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【医師監修】体脂肪・内臓脂肪・皮下脂肪はどう減らす?特徴の違いや、体脂肪率・生活習慣の改善方法について解説

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2023/9/22

脂肪には「体脂肪」「内臓脂肪」「皮下脂肪」といった種類がありますが、体のどこについて、何が原因で過剰に蓄積されるのか知っていますか?健康を考える上では、把握しておきたいところです。
脂肪が体にたまる理由や、種類による特徴の違い、男女の体脂肪率の平均値、体についてしまった余分な脂肪の減らし方について解説します。
お腹まわりの脂肪や体型の変化が気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

  • 齋藤幹

    監修医師齋藤幹

    さいとう内科・循環器クリニック院長
    公式HP:https://saito-heart.com/
    1996年北海道大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院にて内科研修。
    その後東京大学医学部付属病院(循環器内科)や専門病院での経験を経て、2019年に「さいとう内科・循環器クリニック」を開業。
    医学博士、内科認定医、総合内科専門医、循環器専門医・指導医、臨床研修指導医

 

体にたまる脂肪にはどんな種類がある?

脂肪とひとことに言っても、体脂肪・内臓脂肪・皮下脂肪、さらに中性脂肪と種類があります。体につく脂肪の働きや特徴を見ていきましょう。

体脂肪

体脂肪とは、内臓脂肪と皮下脂肪を含めた、全身につく脂肪の総称です。エネルギーの貯蔵や内臓の保護、体温維持といった重要な役割を果たしています。
ただし、体脂肪が過剰に蓄積されると、健康に悪影響を及ぼす可能性も高まってしまうのです。

内臓脂肪

内臓脂肪は、胃や腸といった内臓のまわりにつく脂肪です。ほかの脂肪と比べるとつきやすく、過剰に蓄積されると健康リスクが高まります。
ただし、減らしやすい特徴があるので、適切な方法で食事の見直しや運動を習慣化すると、脂肪を軽減できるでしょう。

皮下脂肪

皮下脂肪は、皮膚の下の皮下組織につく脂肪です。外的刺激から体を守るクッションとしての働きや、寒い場所で体温を維持する役割があります。
男性よりも女性につきやすく、お尻や太ももといった下半身やお腹まわり、二の腕といった、普段あまり動かさない部分に集中して蓄積するのが特徴です。
一度ついてしまうと減らしにくく、体型の変化として現れやすいのが難点です。

中性脂肪

中性脂肪は、糖質の不足を補い、おもに体を動かす際のエネルギー源として使われる血液中の脂肪です。
食事からの摂取、もしくは肝臓で合成され、エネルギーが余った場合には皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。

関連記事:【医師監修】中性脂肪とは?高めの数値を下げる方法や食べ物、サプリメントの選び方を解説
 

なぜ余分な脂肪が体にたまる?

脂肪は、体にとって重要な役割を果たす一方で、過剰に蓄積されると健康リスクが高まります。余分な脂肪が体にたまる原因についての理解を深め、健康への意識を高めましょう。

過剰なエネルギー摂取

脂肪が体にたまる主な原因の一つは、エネルギーの摂り過ぎです。摂取したカロリーやエネルギーが消費されるエネルギー量を上回ると、余ったエネルギーは体脂肪として蓄積されます。
日常的に高カロリー・高脂肪の食品を食べていると、体脂肪の増加につながるのです。

基礎代謝量の低下

基礎代謝とは、呼吸や心拍、体温維持といった、生命を維持するのに最低限必要なエネルギーです。
動不足や加齢によって筋肉量が少なくなると、基礎代謝が低下して、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回りやすくなります。すると、余ったエネルギーが脂肪となって体にたまってしまうのです。

睡眠不足

睡眠不足になると満腹ホルモンが減少し、食欲を増進させるホルモンが増加して、脂肪を蓄えやすい体になってしまう恐れがあります。
また、十分な睡眠が取れないと、疲労で活動量が低下するので、摂取したエネルギーを消費しきれない状態に陥ります。

 

男女の体脂肪率の平均値

体脂肪率は、体重に占める体脂肪(皮下脂肪と内臓脂肪の合計)の割合です。家庭用の体組成計で手軽に測定できるので、以下の体脂肪率による肥満の判定基準と比較してみましょう。

