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【医師監修】健康診断対策はいつから?1ヶ月前・1週間前・直前別に結果をよくするため改善したい生活習慣

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2024/07/03

もし健康診断でどんな結果が出るか不安があるなら、この記事を見てすぐ今から対策を始めましょう。もし1ヶ月前なら、食事・運動・睡眠の習慣すべてを見直し、改善してみてください。1週間前や直前から開始しても、生活習慣を見直せば血糖値・血圧・血中脂質などの数値が改善できる見込みはあるでしょう。
今年「要治療」や「要再検査」の判定だったとしても、来年に向けてすぐに取りかかれる対策があります。異常の指摘がひとつでもあったなら、見過ごさずに改善へ向けて一歩、動き始めましょう。

  • 成田

    監修医師成田 亜希子

    2011年医師免許取得。初期臨床研修を経て総合診療医として幅広い分野の治療に携わる。
    臨床医として勤務しながら、行政機関での勤務経験もあり地域の健康課題にアプローチした健康寿命延伸、感染症対策などの医療行政にも携わってきた。 国立保健医療科学院、結核研究所での研鑽も積む。 現在、医療法人ウェルパートナー主任医師。

 

健康診断の対策はいつから?答えは「今すぐにでも」

健康診断は1ヶ月前や1週間前など、いつから対策すればよいのか多数の意見がみられます。そもそも健康診断は、現状の健康状態を定期的にチェックする目的でおこないます。対策には早いも遅いもありません。「要治療」や「要再検査」の判定が出る不安やリスクを下げるには、いますぐ対策を始めましょう。
もし前回の健康診断で「異常なし」と判定されたとしても、油断してはいけません。血中脂質や血圧、血糖値などは生活習慣に左右され、日々状態が変わっていきます。生活習慣の積み重ねによる健康リスクは自覚症状がなく進行するケースも少なくないため、常日頃から健康の維持をおこなう必要があります。

 

健康診断の1ヶ月前から始められる対策

健康診断の結果は、1週間前や直前に対策すれば多少の改善がみられる項目もあります。
しかし、多くの項目はすぐ明確な変化が現れるわけではありません。
健康診断でとくに所見が多いといわれる血中脂質・血圧・血糖値を改善するには、一定期間の改善経過が必要なのです。
健康診断の結果は生活習慣と深く結び付いているため、食事・運動・睡眠の意識向上が大切です。
まずは、健康診断の1ヶ月前からできる対策についてチェックしていきましょう。

【食事】血圧・血糖値・血中脂質ごとの対策を

健康診断の結果をよくしたいなら、まず食事や飲酒の見直しがカギに。
食事の内容・飲酒量とペースによっては、内臓脂肪を蓄積させる元となり、血圧、血糖値、血中脂質に大きな影響を与えてしまいます。
食事面での対策としては、栄養バランスのよい食事を1日3食摂るのが第一。日中のパフォーマンス維持に役立つ朝食は抜かないのが基本です。数値を下げたいなら、塩分・糖分・脂肪分(飽和脂肪酸)の摂取を控えましょう。
血圧や血糖値、血中脂質など、気になる項目別の対策も確認してみましょう。

高めの血圧が心配なら減塩&排塩に努めて

血圧が高めなら、塩分の摂取量を見直してみてください。塩分の摂りすぎは血圧の上昇を招くため、元々高めの血圧に悩んでいる方はさらに注意が必要です。
まず、ハムやソーセージ、漬物、レトルト食品を控えて減塩に努めてみてください。さらに、野菜や海藻、牛乳、豆腐など、ミネラル分の多い食材を取り入れ“排塩”を意識するのも大切です。

関連記事:血圧を下げる食べ物一覧。数値が上がる原因解説&コンビニで手に入るナッツや飲み物を管理栄養士が紹介

食後の血糖値はベジファーストで上昇を抑制

食後血糖値の上昇を抑えたいなら、糖分の過剰摂取を控えるとともに、野菜やキノコなど食物繊維を含む食材を取り入れてみてください。さらに野菜を食事の最初に摂るベジファーストを心がけると、野菜に含まれる食物繊維が糖分の吸収を穏やかにし、食後血糖値の急上昇を抑制してくれるでしょう。
さらに食物繊維を含む多くの食材は噛み応えがあり、咀嚼回数が増えると満腹感につながります。食べすぎによる肥満リスクも軽減してくれるでしょう。

関連記事:血糖値を下げる食べ物とは?上げるものやコンビニで手に入るもの、食事のコツを紹介

血中脂質は脂肪分を控えた食事で配慮

高めの血中脂質を対策したいなら、中性脂肪やコレステロールの多い食事を控えましょう。なかでもLDLコレステロール値を下げたいのであれば、飽和脂肪酸を含む肉類や洋菓子を摂りすぎてはいけません。豚バラやカルビはヒレ肉やモモ肉に、ショートニングやマーガリンの入っている洋菓子は果物やヨーグルトなどの乳製品に切り替えてみましょう。

関連記事:コレステロールを下げるには。おすすめの食品や調理の工夫・数値が上がる要因を管理栄養士が解説!

