年齢を重ねるごとに変化するお肌に、エイジングケアを

ふとした瞬間に気になる肌の変化…「肌の乾燥やくすみ」「フェイスラインの変化」「乾燥によるシワ」に気づいていますか？
紫外線や外気に負けず、毎日がんばっている私たちの肌ですが、一般的には30歳ごろから肌の代謝に変化が生じると言われています。
30歳を過ぎてから「なんだか肌のハリを感じない」「乾燥やシワが気になる」と感じはじめたら、エイジングケア（※）を意識したお手入れを考えはじめてみましょう。

※エイジングケアとは「年齢に応じた肌のお手入れやサポート」全般

年齢とともにお肌の状態が変化する理由

人間の皮膚は外側から順番に、皮膚膜や角質層等から形成される「表皮」・乳頭層と網状層から形成される「真皮」・最下部にある「皮下組織」で構成されています。
角質層の細胞が十分にうるおっている状態の皮膚は、キメが整って若々しい印象を与えてくれます。
反対に角質層のうるおいが十分でないと、肌のバリア機能が失われ、疲れた印象の肌印象になってしまうのです。

紫外線ダメージの蓄積

太陽からふりそそぐ紫外線の中でもUV-AとUV-Bの2種類の光は、オゾン層を通過して地上まで降り注ぎます。
とくにUV-Aは肌に蓄積ダメージを与える紫外線で、表皮を黒くさせる効果があります。
さらに肌の真皮にまで到達して活性酸素を発生させ、シワやたるみの原因になってしまうのです。
年齢を重ねるごとに少しずつ肌に蓄積する紫外線ダメージは、肌の内側から光老化を引き起こすため、注意すべき存在といえます。
日々の紫外線ケアで、しっかりとダメージを防いでいきましょう。

乾燥

角質層のうるおいを守るために、人間の皮膚のいちばん外側に位置しているのが「皮脂膜」です。
皮脂膜は空気が乾燥している状態下では機能を保てず、角質層の水分の蒸発を防げません。
また乾燥した空気の中では、角質層の中で水分を保持する役割の天然保湿因子が減少してしまいます。
保湿因子を失った肌は水分を保持できなくなり、うるおいが失われた乾燥肌は、あなたの肌を年齢以上の印象にしてしまうかもしれません。
エイジレスな肌を目指したいのなら、保湿や加湿を徹底して皮脂膜や角質層をベストな状態に保つよう心がけましょう。

加齢にともなう肌機能の低下

紫外線ダメージや乾燥をどんなに防いでいても、年齢を重ねるごとに体の内側から肌の変化が起こります。
とくに新陳代謝の低下や皮脂の分泌量の減少、そして皮膚が老化によって薄くもろく変化していくのは、年齢とともに誰にでも起こる現象です。
体の内側から変化する肌に向き合い、年齢にあわせたケアをおこなっていきましょう。

肌の変化を感じたら、エイジングケアをはじめよう。

鏡に映る自分の肌やメイクのノリに変化を感じたら、エイジングケアをはじめるサインかもしれません。
毎日の生活習慣を見直してエイジングケア商品をライフスタイルに取り入れることで、あなたの肌がもつ本来の美しさを輝かせられるようにサポートしてあげましょう。

参照：病気がみえるvol.14皮膚科
MEDIC MEDIA／2020年発行

参照：紫外線／環境省

参照：紫外線の肌への影響／日本化粧品工業会

エイジングケアのポイント

年齢に応じて肌の機能をサポートするエイジングケアですが、単純にエイジングケアを謳（うた）う美容液やサプリメントを使うだけでは満足できない方も多いのでは。
エイジングケアにあわせた成分が配合された、美容液やサプリメントを毎日のケアに取り入れてみませんか。また、ライフスタイルを見直して、健やかで若々しい肌を目指していきましょう。

毎日の紫外線ケア

紫外線は太陽から発せられる光の一種で、個人差はあるものの肌に影響を与える光線です。
肌の内部にまで届いて、シワやたるみを促進したり、シミやそばかすを生成する働きが、健康面からも、肌ケアの観点からも注目されています。
紫外線は日差しの強い夏以外にも地球に降り注いでおり、とくにUV-Aはカーテンや窓ガラスをも通り抜けて私たちの肌に降り注ぎます。
室内であっても「毎日日焼け止めを塗る」「外出する際は日傘や帽子を活用する」「長袖を着用する」方法で、紫外線によるダメージを最小限にとどめる積み重ねが大切です。

正しい生活習慣と食生活

私たちの肌は、細胞分裂によってつくられています。
睡眠時間や運動時間が不足していたり不規則な生活を送っていると、細胞の分裂が促進されずに新陳代謝の乱れが生じてしまうのです。
健康的な肌を目指すために、健康的な生活習慣を意識してみましょう。
また細胞が分裂する際に必要となる栄養素を、正しい食生活で摂取するのも大切です。
とくにエイジングケアを考える中で、甘味料や糖分の過剰摂取は避けたほうがよいとされています。
良質な栄養素となるたんぱく質・ミネラル・ビタミン類の摂取を意識してみるといいでしょう。

