今までの生活に赤ちゃんのお世話が加わり、さらに離乳食の支度が必要な離乳期は、ママの負担が増えて大変な時期です。一体いつからいつまで離乳食は必要なのでしょうか?また、新米ママにとっては、「果物はいつからいいの?」「うどんやパンは?」「ごまは?」「きのこは?」など疑問が絶えないことでしょう。
今回は、離乳食のざっくりとしたスケジュールをお伝えして、離乳食初期の進め方・OK食材や注意点について解説します。
離乳食はいつからいつまで必要?
大人用の食事の支度に加えて、毎日離乳食を用意するのは簡単ではありません。この離乳期は、いつからはじまり、いつまで必要なのでしょうか。
そもそも離乳食の目的って何?
離乳食の目的は、“母乳やミルクをやめること”ではありません。赤ちゃんの成長にともなって、乳汁だけでは栄養が足りなくなるため、食べ物から栄養を補う必要が出てくるのです。離乳食の目的は、つぎの4つがあります。
● 栄養補給
● 消化器官を発達させる
● 噛む練習
● 食べ物に対する好奇心を育み、自分で食べる力を育てる
5~6カ月頃からスタートし、1歳~1歳6カ月頃を目安に完了する
生後5~6カ月頃から、乳汁だけではタンパク質や鉄分が補いきれなくなってきます。そのため、乳汁以外の食べ物から栄養を補給する練習をスタートさせるのです。1歳~1歳6カ月頃には幼児食に移行します。
離乳食をスタートさせるタイミングの見極め方
離乳食開始の目安は5~6カ月ですが、赤ちゃんの成長には個人差があります。赤ちゃんをよく観察して、つぎのようなサインがいくつか出てきたら離乳食のはじめどきです。
● 授乳のリズムが3~4時間に安定してきた
● 首がしっかりとすわった
● 寝返りができる
● 5秒くらいおすわりができる
● 誰かが食べるのをジーッと見つめるなど、食に興味を示す
● 唇にスプーンをあてても舌で押し返さない
離乳食のスケジュール(初期・中期・後期・完了期)
離乳食のスケジュールのおおまかな流れを把握しておきましょう。
参照:「離乳食スケジュール」/厚生労働省
離乳食初期の進め方・母乳やミルクはどうする?
離乳開始後1カ月くらいは、今まで“飲む”だけだった栄養補給から、“食べる”ことに慣れるために「食べものを飲み込むこと」を練習する時期です。ペースト状の食べ物からはじめます。
味付けは必要なし
調味料は使わず、出汁など素材の味を活かします。
食材は段階的に増やす
つぶし粥からはじめて、次に軟らかく煮てペースト状にした野菜や果物を試します。慣れてきたら、つぶした豆腐や卵黄・白身魚なども試していきましょう。
少し後ろに傾けるのがコツ
食べさせ方は、膝に赤ちゃんを抱いて、姿勢をやや後ろに傾けると食べさせやすいです。
母乳やミルクは、欲しがるだけ飲ませよう
まだまだ、栄養の大部分は母乳や育児用ミルクから補給する時期です。離乳食を始めたからといって、母乳や育児用ミルクをやめる必要はありません。離乳食のあとに授乳のリズムに沿って、赤ちゃんが欲しがる分だけ与えましょう。
離乳食初期の食材と調理法
離乳食初期に適している食品と調理方法をご紹介します。
初めての離乳食は「10倍粥」を
つぎのような理由から、お米は初めての離乳食に最適です。
● アレルギーが起きにくい
● 甘味がある
● 調理がしやすい
● ほどよくトロミがつく
はじめは、飲み込みやすいようにすり潰して与えます。飲み込むのが上達してきたら、少しずつ水分を減らしていきましょう。
お粥が苦手なお子さんには無理して与える必要はありません。ほかの野菜などでもOKです。
離乳食初期(5~6カ月頃)の食材の目安
炭水化物の補給源となる「穀類」、ビタミンやミネラルの補給源となる「野菜」「果物」、タンパク質の補給源となる「タンパク質食品」に分けて見ていきましょう。
【穀類】
● 米(10倍粥をペースト状につぶす。慣れてきたらつぶし方を粗めにしていく)
