美容×健康ライター中村里歩
元美容師で「超」がつく美容・健康マニア。試した美容法・健康法は数知れず…。経験を活かし、美意識の高い女性や、健康に悩む男性に寄り添う記事を執筆するべく活動中。
モットーは「明るく前向きに」「日進月歩」。AIに負けない、読者への愛がたくさん詰まった記事を執筆するため日々勉強中。
ひどい肌の乾燥…実は「肌のバリア機能の低下」が原因です。肌には3つの保湿因子が備わっており、うるおいを保持したり、外的刺激から肌を守ったりするバリア機能を担っています。ところが、加齢や乾燥、生活習慣の乱れなどで、肌のバリア機能は低下してしまうのです。
肌を乾燥から守るポイントは、スキンケア・肌に触れる素材・栄養・睡眠の4つです。乾燥対策をおこない、すこやかな肌を目指しましょう。
そもそも乾燥した肌とは、どういった肌状態でしょうか?カサカサしている、ゴワゴワしている、ザラザラしている、人によって乾燥肌の状態は異なりますが、乾燥肌にはある共通点があります。それが「肌のバリア機能の低下」です。
※画像はイメージです
角質層をうるおいで満たしているのが天然保湿因子(NMF)やセラミド(細胞間脂質)といった成分です。さらに、角質層の表面を皮脂膜が覆い、うるおいを閉じ込めています。
皮脂膜・天然保湿因子・細胞間脂質の3つの保湿因子がバランスよく整っている状態が、肌のバリア機能が正常に働いている状態です。バリア機能が働いていれば、外的刺激から肌を守りつつ、肌内部※の水分を保ち、うるおいのある肌を維持できるでしょう。
ところが、肌のバリア機能は、とある原因で機能が低下してしまいます。バリア機能が低下すると、肌のうるおいを閉じ込めておけず、乾燥が進行…。ダメージを受けやすくなり、あらゆる肌トラブルに直結してしまうのです。
※角質層
肌を守るバリア機能を低下させる原因は、何なのでしょうか?詳しくみていきましょう。
年齢を重ねると、肌のうるおいを保つ3つの保湿因子(皮脂膜・天然保湿因子・細胞間脂質)の分泌量が減少します。保湿因子の減少は、顔だけにとどまりません。手や足、背中など、全身で皮脂量や水分量が減少し、肌のバリア機能を低下させます。
空気の乾燥や紫外線による乾燥も、肌のバリア機能の低下に関与しています。冬は空気が乾燥しており、肌の表面から水分が奪われてしまうでしょう。また、冬に皮脂量が減少するのも、乾燥を助長する原因です。夏のエアコンによる空気乾燥も、肌の乾燥を悪化させる恐れがあるため注意しましょう。
注意したいのが、いつもおこなっているスキンケア。肌をゴシゴシ洗う、熱い湯を使用する…といった行為がNGなのはもちろん、実は保湿のしすぎも肌のバリア機能を低下させてしまう原因です。保湿のしすぎを避けるために適量を使用する・自分の肌質に合ったアイテムを使用するといった点を守り、間違ったスキンケアをしないよう心がけましょう。
睡眠不足や偏った食生活、ストレスといった生活習慣の乱れも、肌のバリア機能低下につながります。原因は、ターンオーバーの乱れ。肌はターンオーバーを繰り返して、すこやかな肌を保っていますが、生活習慣の乱れはターンオーバーを滞らせてしまいます。結果、肌のバリア機能が低下し、肌の乾燥へとつながるのです。
肌質は、生まれ持った遺伝子、つまり遺伝が影響していると考えられています。家族に乾燥のひどい方がいる場合は、同じく乾燥が悪化しやすい肌質の場合があるのです。肌トラブルが起きやすい敏感肌や皮脂が過剰に分泌される脂性肌も、同じく遺伝子が関係しているといわれています。
肌の乾燥は誰にでも起こりうる症状です。しかし、なかには乾燥がひどくなりやすい人もいます。たとえば、皮脂を作る能力が未熟な小さなお子さんや、天然保湿因子が減少している高齢の方です。
また、過度なストレスを感じている方や、身体を動かす機会が少なく汗をかきにくい方も、乾燥しやすい人の特徴といわれています。ダイエットのために脂質や炭水化物を摂らないようにしている方も、乾燥を悪化させるケースがあるので注意しましょう。
肌の乾燥がひどいときは、スキンケアと環境を見直してみましょう。乾燥がひどい場合は、化粧水や乳液だけでは物足りません。いつものスキンケアに、保湿クリームをプラスして、うるおいを肌にとじこめましょう。
乾燥がひどく、ガサガサしていたりかゆみを伴ったりしている場合は、保湿クリームの配合成分に注目して選んでみてください。
保湿クリームは、洗顔や入浴の直後に塗るのがポイントです。時間が空くほど乾燥してしまうため、なるべく肌が乾ききらないうちに保湿しましょう。
肌の乾燥を放置すると、粉が吹きはじめたり、かゆみがでる場合も。さらに悪化すると、肌のバリア機能が正常に働かず、皮膚に侵入した異物に対してアレルギー反応を引き起こす可能性もあります。
ひどい肌の乾燥を防ぐためには、日常から肌を乾燥させないよう意識するのが大切です。具体的な対策法を4つご紹介します。
乾燥対策の基本は、スキンケアです。こまめな保湿はもちろん、摩擦を起こさないようやさしく顔や身体を洗う、タオルで拭くときはゴシゴシ拭かないといった基本的な行為を見直しましょう。また、スキンケアアイテムが自分に合っているかも確認してみてください。
寒い時期は発熱する素材、暑い時期は冷感の素材と、季節に合わせた肌着を着用している方は多いでしょう。しかし、機能性肌着は化学繊維である場合が多いので注意が必要です。化学繊維は水分の吸水性に優れている一方、肌の水分まで奪ってしまう可能性があります。乾燥がひどい方は、綿素材の肌着を選びましょう。
外側からのスキンケアだけではなく、内側からも肌の乾燥対策をおこないましょう。バランスのよい食事に加えて、肌のうるおいキープをサポートするビタミンAや、肌のハリをもたらすイソフラボン、すこやかな肌をつくるタンパク質を積極的に摂取するのがおすすめです。
睡眠の質向上も、乾燥対策には欠かせません。睡眠中は、肌のターンオーバーをサポートする成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは眠りについてから3時間の間に大量に分泌されるため、眠り始めにいかに熟睡できるかが重要です。寝る1時間前にはスマホやテレビの使用を避ける、リラックスできるパジャマを着用するといった睡眠の質向上に努めましょう。
肌のバリア機能は年齢と共に年々低下し、乾燥しやすくなってしまうのです。しかし、保湿を意識したスキンケアや規則正しい生活習慣を意識すれば、きちんと乾燥対策ができます。
乾燥対策を講じてもかゆみや湿疹が落ち着かないときは、皮膚科などの医療機関に相談するのも手段です。
肌の状態をみきわめて、すこやかなうるおい肌を目指しましょう。
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