ツボは疲労回復に欠かせない、健康のバロメーターです。手や足、背中、顔といった全身に点在しています。体の部位に不調や不安感がある場合には、押してみたり、お灸をのせたりする方法があります。
肩をはじめとする全身にアプローチしたいとき、どんよりとした頭重感があるとき、元気がなくて食欲低下気味のときなど、シーン別に対応する箇所は違ってきます。詳しい場所や押し方を確認してみましょう。
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疲労回復にツボ押し?不調へのメカニズムをまず解説
ツボ押しで疲労回復できるといわれている理由は、ツボが不調を察知するバロメーターになっているためです。
東洋医学の考え方によると、心身の健康には「気」「血」「水」の良好なバランスが欠かせないといわれています。なかでも元気や活気など、健康をイメージさせる「気」は、生命のエネルギーそのものです。
まさに健康を司っている部分であり、心身の状態に直結します。気の状態を反映し、トラブルを察知すると不調をきたすのが「ツボ」なのです。健康を計るツボを押すと違和感があるときは、心身がお疲れ気味と考えられるでしょう。
「手や足の疲労回復によいツボ」といった概念がある通り、ツボにはそれぞれ対応する身体のパーツがあります。ツボは不調を察知するだけでなく、刺激するとペアになっているパーツの不調にアプローチでき、疲労回復につなげられるメカニズムになっているのです。
疲れたらココ!全身の疲労回復におすすめのツボ3選
仕事や家事、子育てに追われるなど、現代人は何かと疲れやすい状況におかれています。マッサージに行ったり、疲れのケアに十分な時間がとれないシーンも珍しくありません。
「ちょっと疲れたかも…」と思ったときにセルフで手軽に押せる、手と頭、足の万能ツボを3つチェックしてみましょう。
手にある万能のツボ「合谷(ごうこく)」
定番の万能ツボが「合谷(ごうこく)」です。首や肩をはじめとする、主に上半身の疲労回復によいといわれており、気分をリフレッシュしたいときにも向いています。全身に何百とあるツボのうち、脳への刺激がダイレクトに届くツボとしても有名です。
「合谷(ごうこく)」の場所
場所は、手の親指と人差し指の骨が交わる部分です。親指と人差し指が出会う場所といった意味を持ち、手をパーにすると谷のごとく凹むため合谷と名付けられています。片方の親指と人差し指で挟む形をとって、親指で円を描くようにグリグリと押してみましょう。
頭のてっぺんにある「百会(ひゃくえ)」
ヘッドスパやヘッドマッサージでよく刺激されているのが「百会(ひゃくえ)」。肩や肌の不調のほか、頭重感があるときに押してほしい頭のツボです。リラックスタイムにぴったりのため「疲れすぎて眠れない…」とお悩みの方も、ぜひ刺激してみてください。
「百会(ひゃくえ)」の場所
場所は、頭頂部のほぼ真ん中である頭のてっぺんです。左右の耳を結ぶラインと、眉間の真ん中からてっぺんに向かってのばしたラインが交わる部分にあります。両手の中指を立ててじわっと刺激するほか、お灸をのせてのアプローチにもうってつけです。
気力が湧く足のツボ「湧泉(ゆうせん)」
全身のスタミナ不足に向くツボが「湧泉(ゆうせん)」です。不調に対応するツボが複数ある足裏に位置し、身体のだるさや重さによいとされています。字のごとく気力の湧くツボといわれているため、足を酷使しすぎたあとの疲労回復にも好適です。
「湧泉(ゆうせん)」の場所
場所は、足の人差し指と中指の骨の間です。土踏まずのやや上にあるため、少し凹んでいるのを目安に探してみましょう。あぐらをかいて座り、両手の親指を使ってじんわり圧をかけてみてください。うまく押せない方は、ゴルフボールを踏みながら刺激するのも一手です。
デスクワーク後に!頭重感におすすめのツボ
どうしようもない疲労のひとつが、頭が重い・どんよりするといった感覚ではないでしょうか?頭に不調があるとぼんやりして集中力を失いやすく、パソコン作業が多い方のなかには、肩や背中に違和感があるケースも少なくないでしょう。
「疲れ果てて頭が重い…」そんな頭重感向けのツボを3つ紹介します。
頭重感によるぼんやりに「天柱(てんちゅう)」
頭だけでなく、肩までどんより重いときに刺激したいのが「天柱(てんちゅう)」です。頭を支えるといわれる、頭部のツボとして重要な役割を果たします。「上半身の血流が滞っているかも」「頭重感でぼんやりしてしまう…」そんな方は、ぜひ押してみてください。
