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50代から筋トレを始めても遅くない?健康な体を維持するために重要な理由やメニューも紹介

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2023/10/13

50代は体の不調を感じやすくなる時期で、日頃の運動不足から体全体の筋力が落ちているかもしれません。QOL(Quality Of Life:生活の質)が高い毎日を過ごすためにも、筋力や体力を増やす必要があります。
ただ、無計画で筋トレや有酸素運動を始めると、ケガのリスクが上がったり、期待していた効果が出なくなったりします。運動のメニューやフォームを理解してから、体を動かしましょう。

 

50代は体に変化が起きやすい時期

平均寿命が80歳を超えている現代、人生の折り返し地点を超えた直後の50代は、体の変化が起きやすい時期でもあります。
毎日元気に過ごすためにも、まずは変化しやすいポイントを押さえておきましょう。

体の不調を感じやすくなる

50代は血圧や血糖、血中の脂質量、ホルモンバランスが変化しやすく、体の不調を感じやすい時期です。
健康診断で20~30代のときは引っかからなかった項目を指摘された場合は、一度体を見直してみましょう。

筋力が落ちる

私たちの体を支える筋肉は、歳を重ねると落ちていきます。
上半身や体幹の筋肉は、20~30代と比べて変化が少ないでしょう。ただ、下半身の筋肉は40代から徐々に低下していきます。太もも・お尻・ふくらはぎの筋肉は、階段の上り下りや膝の曲げ伸ばし、走るなど、日常生活の動作に大きくかかわっています。
下半身の筋肉が減ると、体を支える力も低下するため、バランスを崩したときに体勢をキープできなくなってしまう恐れもあるのです。

各部位の年齢別筋肉量(男性の場合)
※値の表示は「平均 ± 標準偏差」

参考「日本人筋肉量の加齢による特徴」/谷本 芳美, 渡辺 美鈴, 河野 令, 広田 千賀, 高崎 恭輔, 河野 公一

体力の低下は筋力が原因?

体力(心肺持久力)は「1分間で取り込む酸素量(最大酸素摂取量)」で評価されるので、筋力とは意味合いが異なります。
体力は、主に有酸素運動で鍛えられるため、筋力低下だけが原因ではありません。ただ、体を支える筋力が低下してしまうと、有酸素運動中にバランスを崩しやすくなる可能性があります。
毎日元気に過ごすためにも「筋力と体力」の両方をつけていきましょう。

 

筋トレで健康な体を維持しよう

筋力をつけるための筋トレは、健康な体で生活するうえで重要です。
歳を重ねるごとに筋力の伸びは緩やかになりますが、筋肉量は増やせるため、何歳から始めても遅くありません。まずは筋トレのメリットを理解しましょう。

体の不調を感じづらくなる

筋トレや有酸素運動など、体を動かす習慣を日常生活に取り入れると、体の不調を感じづらくなります。体の不調につながりやすい血圧や血糖、血中の脂質の変化には、体脂肪量(中性脂肪、皮下脂肪)が関わっています。体脂肪は筋力低下で代謝量が減少するほど、体に付きやすくなるのです。
筋トレで筋力を向上させると代謝量が増加して、体脂肪が付きづらい体になります。体の不調を感じやすくなった方は、まず体脂肪量を見直してみましょう。

丈夫な体を作る

筋トレは丈夫な体を作るために大切な運動です。歳を重ねると筋力が低下し、転びやすくなったり、階段の上り下りがつらくなったりと、日常生活に支障をきたします。
筋トレで筋力を増やすと、体を支える力が強くなるため、健康で丈夫な体を維持しやすくなります。

気分が明るくなる

運動には気分を明るくする効果があります。仕事や家事、ライフスタイルの変化でストレスがかかると、精神的、身体的に悪い影響を与えます。
ストレスとなる根本的な問題を取り除くのも大切ですが、気分をリラックスさせるのも重要です。運動をすると、ストレスで活発になった交感神経の働きを正常化し、日々の生活を快適にしてくれます。

 

50代で筋トレを始めるときに意識したい部位

50代から筋トレを始める方は、体を支えるために必要な下半身と体幹の筋肉を中心に鍛えましょう。

下半身

下半身は体を支えるために重要な筋肉群です。大きな筋肉が揃っている下半身のなかでも、大腿四頭筋(太ももの前側)は筋肉のなかで最も大きい部位です。
下半身の筋力は歳を重ねると落ちやすい部位で、転びやすくなったり、階段や傾斜のあるところを歩くのがきつくなったりする要因でもあります。
とくに太ももやお尻は、「歩く、走る、しゃがむ」など、日常生活の基本動作に大きく関わるため、定期的な運動で刺激を加える必要があります。

