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睡眠に運動はどう関係している?【エクササイズ動画付き】質を高めるポイントやおすすめのストレッチを紹介

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2023/11/10

睡眠には運動、食事、飲酒などの生活習慣が大きく関わっていて、とくに運動は「睡眠の質」を左右する大切な要素です。睡眠の質が上がると日々のパフォーマンスはもちろん、心身ともに健康な状態を維持しやすくなります。
ただ、運動の種類やタイミングによっては筋肉や関節を痛めやすく、結果的に寝つきが悪くなるかもしれません。運動習慣のない方はストレッチや有酸素運動など軽めの運動から始めるのがおすすめです。

 

運動と睡眠の関係性

「運動をすると眠りやすくなる」と世間でいわれているとおり、運動と睡眠には深いつながりがあります。まずは運動と睡眠の関係性から見ていきましょう。

運動で睡眠の質が上がるのはなぜ?

私たちの脳や体は、日中活動するために体温を高く保っていますが、就寝時間に近づくと徐々に体温が下がっていきます。眠気は体温の低下するタイミングに誘発されやすいため、体温と眠気には深い関わりがあるのです。
運動で使われるエネルギーは、作り出す過程で熱が発生します。運動をするとエネルギー消費量が上がるので、熱によって体温はいつもより上昇する傾向にあります。
眠気は体温低下前と後の差によって強さが変わるため、運動をすると寝つきがよくなり、睡眠の質が上がるのです。

睡眠の質を上げるメリット

睡眠の質が上がると、日々の疲れがリフレッシュされて朝から良い一日を過ごせるようになります。睡眠の質を上げるメリットを確認して、日々の生活習慣を徐々に変えていきましょう。

日々のパフォーマンスが上がる

睡眠は仕事や家事のパフォーマンスに影響しやすいです。睡眠の質には以下3つの要素が関わっています。

● 起床後の活動時間
● 起床後の運動時間
● 精神的負担の量

上記の3つが増えるほど、ノンレム睡眠(深い眠り)の時間が長くなります。ノンレム睡眠は「動く、喋る、聴く」などの動作に関与する「大脳皮質」を休ませるために重要です。
大脳皮質を睡眠中にしっかり休ませると、脳がスッキリとした状態になるので、仕事や家事のパフォーマンスも向上します。

健康な体を維持しやすくなる

睡眠の質を上げると、健康的な生活を続けやすくなります。逆に睡眠の質が悪くなると、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の量が減り、食欲を増進させるホルモン「グレリン」の分泌が増えてしまうのです。
また、睡眠不足によって常に交感神経が優位になると、血圧の高い状態(高血圧)が続いてしまいます。さらに血糖値をコントロールする「インスリン」の分泌量も減り、糖尿病にかかりやすくなります。
肥満、高血圧は生活習慣病のリスクを高める危険因子となってしまうため、健康な体を保つためにも睡眠は重要なのです。

筋肉が成長しやすくなる

睡眠の質が上がり、ノンレム睡眠の時間が長くなると、成長ホルモンの分泌量が増える傾向にあります。成長ホルモンは脳下垂体前葉から分泌されるホルモンで、以下の効果を有しています。


参考: 岡田 隆 竹並 恵里「筋肉をつくる食事・栄養パーフェクト事典」

成長ホルモンによって筋肉が増えると活動代謝量も上がり、脂肪がつきづらい体に変化するのです。とくに筋力トレーニングを日頃から実施している方は、睡眠の質を意識しましょう。

 

睡眠の質を上げる運動とタイミング

運動の種類やタイミングによっては寝つきが悪くなるかもしれません。睡眠の質を高める運動と実施する時間帯を確認していきましょう。

ストレッチ

ストレッチは運動習慣のない方でも実践できる「運動」です。睡眠の質を上げるために、いきなり激しい有酸素運動や筋トレを始めると、筋肉や関節を痛めて余計に寝つきが悪くなるかもしれません。
ストレッチは「体の柔軟性を高める運動」なので、体への負担も少なく続けやすいです。

おすすめは静的ストレッチ

ストレッチは「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」の2種類に分かれます。


参考:厚生労働省「ストレッチングの効果」

動的ストレッチは、筋肉や関節の可動域を広げつつ体温を上げられるため、起床後のストレッチとして適していますが、就寝前に実施すると眠りが浅くなるかもしれません。
静的ストレッチの場合、体の柔軟性向上だけでなくリラクゼーション効果もあるため、睡眠の質を高める手段として有効です。
場面に応じて、ストレッチを使い分けましょう。

有酸素運動

有酸素運動も睡眠の質に関与しています。とくに「習慣的な運動」が効果的で、寝つきの悪い方や睡眠の質を高めたい方におすすめです。 ただ、いきなりランニングから始めたり毎日運動を続けたりすると、筋肉や関節が痛くなってしまうリスクもあります。 運動習慣のない方は、「週2回30分以上」を目安にしてジョギングやランニングから始めてみましょう。