「天柱(てんちゅう)」の場所
場所は、首のうしろに通っている2本の太い筋の両外側です。後頭部・髪の生え際にあり、首を前にグッと突き出すと探しやすいでしょう。押し方は、天柱に親指をはめこみ、四指で頭を抱えるようにしてください。頭を持ち上げる感覚で刺激するのがコツです。
肩の張っている感にも「風池(ふうち)」
後頭部を締め付けられる頭重感なら「風池(ふうち)」を刺激してみてください。「池」は「溜まるところ」を意味するため、邪気が入ってくるところといわれるツボです。「風邪っぽい?」と思うときの、肩の張っている感じにも向くでしょう。
「風池(ふうち)」の場所
場所は、天柱のやや外側です。生え際のラインにあるのは同じく、耳の後ろの骨から指2本分ほど外側にあります。刺激の仕方も天柱のときと同等ですが、押しにくい場合は、頭の方をやや後ろに倒して指の圧を感じやすくするのがおすすめです。
どんより重い頭に「太陽(たいよう)」
パソコンの画面や小さい文字をよく読む方に覚えておいてほしいのが「太陽(たいよう)」です。「陽」は陽気が盛んな様を表し、興奮状態が招く頭痛に向くといわれるツボです。頭がずんと重い感覚のほか、肩に違和感があるときにも押してみましょう。
「太陽(たいよう)」の場所
場所は、こめかみのすぐそばです。目尻と眉尻をつないだ中間地点の、指1~2本分外側にあります。触れると凹んでいて、やや刺激を感じるでしょう。押し方は、両手の中指をあてがい、内側に向けてじわじわ圧を加えていってみてください。
バテやすい人必見!食欲不振におすすめのツボ
「疲れると食欲が落ちやすい」そんな方も少なくないのではないでしょうか?疲労回復にはマッサージも大切ですが、きちんと栄養補給できるコンディションの維持が欠かせません。
食べる元気を養うための、食欲不振にアプローチするツボを3つチェックしてみましょう。
楽しく食事したいなら「中かん(月へんに完)」
「そもそも食欲があんまりわかない…」といった方におすすめなのは「中かん(月へんに完)」です。食欲不振や胃腸が疲れているときによいとされるツボで、めぐりをスムーズに整えてくれます。楽しく食事できる状態にもっていきたい方は刺激してみてください。
「中かん(月へんに完)」の場所
場所は、おへそから指5本分ほど上です。おへそとみぞおちのほぼ中間地点にあり、食欲不振の方は押すと違和感があるかもしれません。押し方は、満腹時を避け、指でやさしく圧をかけるのがコツです。カイロやお灸であたためるだけでもよいでしょう。
足を乗り切るための「足三里(あしさんり)」
バテやすく、食欲が落ちやすい方は「足三里(あしさんり)」に目を向けてみてください。夏を乗り切るためのツボともいわれており、刺激すると食欲がわいてくると伝えられています。冷えやすく、おなかにトラブルを抱えやすい方もぜひ押してみましょう。
「足三里(あしさんり)」の場所
場所は、両膝のお皿の下周辺です。膝の外側にあるくぼみの、指4本分下にあるため探してみてください。四指で膝裏に手を入れる形にして、親指で刺激するのがおすすめです。よりしっかり押したい場合は、ゴルフボールを使って圧を加えても構いません。
パートナーに押してもらいたい「胃兪(いゆ)」
「胃のあたりを触るのは気持ち悪い…」「セルフで押す気力もない」といった場合は、背中にある「胃兪(いゆ)」を押してみましょう。胃周辺がどんより重い、かつ食欲が低下しているときに好適なツボで、めぐりをサポートしてくれるといわれています。
「胃兪(いゆ)」の場所
場所は、骨盤の上部からスタートして指5本分上です。背骨の左右、指2本分外の位置を目安にしてください。家族やパートナーに押してもらうなら、うつぶせになって親指で刺激してもらいましょう。こぶしを背中にまわすとセルフでも刺激できます。
身体が冷えやすく、血行が滞りやすい方にはお灸による疲労回復にも挑戦してみてください。ツボにのせるとじんわりあたたかく、肩や背中、腰の違和感にはたらきかけるとともに、めぐりを整えてくれます。指で押すのは疲れるけれど、ゴルフボールなどのグッズを使うと刺激が強すぎる方にも、楽に優しくじんわりと刺激を与えてくれます。
近年では火傷しにくく、香りのよいアイテムもたくさん出回っています。ツボ押しやお灸のデビューには、手頃でぴったりです。
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