参考:「筋肉の使い方・鍛え方パーフェクト事典」/石井 直方 荒川 裕志著/ナツメ社刊

腹筋・背筋(体幹)

腹筋、背筋は体幹の筋肉で、「立つ、歩く、座る」際の姿勢に関わります。
腹筋、背筋の筋力が落ちると、日常生活での正しい姿勢をキープできなくなり、猫背、反り腰になりやすいのです。姿勢が悪くなると、本来使われない筋肉が収縮してしまい、肩こりや関節痛、腰痛を引き起こします。
腹筋、背筋は日常生活の動作である程度使われる筋肉です。デスクワーク中心で姿勢をキープする習慣がない方は、とくに体幹を鍛える必要があります。

 

自宅でもできる50代向けの筋トレメニュー

筋トレはジムで行う方が、器具が揃っていて行いやすいです。ただ、ジムは通うのが面倒になったり、月会費が負担になったりします。まずは、自宅でもできる筋トレメニューから始めてみましょう。

スクワット

スクワットは大腿四頭筋や大殿筋、ハムストリングスなど下半身全体の筋肉を同時に使うトレーニングです。自宅で始めやすく負荷も大きいので、筋トレ初心者から上級者まで幅広い方におすすめです。

  • 1.足を肩幅の1.5倍程度開き、つま先を斜め45度外側に向ける。
  • 2.手を組んで後頭部につける。
  • 3.目線を斜め45度下に向けながら、膝と股関節が平行になるまでしゃがみ、2番の状態に戻る。
  • 4.10回を1セット、2~3セット行う。

スクワットのポイント

目線を意識せずに実践すると、うまくしゃがめなかったり、腰や膝を痛めてしまう可能性があります。目線を斜め45度下に向けて、無理のない範囲でしゃがみましょう。

クランチ

クランチは腹筋前部(腹直筋)を鍛えるトレーニングです。体幹に刺激が入るので、体を支える土台を強化したい50代の方におすすめです。

  • 1.床に対してあお向けになる。
  • 2.足裏が床にすべて付くところまで、膝を曲げる。
  • 3.手を組んで後頭部につける。
  • 4.おへそを見ながら、上体を起こせるところまで床から浮かせて、3番の状態に戻る。
  • 5.10回を1セット、2~3セット行う。

クランチのポイント

勢いをつけて上体を起こすと、腹筋以外の筋肉に負荷が逃げてしまいます。
腹筋を使って体を起こす時間も「筋トレ」です。あなたのペースで徐々に回数やセット数を増やしましょう。

膝付きプッシュアップ

プッシュアップは胸をメインに鍛えるトレーニングで、腕や肩、体幹の筋肉にも刺激が入ります。膝を付けて行えるので、運動習慣のない方でも始めやすいです。

  • 1.床に手と膝をつけ、手は肩幅の1.5倍程度開く。
  • 2.膝をこぶし1個分後ろにずらし、手と膝で体を支える。
  • 3.肩と肘が平行になる位置まで、体を下ろす。2番の状態に戻る。
  • 4.10回を1セット、2~3セット行う。

プッシュアップのポイント

体を下ろす際に肘が横に開くと、肩や肘周りを痛めるリスクが上がります。肘は体に向かって曲げましょう。
負荷を上げたい方は、膝を付けずに行ってみましょう。

 
健康な体で50代を過ごしましょう

健康な体を維持すると、50代を楽しく過ごせるのはもちろん、60代以降の活動的な毎日にもつながります。男女ともに平均寿命が80歳を超えている現代、健康寿命(日常生活に制限のない期間)を伸ばすためにも、筋力は重要です。
60歳以降は、筋力の落ちるスピードが速くなるため、今のうちに体を鍛えて、健康な毎日を過ごせるようにしておきましょう。

  • 渡邉 輝

    フィットネス・健康ライター渡邉 輝

    米国公認パーソナルトレーナー資格保有の「理系フィットネス・健康ライター」。
    「健康は人生を豊かにする」をモットーとしており、健康の大切さを世の中に発信するためにライターとして活動中。実体験・研究論文(英語含む)・書籍から得た情報を参考に、日々記事を執筆している。ベンチプレスなどの重さを競う「パワーリフティング」の選手としても活躍中。

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