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生理用品の使い方を定番からいま注目まで種類ごとに解説。自分に合うアイテムをみつけて毎月を快適に

生理・月経SANITARY ITEMS
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2023/10/04

「生理用品はナプキンとタンポンだけ」といった考えは、少し前のもの。いまでは吸水ショーツや月経カップなどの生理用品が仲間入りし、自分に合うアイテムや使い方が選べる時代です。
生理用品の固定観念を取り払うと、生理との付き合い方も変わってくるかもしれません。この機会に、生理用品を見直してみませんか?

 

生理用品の種類が多様化しているのはなぜ?

いままでの日本では「生理用品といえばナプキン」が当たり前でした。タンポンも歴史の古い生理用品ですが、「プールに入るときに使用するもの」「運動をしている人が使うもの」といったイメージが強く、普段使いをしている方は多くありません。
しかし昨今、ナプキンのほかにも、吸収ショーツや月経カップといった、新しい視点からの生理用品が増えています。また、ナプキンとひと口にいっても、オーガニック素材・部分用ナプキン・ショーツ型ナプキンとニーズや使用シーンにあわせ、多様な種類が開発・販売されているのです。
なぜ今、生理用品の種類が増えているのでしょうか。背景をみていきましょう。

フェムテック・フェムケアの需要の高まり

フェムテック・フェムケアとは、生理・妊娠や出産・更年期といった「生理」「妊娠・出産」「更年期」など、女性ならではのライフステージにおける問題を解決するサービスや製品です。
厚生労働省による「ここ6か月の間に生理があることや生理による体調不良が理由で経験したこと」の調査では、「学業や仕事に集中できない場合」ことが、「よくある・」「ときどきある」と回答した人が29.1%、「プライベートのイベント、遊びの予定をあきらめる方は」で736人(24.5%)と結果がでています。

ここ6か月の間に整理があることや生理による体調不良が理由で経験したこと:それぞれについて単数回答

引用:厚生労働省|「『生理の貧困』が女性の心身の健康等に及ぼす影響に関する調査」単純集計結果(2022 年3月 28 日)

そこで注目されたのが、生理用品による、かゆみやかぶれ、経血漏れのストレス軽減です。少しでも生理中の不快感を和らげ、女性が自分らしく生きるための選択肢として、生理用品は多様化しているのです。

サスティナブルな社会の実現へ向けた取り組み

環境問題への関心の高まりから、サスティナブルな社会の実現に向けた取り組みが加速しています。そこで、繰り返し使用できる「捨てない生理用品」が注目を集めているのです。
1回の生理で使用するナプキンの枚数は、20~25枚といわれています。年間で240~300枚のナプキンを使用する計算です。一人ひとりが再利用可能な生理用品を使用すれば、年間何万トンものゴミを減らせます。

参照:日本衛生材料工業連合会|特集 生理用ナプキンについて知っておきたいさまざまな事柄

「生理の貧困」問題の注目

生理用品や教育が足りずに苦しんでいる人は、世界で約5億人にのぼるといわれています。日本では、コロナ禍以降「生理の貧困」が注目されるようになりました。男女共同参画局は、経済的な理由で生理用品を購入できない女性や女の子がいる状況を「生理の貧困」として取り上げています。
生理の貧困の主な原因は、収入の減少です。増税に加えて物価高が拍車をかけており、給与が上がっていても手取りはあまり増えない現象が起きています。結果として、生理用品にかけられる金額が減っているのです。
そこで、使い捨ての紙ナプキンではなく、何度でも使用できる布ナプキンや月経カップが経済的だと注目を集めるようになったのです。
実際、コロナ禍以降、生理用品の購入・入手に苦労したことが「よくある」「ときどきある」と回答した人は、全体の8.1%と結果がでています。

年代別新型コロナウイルス感染症発生後から現在までに生理用品の購入・入手に苦労したこと

引用:厚生労働省|「『生理の貧困』が女性の心身の健康等に及ぼす影響に関する調査」の結果を公表します

参照:The World Bank|月経衛生管理により、女性と女児はその可能性を最大限に発揮できるようになります

参照:男女共同参画局|「生理の貧困」

 

【種類別】生理用品の使い方を解説

多様化している生理用品ですが、具体的にはどのようなアイテムがあるのでしょうか。最近の傾向をみてみましょう。

  • ■紙ナプキン
  • ■布ナプキン
  • ■吸水ショーツ
  • ■タンポン
  • ■月経カップ

それぞれの特徴と使い方を詳しく解説します。

紙ナプキン

日本の生理用品のなかでも、もっともポピュラーなのが、紙ナプキンです。サイズ・厚み・羽の有無・素材・形状といった違いがあり、生理の状態に合わせて使い分けます。なお、紙ナプキンを交換する頻度は、経血の量にもよりますが、ニオイやかぶれ対策のためにも2~3時間に1回交換するとよいとされています。

<サイズの違い>

小さめ・普通・大きめサイズがあり、経血の量に応じてサイズを変更します。横になると経血が流れやすいため、夜用とかかれているナプキンはどれも大きめのサイズです。

<厚みの違い>

4~7mmのスタンダードタイプ、2~3mmのスリムタイプなど、厚みにも差があります。スリムタイプはつけたときにゴワゴワ感がなく、快適に過ごしやすい点が特徴。かさばらないため、持ち運びにも便利です。一方、厚みがあるタイプは、フィット感があり、経血量が多いときに適しています。
スリムタイプの方が吸収率が低いイメージがありますが、表面材や吸収体の改良により、どちらも同じくらいの吸収率を有しています。

<羽の有無>

羽があるナプキンは、羽を折り返して下着に装着します。ズレやヨレに強く、立ち仕事やスポーツ時など、活動的なときに便利。一方で、羽のないナプキンは、使いやすく、リーズナブルな点がメリットです。

