?年齢による体の変化を知ろう
更年期障害は、卵巣の機能が低下し、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少して起こります。年齢による体の変化を知って、上手に付き合っていきましょう。
30代後半から40代前半のプレ更年期
エストロゲンの分泌は、20~30代前半にかけてがピークです。
しかし、30代後半からゆらぎはじめ、40歳以降は卵巣機能が徐々に低下していきます。卵巣が働きを終える閉経までには少し時間があるものの、心身に変化が起こったり、月経周期が不規則になったりします。
40代後半から50代前半の更年期
一般的に日本人の閉経は平均50.54歳で、閉経前後の5年、合計10年間が更年期です。ただし、個人差があるため40歳~60歳の女性が更年期に該当すると考えられています。
45歳を過ぎて更年期にさしかかると、女性ホルモンの分泌量が急激に減少していき、生理不順・更年期障害といった自覚症状が現れるようになります。
他にも白髪や肌の乾燥、かゆみ、肝斑(シミ)などのいわゆる老化を感じる悩みが増加。50歳頃になると多くの人は卵巣の機能が停止して、閉経を迎えます。
出典:「最近の更年期障害の管理」/昭和大学医学部産婦人科学講座 宮上景子 白土なほ子 下平和久 松岡隆 関沢明彦
出典:「更年期障害」/公益社団法人 日本産科婦人科学会
メノテックを活用した更年期ケア
更年期を快適で健やかに過ごすために、メノテックを活用してケアする方法をご紹介します。
体調をサポートするウェアラブルバンド
自分の体の状態をいち早く知って整えたいときには、腕に付けるタイプのスマートデバイスが便利です。
リアルタイムで自分の体温を測定したり、体の状態に合わせて手首を冷やして症状を落ち着かせたりと、セルフケアをしやすくなります。
汗の不快感を軽減する機能性インナー
更年期の症状では、汗が大量に出る場合があります。頻繁に肌着を交換するのは大変なので、素早く汗を吸収しながらさらりとした着心地の機能性インナーを活用すると、過ごしやすくなるでしょう。
敏感な肌にやさしい肌着
エストロゲンが減少すると肌が乾燥しやすくなり、かゆみやかぶれを引き起こしてしまいます。肌にやさしい低刺激のオーガニックコットンやシルク素材の肌着を選んで、チクチクとした不快感を減らしましょう。
年齢を重ねた肌に働きかける化粧品や育毛剤
更年期になると肌の弾力やハリが失われがちになり、髪の毛が抜けやすくなります。年齢のサインを感じたら、化粧品を変えたり、育毛剤を使ってみたりしましょう。
更年期に対応したアプリ
心も体も不安定になりがちな更年期。もしも悩みを抱えていたら、心を安定させるトレーニングや、カウンセリングでサポートを受けたりできるアプリを活用してみましょう。一人で乗り越えるのが大変なときこそ、心強い味方になってくれるはずです。
オンライン診療を利用する
更年期の症状が出て一人で解決できないときには、オンライン上で医師の診察が受けられるサービスを活用しましょう。自宅にいながら診てもらえるため気軽に利用でき、一人ひとりの症状に合わせて薬を処方してもらえます。
メノテックを活用して更年期を明るく過ごそう!
更年期はエネルギー代謝が低下するため、太りやすくなる時期でもあります。食事を減らすのではなく、体に良いカルシウムやビタミン類を十分に摂取して、定期的な運動も心がけましょう。
更年期は誰もが通る道です。あらかじめ情報や知識をたくわえておくと、万が一辛い症状が出たときに的確な対処ができ、負担を軽減しやすくなります。メノテックをうまく活用しながら、はつらつとした更年期を過ごしましょう。
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