体脂肪率による肥満の判定基準


※厚生省では、成人男性は25%、女性は30%を超えると、体脂肪量増加としています。

出典:e-ヘルスネット 健康用語辞典 体脂肪計/厚生労働省

自分の体脂肪率を把握しておくと、肥満や痩せすぎの予防に役立つので、健康管理のひとつとして役立ててください。
体内の水分変化が少なくなる起床後や、食後2時間以上あけてから測定すると、正確な数値が出やすくなります。

 

体脂肪の減らし方

気になる内臓脂肪や皮下脂肪といった体脂肪を減らすには、毎日の食事や運動習慣を見直す必要があります。改善方法をお伝えしますので、ぜひ実践してみてください。

1日3食、規則正しい食生活を心がける

食事を抜いて空腹時間が長くなると、食後の血糖値が急上昇して脂肪を溜め込みやすくなり、太りやすい体になります。
過食にもつながるので、腹8分目を心がけながら毎日規則正しく、3食食べるようにしましょう。ひと口30回を目安に、よく噛んで食べると、少ない量で満腹感を得られます。
一気に脂肪を減らそうと食事を数日抜くと、体が飢餓状態だと判断して脂肪を溜め込むので注意しましょう。

食物繊維をたくさん摂る

糖質や脂質の吸収を抑える野菜や海藻、干し椎茸や乾燥きくらげといった食物繊維が豊富な食べ物を摂取すると、食後に血糖値が急上昇するのを防ぎ、体に脂肪がたまりにくくなります。
また、サラダや温野菜、野菜炒めといった副菜から食べはじめる「食べ順」の工夫は、血糖値の上昇を抑えるのに役立ちます。

栄養バランスを考える

1日3回の食事で、栄養とエネルギー量のバランスがよくなるようにしましょう。主食は脂質の多い揚げ物を控えて、動物性脂肪の少ない魚、豆腐、鶏胸肉などが最適です。
低カロリーの食品を積極的に摂るよう心がけ、ファーストフードや加工食品、甘い飲料は脂肪を増やす原因になるので控えてください。

アルコール・揚げ物を控えめにする

アルコールや油の多い揚げ物系のおつまみはカロリーが高いので、できるだけ控えましょう。1日に摂取するアルコールの適量は、純アルコールに換算すると1日に20gとされています。
ビールなら中瓶1本(500ml)、日本酒は1合(180ml)、ウイスキーはダブル1杯、焼酎0.6合(110ml)が目安です。

出典:お酒と健康 飲酒の基礎知識/公益社団法人 アルコール健康医学学会

有酸素運動・無酸素運動を組み合わせる

体脂肪を減らすには、摂取カロリーよりも消費カロリーを増やす必要があります。軽く汗をかく程度の運動を習慣化しましょう。
ウォーキングや軽めのジョギング、水泳などの有酸素運動が最適です。運動する時間がとれない場合には、帰宅時に1駅分歩く、エレベーターの代わりに階段を使うなど、ちょっとした運動を1日の中に取り入れましょう。
さらに、スクワットや腕立て伏せといった筋肉に負荷がかかる無酸素運動の筋トレを組み合わせると、基礎代謝量が上がり、体脂肪のつきにくい体になります。

 
より多くの体脂肪を燃焼させる「MCTオイル」を活用してみる

内臓脂肪や皮下脂肪といった体脂肪を減らすには、食事の改善や運動の習慣化が基本です。
さらに、中鎖脂肪酸油のMCTオイルを活用すれば、より効率的に脂肪を燃焼できます。MCTオイルは、ココナッツやパームフルーツといったヤシ科植物の種子に含まれる成分で、ウエストまわりの減少や体脂肪を減らす機能が研究から確認されています。
一般的な油(長鎖脂肪酸油)に比べると脂肪酸の長さが約半分と短いため、約4倍も速く分解されて短時間でエネルギーになるのが特徴です。MCTオイルを摂取すれば、より脂肪の代謝を高められるでしょう。
体についてしまった脂肪を減らすには時間がかかります。できるだけ効率のよい方法を選んで、健康的な体をつくりましょう。

監修医師からのアドバイス

内臓脂肪の増加は高血糖、脂質異常症、高血圧を引き起こし脳卒中や心筋梗塞の原因となります。
毎日の食事も重要ですが最近はデスクワークの増加で運動不足の方も多く、毎日の生活に運動を取り入れる工夫をしたいものです。

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