<素材の違い>

紙ナプキンには、主に不織布タイプとメッシュタイプの2種類があります。不織布タイプは、ふんわりとしたやわらかな肌ざわりなのが特徴です。メッシュタイプは、サラリとした肌ざわりで、素早く経血を吸収する特性があります。
なかには、オーガニックコットン素材のナプキンも。値段はやや割高ですが、肌ざわりが心地よく、敏感肌の方やかゆみやかぶれの不快感を軽減したい方から支持されています。

<形状の違い>

紙ナプキンには、ショーツに取り付けるタイプ以外にも、ナプキンとショーツが一体化しているショーツ型ナプキンや、経血がでる部分に取り付ける部分用ナプキンなど、さまざまな種類があります。 ショーツ型ナプキンは、ズレによる漏れを防ぎたいときにぴったり。部分用ナプキンは経血をダイレクトに吸収してくれるため、ドッとでる感覚を軽減したり、吸水ショーツと併用したりするのに便利です。

布ナプキン

布ナプキンは、洗って繰り返し使用します。コットンやリネンなどの天然素材の布を使用している場合が多く、肌にやさしい点がメリット。高分子吸収材や防漏材を使用している紙ナプキンと違い、布だけのシンプルな構造のため、冷えにくい点も魅力でしょう。
近ごろはデザイン性に富んだ布ナプキンも多く、好みのデザインのアイテムを選べるのもうれしいポイントです。1枚で約3年ほどもつとされているため、長期的な目線で考えるとコストパフォーマンスも優れています。

吸水ショーツ

吸水ショーツは、名前の通り、吸水・防水性を備えた布を使用したショーツです。履くだけでよいのが最大のメリット。ファッションに響きづらかったり、洗って繰り返し使用できたりする点も魅力です。
一方で、ナプキンに慣れた方は、物足りなさを感じるといった声も。心配な方は、始まりや終わりかけに使用するのがおすすめです。

タンポン

タンポンは、膣内に入れて直接経血を吸収する生理用品です。装着するのにコツがいりますが、装着してしまえば不快感もなく、長時間(最長8時間程度)快適に過ごせます。また、かぶれやニオイの心配がないのもメリットです。
実は、タンポンはナプキンよりも歴史のある生理用品です。しかし、正しい使い方がわからない方が多く、なかなか浸透していません。装着に慣れていない方は、タンポンを挿入する適切な位置まで誘導してくれる「アプリケータータイプ」を選ぶとよいでしょう。

月経カップ

第3の生理用品として注目されているのが、月経カップです。タンポンと同じように、膣内にシリコン素材のカップをいれます。イメージは、繰り返し使用できるタンポンです。タンポンは使い捨てですが、月経カップは洗浄して繰り返し使用できます。
お手入れは面倒ですが、それほど難しくありません。取り出したときに水洗いをし、1日1回はせっけんで洗います。生理が終わったら、必ず煮沸消毒をしましょう。
月経カップは、慣れるまでに何度か練習が必要です。まったく経血がないときに練習するとかえって入れづらいため、生理4~5日目の経血が減ってきたタイミングで練習するのがよいでしょう。

 

自分に合った生理用品の選び方

生理用品の使い方

生理用品は、自分がおかれている環境や、生理中をどのように過ごしたいかを考えて選びましょう。どうしたら快適に過ごせるか、想像してみてくださいね。

仕事や部活でなかなかトイレに行けない

仕事や部活で長時間トイレに行けないときは「ナプキンが濡れた感じがして気持ち悪い」「漏れてしまわないか不安」といったストレスを感じがち。そんなときは、膣内に装着するタンポンや月経カップがおすすめです。
最長8時間ほど変えなくても大丈夫なので、不快感から解放され、長い間快適に過ごせます。装着するのにコツがいるため、最初のうちはナプキンと併用するとよいでしょう。

不快感から解放されたい

生理中の不快感から解放されたい方は、吸水ショーツや布ナプキンがぴったりです。肌にやさしい素材のものが多くかぶれやスレなどのトラブル軽減が期待できます。

コストパフォーマンスのよいアイテムを使用したい

コストパフォーマンスのよいアイテムを使用したい方は、布ナプキンや羽なしの紙ナプキンを検討してみては。ただ、安価な紙ナプキンは、化学繊維で作られている場合が多く、肌が弱い方は刺激を感じるケースもあります。肌にやさしいナプキンを使用したい方は、布ナプキンがおすすめです。
また、初期費用はかかりますが、繰り返し使用できる吸水ショーツや月経カップも長い目でみるとお得でサステナブル。お気に入りのアイテムを使い続けられるのもうれしいポイントです。

 
生理用品を上手く使用して快適な生活をおくろう

「生理だから予定を変更しなくちゃ…」「生理の日は仕事や勉強に身が入らないから…」日々の生活の中で、生理だからと諦めてしまう時もありますよね。
初経から閉経まで、およそ40年。生理は、女性と切っても切れない関係にあります。だからこそ、生理用品を見直して、より快適で自分にあった生理との付き合い方をしてみませんか。
今はプライベートや仕事、体調や気持ちに合わせて、生理用品も好きなアイテムを選べる時代です。自分に合った生理用品を身につけて、より快適に、より前向きに、イキイキとした生活をおくりましょう。

  • 中村里歩

    美容×健康ライター中村里歩

    元美容師で「超」がつく美容・健康マニア。試した美容法・健康法は数知れず…。経験を活かし、美意識の高い女性や、健康に悩む男性に寄り添う記事を執筆するべく活動中。
    モットーは「明るく前向きに」「日進月歩」。AIに負けない、読者への愛がたくさん詰まった記事を執筆するため日々勉強中。