美容×健康ライター中村里歩
元美容師で「超」がつく美容・健康マニア。試した美容法・健康法は数知れず…。経験を活かし、美意識の高い女性や、健康に悩む男性に寄り添う記事を執筆するべく活動中。
モットーは「明るく前向きに」「日進月歩」。AIに負けない、読者への愛がたくさん詰まった記事を執筆するため日々勉強中。
肌の乾燥対策は、基本的なスキンケアがカギをにぎっています。保湿を意識するのはもちろんですが、顔や身体の洗い方・化粧水やクリームの塗り方・ケアアイテムの選び方といったケアの基礎を見直してみましょう。
美しい肌は、うるおいから。乾燥対策をおこない、みずみずしくハリのある肌をキープしましょう。
乾燥している肌は、皮脂量や水分量が不足している状態です。もともと肌には、うるおいを保ち、外的刺激から肌を守る肌のバリア機能が備わっています。しかし、バリア機能において重要な働きをしている皮脂膜・天然保湿因子・細胞間脂質は、さまざまな原因で減少してしまうのです。減少がすすむと、肌のバリア機能が低下し、肌の乾燥が進んでしまいます。
肌が乾燥する主な原因は、以下のとおりです。
● 加齢
● 空気の乾燥
● 紫外線ダメージ
● 摩擦などによる刺激
● 生活習慣の乱れ
● 過度なストレス
● 誤ったスキンケア
一般的に年齢を重ねると肌が乾燥しやすくなるといわれていますが、肌の乾燥には加齢や空気の乾燥以外にも、紫外線・摩擦・生活習慣といったあらゆる原因がかかわっています。肌にいいと思って実行しているスキンケアも、実は逆効果かもしれません。
肌が乾燥すると、肌の水分量が減少し角質層が部分的に厚みを増すため、肌のカサつきやゴワつきがあらわれます。
また、乾燥によってターンオーバーが乱れてしまうのも原因のひとつです。古い角質が蓄積され、肌がザラザラ・ゴワゴワとした質感に。ガサつきやザラつきが悪化した肌は「さめ肌」とも呼ばれています。また、バリア機能の低下により、外的刺激を受けやすい肌質に変化し、かゆみや湿疹といった炎症を起こすケースもあります。肌の乾燥は、あらゆる肌トラブルに紐づいているのです。
肌が乾燥しているときは、どのようなスキンケアをおこなえばよいのでしょうか。基本は、「スキンケアの基礎をおさえる」です。誤ったスキンケアをしていないか、確認してみましょう。
クレンジングは、洗浄力が強すぎないアイテムを選びましょう。洗浄力が高いアイテムはしっかりメイクを落とせますが、皮脂まで奪ってしまうため、乾燥肌を助長してしまいます。一般的には、オイルタイプよりもミルクタイプやバームタイプのクレンジングの方が、マイルドな洗浄力です。
洗浄力がマイルドなクレンジングは、肌への負担は抑えられますが、汚れを落としきれない場合があるので要注意。クレンジングを見直すときは、落としやすいメイク道具に変更するべきかも合わせて検討しましょう。
洗顔をするときは、しっかり泡立てて、肌にのせるようにして洗いましょう。逆さまにしても泡が落ちないくらいの弾力が目安です。すすぎはぬるいと感じる温度(36℃を目安に)で、すすぎ残しがないようしっかりとすすぎましょう。
毛穴の汚れを落とそうと、長時間洗顔してしまうのはNGです。泡がついている時間だけ、肌の水分や油分は失われています。必要以上の時間を洗顔に費やさず、顔全体が洗えたらすぐに洗い流しましょう。
洗顔のあとは、なるべく早く化粧水や乳液を使用しましょう。肌にうるおいをあたえたあとはクリームでフタをして、しっとりと肌を保湿します。なじませるときは、なるべく手で、顔全体にムラなく均一になじませましょう。
パッティングをすると毛穴が引き締まる…と聞いた方もいるかもしれません。しかし、乾燥肌には刺激が強く、肌のバリア機能をさらに低下させてしまう場合があります。なるべく手を使用して、やさしく肌にうるおいを押し込むイメージでケアしましょう。
肌質は年齢とともに変化していきます。いままでと同じスキンケアアイテムを使用していると、年齢ごとにあらわれる肌の変化にあわせ、正しいケアができません。年齢に応じて変化する肌質に合わせたアイテムを取り入れましょう。
たとえば、30代は肌のハリ不足やくすみ(※1)が気になり始める世代です。保湿力のあるものや、ターンオーバーをサポートしてくれるスキンケアアイテムを取り入れてみましょう。
