美容×健康ライター中村里歩
元美容師で「超」がつく美容・健康マニア。試した美容法・健康法は数知れず…。経験を活かし、美意識の高い女性や、健康に悩む男性に寄り添う記事を執筆するべく活動中。
モットーは「明るく前向きに」「日進月歩」。AIに負けない、読者への愛がたくさん詰まった記事を執筆するため日々勉強中。
「バスソルトを使用すると浴槽や風呂釜を傷める」「バスソルトは肌を傷める」この考え方は誤解です。
正しい使い方や注意点、お手入れに気を配れば、浴槽や肌を傷めず使用できます。「追い焚きしてしまったからサビてしまう!?」と慌てる必要はありません。
バスソルトの使い方や注意点、追い焚き機能との関係について確認して、バスソルトを存分に楽しみましょう。
バスソルトとは、入浴剤のようにお風呂にいれて楽しめるよう、入浴のためにハーブなどアロマ成分も調合された塩です。身体をあたためたり、香りによってリラックスできたりすることから、バスタイムを楽しみたい方に注目されています。
バスソルトは「自然塩のバスソルト」と「エプソムソルト」の大きく2種類に分けられます。自然塩のバスソルトに多く用いられているのが、岩塩や湖塩です。「ヒマラヤ岩塩」といえば、一度は耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
一方、エプソムソルトは硫酸マグネシウムが主成分です。塩分は含まれていませんが、ミネラルの一種であるマグネシウムが含まれています。美容によいとされている点はどちらも同じです。
バスタイムを彩るバスソルトですが、使い方には注意が必要です。使い方を誤ると、浴槽や配管を傷めてしまったり、身体に負担をかけたりする可能性があります。
バスソルトを使用する際の注意点を「浴槽編」と「身体編」に分けて、それぞれ詳しく解説します。
バスソルトを入れた湯船は追い焚きができません。塩に含まれている「塩化ナトリウム」が、配管に使用されている金属を傷めるリスクがあるからです。
追い焚き機能はお風呂の水を吸い込んで給湯器へ運び、あたためてから浴槽へ戻す仕組みです。したがって、追い焚きをおこなうと塩化ナトリウムが溶けた水が配管を何度も通ることになります。配管が傷んでサビてしまうと、穴が開いて水漏れを引き起こす可能性があるのです。
追い焚きをしたい場合は、塩化ナトリウムが含まれていないエプソムソルトを選びましょう。エプソムソルトは塩分が含まれていないため、配管を傷める心配がありません。
バスソルトを入れた後に追い焚きしてしまったときは、なるべく早く排水することが大切です。排水した後は浴槽に再びお湯をはり、追い焚きをしましょう。きれいな水を循環させることで、配管内に残っている成分を排出します。
バスソルトに用いられている天然塩は、天然ゆえに砂や石などの異物が混入している場合があります。これらの異物は、浴槽を傷つける原因になります。
混入異物から浴槽を守るためにも、天然塩のバスソルトはガーゼやネットで包んでお湯に入れるのがおすすめです。ネットが付属しているものや、あらかじめ異物を除去しているものを選ぶと便利です。
続いて、身体の負担を考慮したバスソルト使用時の注意点を解説します。ポイントを押さえてバスソルトを存分に楽しみましょう。
一般的な浴槽の湯量・150~200Lに対し、天然塩のバスソルトの場合は30~50g、エプソムソルトは150~200gの使用量が適切です。天然塩のバスソルトを入れすぎると塩分濃度が高くなり、肌に負担をかけてしまうので注意しましょう。敏感肌の方は、推奨量よりも少なめに入れて徐々に調節すると安心です。
自然塩のバスソルトは入れすぎに注意が必要です。逆に、エプソムソルトは「入れなさすぎ」に気をつけなければなりません。米国エプソムソルト協議会は「エプソムソルトは湯量に対して0.1%以上を入れるとよい」と提唱しています。エプソムソルトを堪能するためにも、0.1~0.2%を目安にしましょう。
バスソルトを入れたお風呂は身体がよくあたたまります。体があたたまると汗をよくかき、身体の水分がどんどん失われます。脱水症状にならないためにも、入浴の前後はコップ1杯の水分補給を忘れずにおこないましょう。
半身浴でリラックスしたいときは、入浴中も水分補給ができるようペットボトルやタンブラーを持ち込むなど対策しましょう。
ぐっすりと眠りたい方は、就寝の2時間前までに入浴をすませましょう。40℃前後の熱すぎない湯船にゆっくりつかりましょう。一時的に上がった体温が徐々に下がりはじめ、就寝時間にちょうどよい眠気が誘発されます。
寝る直前にバスソルトを入れた熱いお風呂に入るのはNGです。身体があたたまりすぎてしまい、交感神経が活発に働き興奮状態になってしまいます。入浴後になかなか寝付けないと悩んでいる方は、入浴時間を見直してみましょう。
お風呂を傷めないためには、バスソルト使用後のお手入れが非常に大切です。気をつけたいポイントと手軽にできる配管掃除の方法を紹介します。
配管汚れによるサビを避けるために、月1回以上の定期的な配管掃除をおこないましょう。具体的な方法を紹介します。
1.循環口のフィルターをはずし、40℃前後のお湯を循環口の上まで溜める
2.過炭酸ナトリウム200~300gをお湯に入れる
3.追い焚きの温度をできるだけ高温に設定し、追い焚きをおこなう
4.追い焚き後は1時間程度つけ置きする
5.お湯を抜き、再度水をためて追い焚きをおこなう
6.浴槽やフィルターをよく洗う
4のタイミングで洗面器やイス、おもちゃを一緒につけ置きするのもよいでしょう。石けんカスの汚れや垢が落ちて一石二鳥です。
バスソルトを使用したあとはすぐに排水し、水でよく洗い流しましょう。そのままにしておくと、色がうつったりサビの原因になったりしてお風呂を傷めてしまう原因になります。浴槽のふちや循環口、排水栓は忘れがちな箇所です。サビがつきやすいので忘れず洗い流しましょう。
浴槽だけでなく、浴室の鏡・壁・床・蛇口も一緒に洗い流すのも忘れてはいけません。お湯がはねて飛び散っている場合があります。水洗いでもよいですが、やわらかいスポンジや布を使用して洗い流すとよりお風呂場をキレイに保てます。
最後に、バスソルトの使い方と注意点をおさらいします。
「バスソルトは浴槽を傷める」といった偏ったイメージをもつ方は少なくありません。しかし、正しい使い方を知っておけば、配管や浴槽を傷めることなく使用できます。
注意点に気を配り、正しい使い方でバスソルトを存分に堪能してみてください。
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