就寝の3時間前が効果的

有酸素運動は就寝の3時間前に実施しましょう。運動をすると体温は上昇しますが、時間が経つと下がっていきます。 眠気は体温の低下するタイミングに誘発されやすいため、寝つきがよくなります。 逆に就寝前に有酸素運動を実施すると、脳が覚醒している状態で布団に入ってしまうため、なかなか寝つけません。就寝時間から逆算して、有酸素運動を計画的に取り入れましょう。

 

【動画付き】睡眠の質を上げるおすすめのストレッチ

就寝前にストレッチをすると、体がリラックスして寝つきもよくなります。今回は「肩周り」の筋肉を静的ストレッチでほぐす動画を紹介します。運動経験のない方でもすぐに実践できる内容なので、寝る前に一度試してみましょう。

1回の動画運動量の目安(※体重60kgのひとの場合)
活動強度:2.3METs/ 運動時間:2分(20秒×6種目) / 消費カロリー:4.8kcal

エクササイズ動画の見どころ

首を一定方向に倒したり、2本指で胸周りをマッサージしたりするだけなので、床はもちろん椅子に座りながらでも行えます。正しい姿勢保持に大切な肩周りや胸の筋肉を中心にストレッチできるため、猫背やストレートネック(スマホ首)にお悩みの方にも効果的です。

実践するのに難しいポイント、気を付けたいポイント

動画内で登場するストレッチは、ほとんど体を動かす必要がないため、運動経験のない方でもすぐに実践できます。ただ、ストレッチ中に呼吸を止めてしまうと、筋肉が緊張して伸びづらくなります。ストレッチ中はゆっくりと深呼吸をしましょう。

さらにトレーニングの質をあげるためにアドバイス

筋肉を伸ばそうとすると「伸張反射」が働き、筋肉を縮めようとします。ストレッチ開始から10秒前後経過すると徐々に働きが弱くなるので、ストレッチは1種目につき最低20秒以上行いましょう。また、痛いと感じるところまで伸ばすと、伸張反射で余計に筋肉が硬くなってしまいます。「痛いけど気持ちいい」ところまで筋肉を伸ばす意識で行いましょう。

 

睡眠の質を上げるポイントは運動以外にも

睡眠の質を上げる方法は運動以外にもあります。健康的な生活のためにも少しずつ取り入れてみましょう。

食事のタイミングに気をつける

食事のタイミングは、睡眠の質に少なからず影響します。
朝ごはんを食べていない方は、体を動かすためのエネルギー源である「糖質」が不足して、仕事や家事のパフォーマンスが下がってしまいます。日中の活動量が下がると、睡眠の質が落ちるかもしれません。
就寝前に食事を摂ってしまうと、食べ物を消化するために内臓が活動して、睡眠の質を落としてしまいます。
睡眠の質を高めるためにも朝ごはんは毎日食べて、就寝前の食事はなるべく控えましょう。

お風呂に入る

お風呂に入るのも睡眠の質を高めるポイントです。入浴すると体温が一時的に上昇して、体温が下がったときの眠気を誘発してくれます。また、お風呂に入ると副交感神経が優位になり、リラックスした状態で眠りやすくなります。
就寝30分~6時間前に入浴すると深い睡眠に入りやすいです。就寝前のストレッチを考慮して、入浴時間は就寝2~3時間前を目安にするとよいでしょう。

就寝前の行動に注意する

就寝前に以下の行動をすると、睡眠の質が低下しやすくなります。

参考:厚生労働省「快眠と生活習慣」

とくにアルコールは「飲むと眠りやすくなる」といわれていますが、深い睡眠に入りづらいため、疲れが取れていない状態で目覚めてしまいます。
上記の行動は避けて、睡眠の質を上げていきましょう。

 
質の良い睡眠で心身の健康を長く保とう

睡眠は心身の健康を保つための大切な要素です。睡眠の質を上げるためにも、運動や入浴習慣を日常生活に取り入れつつ、食事のタイミングや就寝前の行動に気を使いましょう。
仕事や家事が忙しくてなかなか睡眠時間を確保できない方は、15分程度の「昼寝」を取り入れると、日々のパフォーマンスが向上します。
あなたの生活に合った睡眠方法で、心身ともに健康になりましょう。

  • 渡邉 輝

    フィットネス・健康ライター渡邉 輝

    米国公認パーソナルトレーナー資格保有の「理系フィットネス・健康ライター」。
    「健康は人生を豊かにする」をモットーとしており、健康の大切さを世の中に発信するためにライターとして活動中。実体験・研究論文(英語含む)・書籍から得た情報を参考に、日々記事を執筆している。ベンチプレスなどの重さを競う「パワーリフティング」の選手としても活躍中。

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