無理なエイジングケアは続かない

毎日1時間以上のお手入れが必要なスキンケア方法や、食事制限を伴うなど規定が厳しいサプリメントを続けるのは、難しい方も多いでしょう。
エイジングケア商品をライフスタイルに取り入れるときは、自分が無理なく続けられる使用方法であるかを、必ずチェックしてからにしましょう。
また自分の肌質にあわない化合物などが過剰に配合されていないか、チェックする必要があります。
毎日続ける積み重ねが大切だからこそ、負担が少ない商品を選ぶと良いでしょう。

お悩みにあわせたエイジングケアをサポートする成分を取り入れる

一口にエイジングケアといっても、お肌に表れている悩みは人によって異なります。
あなたの肌にあらわれたエイジングサインを確認して、悩みに合わせサポートする成分をスキンケアに取り入れると、健康的な肌への第一歩につながりますよ。

エイジングケアを助ける成分を、正しく理解しよう

エイジングケアは一人ひとりの悩みにアプローチする成分を、正しい方法で取り入れるのが重要です。あなたの悩みにアプローチする成分をチェックして、理想の肌を目指しましょう。

乾燥によるくすみが気になるあなたは、保湿重視のスキンケアがおすすめ

肌の角質層にうるおいが足りなくなると、乾燥による「カサカサ感」や「くすみ」など疲れ顔の印象になります。
角質をしっかりと保湿する成分を化粧水や美容液で取り入れましょう。

ペプチド

ペプチドは、ふたつ以上のアミノ酸が結合してつながった成分です。 同じアミノ酸の結合物質であるたんぱく質よりも、体内に吸収されやすく、現在では化粧品原料として100種類以上のペプチドが登録されています。
とくにヒトオリゴペプチド-13やヘキサペプチド-11、肌のバリア保護の補修をサポートするオリゴペプチド-6が、近年注目を集めています。
また、ペプチドはエイジングケアのサポートでもっとも注目度が高い成分です。

レシチン

レシチンは卵黄や大豆、酵母やカビ類などに含まれるリン脂質の一種で、人間の体内に存在するリン脂質としては最も多い成分です。
他の脂質と異なりエネルギー源になるだけでなく、レシチンは人間の体を構成する約60兆個といわれる細胞のすべての細胞膜を構成している主成分。リン酸・コリン・グリセリン・脂肪酸の4つの要素で構成されています。
リン酸とコリンは親水性で水になじみやすく、グリセリンと脂肪酸は親油性で油になじみやすいため、どちらともなじみやすいレシチンは水と油を混ざり合わせる乳化作用を持っています。乳化作用によってみずみずしいハリのある肌を保つ効果を期待できるでしょう。

年齢とともにシミが気になる方は、スキンケアとサプリでしっかりとケア

シミは、紫外線ダメージが蓄積した結果、肌に表れる色素沈着です。
生まれたての赤ちゃんにはシミひとつなく、若々しい肌をしています。やがて年齢とともに少しずつ肌の表面に沈着していくシミは、肌を年齢以上に老けて見せるひとつの要因となってしまうのです。
シミのエイジングケアは、内側から肌のターンオーバーに働きかける「インナーケア」と、日焼けによるシミ・そばかすを防ぐ「外側からのアプローチ」があります。

ビタミンC

「シミといえばビタミンC」のイメージをお持ちの方も多いでしょう。 ビタミンCは、日焼けによってできるメラニン色素の生成を防ぐ効果があるため、日焼けによるシミケアでは重要な成分です。
ビタミンCは食事やサプリメントから体内に摂取できます。「ビタミンＣ誘導体」や「即効型ビタミンC」を配合した化粧水や美容液を使う方法もあります。体の内側と外側から、ビタミンCを取り入れていきましょう。

L-システイン

L-システインは合成アミノ酸の一種です。爪や毛髪、肌の角質層のたんぱく質内に、多く存在しています。
毛髪や皮膚、爪の健康を維持するのに必要なタンパク質「ケラチン」を生成する働きのほか、日焼けによってできるメラニン色素の生成を予防する役割を担っています。
年齢とともに日焼けによるシミが増えてきたと感じている方は、L-システインに注目してみましょう。

ゲンチアナ根エキス

ゲンチアナ根エキスは、リンドウ科植物ゲンチアナの根や茎から抽出されたエキスを用いたエイジングケアをサポートする成分です。
ゲンチアナ根エキスはメラニン色素を合成を活性化する幹細胞増殖因子（SCF）の発現を抑制する効果があり、シミの原因となりやすい日焼けによるメラニン色素の発生を防ぐ効果があると考えられています。
ゲンチアナ根エキスが配合された美容液を、スペシャルケアとして取り入れてみましょう。

参照：ペプチド入り化粧品が世界的トレンド?／週刊粧業

参照：ペプチドとは／東邦大学

参照：講座大豆リン脂質と乳化／山野善正

参照：化粧品成分用語事典2012／鈴木一成
中央書院、2012年

参照：生薬単＜改訂第3版＞／伊藤美千穂
丸善雄松堂、2017年

参照：公開特許公報／日本国特許庁