また40代になると、より乾燥しやすい肌質に変化していきます。高保湿アイテムに加え、乾燥しやすい目元や口元といった、ポイントに使用できる保湿アイテムを取り入れてみてはいかがでしょうか。
50代以降の肌は、肌のバリア機能が低下し、少しの刺激でも肌がダメージを受けやすい状態です。低刺激で高保湿なアイテムを選ぶ、水分と油分の両方を取り入れられるアイテムを取り入れるなど、エイジングケア(※2)を意識したアイテムを選んでみてください。
※1 乾燥による
※2 年齢に応じたお手入れ
顔の乾燥だけでなく、全身の乾燥が気になる方もいるのではないでしょうか。特に、皮脂の分泌が少ない、すね・膝・手の甲・角層の厚いかかとは、乾燥してザラつきやカサつきが気になりやすい部位です。
では、身体の乾燥はどのように対処したらよいのでしょうか。身体の乾燥が気になる方は、要チェックです。
紫外線によるダメージは、肌のバリア機能低下につながる原因のひとつです。紫外線対策は夏だけでいいと思われがちですが、紫外線は一年中、いつでも降り注いでいます。肌を守るためにも、365日紫外線対策を意識するのが大切です。
日焼け止めを塗る行為が、肌に刺激をあたえてしまうケースもあります。肌への負担が気になる方は、保湿成分が配合されている日焼け止めを選びましょう。また、日焼け止めの前に保湿剤を塗るのも効果的です。日焼け止めのほかにも、帽子や日傘を上手く活用しましょう。
40℃を越える熱いお湯での長時間の入浴は、皮脂を奪い乾燥を助長します。また、長時間水につかっていると、角質層がふやけて肌のバリア機能が傷つきやすい状態に。入浴は長くても15分程度にし、ゆっくり入浴したい場合は、温度は39~40℃のぬるめのお湯に設定しましょう。
保湿成分配合の入浴剤を活用するのも一つの手です。良質な睡眠のためにも、寝る2時間前には入浴をすませておきましょう。
身体を洗うとき、タオルでゴシゴシと洗うこすり洗いには注意しましょう。タオルを使用してゴシゴシ洗うと、皮脂を取り除いてしまうだけでなく、摩擦によるダメージで肌の乾燥を助長してしまいます。乾燥肌の場合、身体を洗うのは手を使用するのがもっともよい方法です。石けんを使って手で洗うだけでも、汚れは十分落ちます。
背中など手が届きにくいところは、柔らかい綿や絹のタオルを使用して、こすらないようにやさしく洗いましょう。しっかり泡立てておくと、泡がクッションの役割をはたし、肌のダメージを抑えながら洗浄できます。
化学繊維は、肌の水分を奪いやすいため、乾燥肌との相性はよくありません。なるべく肌に触れる下着は、肌にやさしい綿素材のものを選びましょう。また、締め付けの強い衣類は、肌へ刺激をあたえてしまうため、避けた方が無難です。
綿の硬めの質感が苦手な方は、シルクやレーヨン混の素材を選んでみましょう。肌ざわりがよく吸放湿性に優れており、快適な着心地を感じられます。
尿素は、天然保湿因子を構成する成分の一つです。乾燥によって乱れたターンオーバーをサポートし、余分な角質を剥がして皮膚を柔らかくする性質をもっています。乾燥が悪化して硬くなった皮膚を改善したいときは、尿素配合のアイテムを選ぶのもよいでしょう。
尿素が症状を悪化させるとささやかれているのは、傷や亀裂(ひび割れ)部位に使用すると、刺激になる場合があるからです。ひび割れやあかぎれなどの乾燥には、皮膚組織修復作用成分や、抗炎症作用成分、血行促進作用成分が配合されているアイテムが適しています。乾燥の症状を見極めて、正しいアイテムを選びましょう。
肌の乾燥対策を解説しましたが、結局のところ、乾燥肌対策のベースは「保湿」にあります。肌が乾燥していると感じる方は、低刺激・高保湿タイプのアイテムを選び、とにかく保湿を意識しましょう。
そのうえでフェイシャルケアは、クレンジングや洗顔で皮脂を取りすぎない、年齢に合わせたアイテムを取り入れるといったケア方法を意識してみてください。ボディケアは、紫外線対策をおこない入浴時の刺激を避けるほか、衣類にも目を向けてみましょう。
乾燥肌は、一度に改善できる肌トラブルではありません。始められるポイントから少しずつ積み上げて、うるおい肌を目指しましょう。
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