● パン(ちぎった食パンに野菜の出汁や育児用ミルクを加えて粥状にする)
● いも・さつまいも(茹でて、つぶし、ゆで汁でペースト状にする)
● 麺類(塩分が含まれているので、茹でたあとによく洗い、細かく刻んで出汁で煮る)
【野菜】
つぎの野菜は、軟らかく煮てペースト状につぶしてから与えましょう。
● にんじん
● かぼちゃ
● かぶ
● 大根
● トマト
● ほうれん草の葉先
● ブロッコリーのつぼみの部分
● 玉ねぎ
● 白菜
● キャベツ
【果物】
つぎの果物は、軟らかく煮てペースト状につぶすか、すりおろして加熱してから与えます。
● りんご
● バナナ
【タンパク質食品】
● 豆腐(茹でたものをすり潰してペースト状にする)
● きなこ(お粥やマッシュポテトなどに混ぜる)
● 白身魚(加熱してよくつぶし、粥などに混ぜるかトロミをつける)
● しらす干し(茹でて塩分を抜いてすりつぶし、粥などに混ぜるかトロミをつける)
● 卵黄(固茹でにしたものをつぶして、粥などに混ぜて使う)
離乳食初期に気を付けたいポイント
赤ちゃんが、安全に「食」への親しみを深めていけるように注意すべきポイントを押さえておきましょう。
加熱が必須
赤ちゃんは抵抗力が弱いので、1歳頃までは加熱した食品を与えましょう。
とくに母乳中心の赤ちゃんは「鉄欠乏性貧血」に注意
赤ちゃんは、体内に鉄分をストックして生まれてきます。しかし、生後6カ月ほどで体内の鉄分はほとんどなくなってしまうため、鉄欠乏性貧血になりやすいのです。
育児用ミルクには鉄分も添加されていますが、母乳では不足しやすいので注意しましょう。
WHO(世界保健機関)では、食べ物から栄養をしっかり補完するために、日本の目安よりも早い時期(生後6カ月頃から)次の食事スタイルにするように推奨しています。
● 生後6カ月頃から2回食にする
● 主食は5倍粥程度に
● 鉄分補給のために赤身の魚や肉も与える
鉄分は、ビタミンCとの相性がよいので野菜や果物も組み合わせてあげましょう。
初めて食べる食品は「一日1種類・1さじずつ」
食物アレルギーの心配があるので、初めて食べる食品は、「一日1種類・1さじずつ」を守りましょう。大量に与えてしまうと、万が一アレルギーを発症してしまった場合に、アレルギー症状が強く表れてしまいます。また、新しい食品を1種類に留めれば、アレルギーの原因食品の特定がしやすいです。
赤ちゃんの機嫌がよく、病院に行きやすい午前中にチャレンジしてみるのがおすすめです。摂取後2時間ほど様子を見て、異変がなければ次回からは増量していきます。
とくに、赤ちゃんが食物アレルギーに注意したい「卵」「乳製品」「小麦」は、ごく少量から与えましょう。野菜や魚・肉は、比較的アレルギーが起こりにくいので、あまり神経質になる必要はありません。
1歳までは、はちみつは使わない
1歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べると、はちみつに含有されているボツリヌス菌によって、乳児ボツリヌス症にかかるおそれがあります。はちみつの使用は、1歳を過ぎてからにしましょう。
赤ちゃんは、成長に必要な栄養を補うために、“飲む”だけでなく“食べる”術を身につける必要があります。その練習期間に食べる食事が「離乳食」です。
5~6カ月頃になると、乳汁だけでは鉄分などの栄養が足りなくなってきます。そのため、この時期から離乳食をスタートし、少しずつ固形物から栄養を補給できるようにステップアップしていくのです。
まだまだ、未熟な赤ちゃんの離乳食の支度は注意点も多く大変ですが、便利なベビーフードなども利用しながら上手に乗り切っていきましょう。
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