管理栄養士ライター高村恵美
12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。
喉が乾燥してイガイガする時は、食べ物が食べられず辛いものです。早く回復するためには効率的な栄養補給が必要になります。しかし、喉に刺激になる食べ物を摂ってしまっては逆効果です。今回は、喉が痛いときに避けるべき食べ物や喉に優しく効果的な食べ物をご紹介します。喉が痛いときでも食べやすく、ケアにおすすめのレシピも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
喉が痛いときには、喉を潤し、乾燥させないことが大切です。また、喉の粘膜を刺激する以下のような食品は避けましょう。
辛い食べ物は、喉粘膜を傷つけ、せきの原因になります。
例)唐辛子・カレー粉・わさび・こしょうなど
カフェインは、消化器に刺激を与えるので、喉が痛いときは避けたほうがよいでしょう。
例)コーヒー・エナジードリンク・紅茶・抹茶など
酸味が強い食品は、喉の粘膜を刺激して痛みを強めるため、喉が痛いときは避けたほうがよいでしょう。
例)レモン・梅干しなど
炭酸飲料は、喉粘膜に刺激を与えます。喉が痛いときは避けたほうがよいでしょう。
アルコールは、喉粘膜に刺激を与えます。また、アルコールを分解するために多くの水分を要するため、喉の乾燥を招き、炎症を促すのです。喉が痛いときは控えたほうがよいでしょう。
温度が熱すぎる・冷たすぎる・味が濃い食品は、喉の負担になります。常温またはぬるめにして、薄味を意識しましょう。
喉が痛いときは、食べ物を飲み込むのも辛いですが、栄養補給は大切です。喉のケアに効果的な食べ物で栄養補給しましょう。
レンコンは、喉の乾きや痛み・炎症・せき・痰の改善に良いとされています。喉に優しい食材です。
大根の辛み成分“イソチオシアネート”は、抗菌・殺菌作用があります。(刺身に添えられる“つま”は、食中毒予防に効果的です。)
イソチオシアネートは、大根の細胞を壊したときに酵素の働きによって作られます。そのため、大根おろしや細かく刻んだ料理がおすすめです。
また、加熱をすると酵素の働きが失われるため、イソチオシアネートは産生されないと考えられています。喉が痛いときは、生のまま食べるのがおすすめです。
昔から喉の痛みには、“焼いたねぎをタオルに包んで喉に巻くのが効果的”だといわれています。もちろん、食べるのもおすすめです。ねぎの辛み成分“アリシン”は、血行を促し、疲れの素である乳酸を分解する働きがあります。
ねぎの青い部分は、ビタミンやミネラルが豊富で風邪予防におすすめです。
かぼちゃは、のどや鼻の粘膜を保護する“ビタミンA”が豊富です。ビタミンAは、油との相性が良いため、バターやオリーブオイルを使った料理などがよいでしょう。
あんずは、喉の痛みやせき・痰の改善に良いといわれています。喉に優しい果物です。
柑橘類は、皮に栄養がギュッと詰まっています。皮ごとまるかじりできるキンカンは、栄養価が高く、抗菌作用があります。のどの痛みやせきに効果的です。
はちみつは、子どもに対する実験において、口腔粘膜の炎症予防やせきの軽減に効果的であることが実証されています。保湿効果もあるため、喉を潤したいときにおすすめです。
ただし、1歳未満の子どもが食べると乳児ボツリヌス症を引き起こす危険性があるため、はちみつの使用は1歳以上からにしましょう。
ハッカは、のど飴にもよく使用されており、炎症やせきに効果的です。
喉が痛いときにも食べやすく、喉に効果的なレシピを5つご紹介します。
レンコンは、そのままだと喉に引っかかって食べにくいですが、すりおろして汁物にすることで食べやすくなります。
【材料】(作りやすい分量)
● レンコン 50g
● だし汁 2カップ
● みそ 大さじ1
● おろししょうが 適量
● 青ネギ(小口切り) 適量
【作り方】
1. レンコンは皮をむき、水で洗ってからすりおろします。
2. 鍋にだし汁を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして、1)を加えましょう。
3. とろみが出てきたら、みそを溶かし入れて味を整えます。
4. お好みで、おろししょうがと青ネギをのせたら完成です。
栄養たっぷりのスープです。ぬるめにして頂きましょう。
【材料】(2人分)
● かぼちゃ(種を取り除いたもの)100g
● 玉ねぎ 25g
● 牛乳 250ml
● バター 5g
● 小麦粉 大さじ1/2
● 塩 小さじ1/2
【作り方】
かぼちゃは、皮をむき、1cm角に切ります。電子レンジで600W2分加熱ほど加熱し軟らかくしておきましょう。
玉ねぎは、繊維を断つように薄切りにします。
鍋を火にかけバターを溶かし、玉ねぎを加え炒めましょう。色が透き通ってきたら小麦粉をふりかけ、すぐに炒め合わせます。
ダマにならないように、少しづつ牛乳を加えながら混ぜましょう。
1)のかぼちゃを加え、1分~2分ほど加熱したら火を止めます。
粗熱が冷めたら、ミキサーなどでポタージュ状に攪拌したら完成です。
温・冷どちらでも楽しめるデザートです。
【材料】(1人前)
● キンカン 45g
● 白ワイン 60g
● 水 90g
● はちみつ 15g
【作り方】
1. キンカンはよく洗ってから縦半分に切って、種を取り除きます。
2. 小鍋に材料を全部入れて、15分~20分ほど煮詰めたら完成です。
喉が痛いときにおすすめのシロップです。もちろん漬けた大根も食べられます。
【材料】(作りやすい分量)
● 大根 約3cm
● はちみつ 適量
【作り方】
1. 大根は皮をむき、1cmのサイコロ状に切ります。
2. タッパーや瓶などに1)を入れ、大根の半分が浸る程度まではちみつを回しかけましょう。
3. 冷蔵庫に入れ、一晩放置します。
4. 大根から水分が出て汁気が多くなっているので、かき混ぜたら完成です。
長期保存には向きません。保存は冷蔵庫で2~3日が目安です。
スーパーで手に入りやすいドライフルーツのあんずを使って簡単に作れるジャムです。
【材料】(作りやすい分量)
● あんずのドライフルーツ(ドライアプリコット) 100g
● はちみつ 10g
● 水 150ml
【作り方】
1. 鍋にあんずのドライフルーツと水を入れて、やわらかくなるまで放置します。(3時間から一晩ほど)
2. 弱火にかけて煮詰め、はちみつを加えましょう。
3. やわらかくなったら、火を止めてミキサーやブレンダーでペースト状にしたら完成です。フォークで潰してもよいでしょう。
冷蔵庫保存で、2~3週間ほど日持ちします。
お湯に溶いて、あんずティーにしたり、ヨーグルトに混ぜて食べるのがおすすめです。
喉が痛いときは食が進まないでしょう。ですが、早く回復するには栄養補給が大切です。そんなときに元気を出そうと思って、カフェインの多いエナジードリンクやお酒を飲んでしまっては、喉にさらなる刺激を与えてしまいます。喉が痛いときは、刺激物は控え、常温・薄味を心がけることが重要です。
今回、ご紹介した食べ物・レシピを参考に喉に優しい食事を摂って、いち早くいつもの生活を取り戻しましょう。
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