【運動】有酸素運動を中心に継続がカギ

健康診断の1ヶ月前のみならず、血中脂質の数値が気になっているなら日々の習慣として運動を取り入れてみましょう。運動は内臓脂肪を減らすため中性脂肪値の改善に役立つほか、LDLコレステロール値が高めの方にも推奨されています。
運動は有酸素運動をメインに、ジョギングやウォーキング、水泳など、自分が無理なく行える内容で構いません。継続に意義があるため、1日30分以上を目安に続けてみましょう。通しで運動するのがむずかしいなら、10分を3セット行うのでも効果が期待できます。※

※参照:「脂質異常症を改善するための運動/厚生労働省」

【睡眠】快適な環境を整えリラックス感を向上

健康維持はもちろん、血圧や血糖値など、あらゆる数値に関わってくるのが睡眠です。
標準的といわれる6時間以上8時間未満の睡眠時間※を目安にしつつ、自分に合った睡眠スタイルを確立していくのが、健康診断の結果をよくするために必須ともいえる対策のひとつです。
快適な睡眠を得るためには、まず睡眠環境を整えるところから始めましょう。寝る前にはスマホやパソコンの画面をなるべく見ないように。さらに音楽を流したりアロマを炊いたり、自分なりのリラックス空間を作ってみてください。睡眠の対策は1ヶ月前はもちろん、1週間前や直前でも変わらずよい影響をもたらしてくれるでしょう。

※参照:「 健康づくりのための睡眠指針 2014/厚生労働省」
 

健康診断の1週間前~直前にできる対策

健康診断の直前では「もう手遅れなのでは?」と諦めがちですが、生活習慣がカギとなっているからこそ1週間前からできる対策もあります。
例えば、一定の空腹状態で健康診断を受けなければならない指示について考察すると、逆をいえば、直前の食事の影響が及ぶからです。
取りかかりは早いほど好ましいですが、直前に少しでも改善したい方のために、すぐにでもできる対策を確認しましょう。

【食事】量を極端に減らさず、早め&少なめの夕食を

1週間前だから、と食事量を極端に減らしたり、1食まるまる抜いたりしてはいけません。
健康診断では体重の数値がとくに気になるかもしれませんが、食材から摂取できる水分量や必要な糖質まで減ってしまうおそれがあります。結果、脱水症状を招き、かえって数値の悪化に至ってしまう場合もあるのです。
1週間前からは脂肪分の多い食事を控え、健康診断の前日にはなるべく消化のよい食べ物を選び、早めの夕食を心がけましょう。血糖値は空腹時の数値を見るため、時間が十分に空くように済ませておくとベターです。食べすぎはもちろん飲みすぎも避け、いつもより少量で切り上げてください。

【運動】高強度の運動は控え、普段より軽めを意識

健康診断の1週間前から直前になっても、軽めの有酸素運動は続けて行いましょう。
ただし、直前だから追い込みたいと筋肉に大きな負荷がかかるダンベルトレーニングや長距離のランニングなど、急に激しい運動に切り替えるのはやめておきましょう。腎機能に影響を及ぼすことがあります。そもそも運動は、継続してこそ健康維持に貢献してくれます。
血圧も上昇しやすくなるため、直前の運動はほどほどに落ち着いて過ごしてください。

【喫煙】血圧が高めなら禁煙にチャレンジ

高めの血圧で喫煙の習慣があるなら、禁煙に挑戦するのも1週間前から直前までにできる対策のひとつです。
タバコに含まれるニコチンの摂取量を減らすと、高めの血圧でも数値の低下が見込めます。直前かつ比較的短期間で影響が出やすいため、目を向けてみてください。
禁煙は早いほどよいですが、健康診断を受けるクリニックごとの規定が設けられている場合もあります。「◯時間前まで」といった制限を守るほか、どうしても吸いたくなったらタバコ代わりにガムやグミに切り替える工夫を。

 

健康診断の結果が思わしくなかったら…来年に向けて対策を

「要治療」や「要再検査」の判定が出ても、出なくても、今までやってきた対策を終わりにしてはいけません。健康診断で得た結果は健康状態のバロメーターとして前向きに受け止めて、あらゆる不調の早期発見・早期治療に役立てていきましょう。
健康診断で指摘が多い項目ごとに、診断結果の活用法をチェックしていきましょう。

高めの血圧と診断されたら多角的なアプローチを

血圧の数値が高めだった方は、生活習慣全般の改善に力を入れましょう。血圧が高くなる原因は不明なケースも多く、多角的なアプローチが効果的です。高めの血圧が気になったら実践したい内容を紹介します。

  • ・ 塩分は1日あたり6g未満※を目指す
  • ・ 気分転換しながら、ストレスを溜め込まない
  • ・ 衣類で調節しながら、温度差による血圧上昇を防ぐ
  • ・ 禁煙、アルコールの摂りすぎは禁物

※参照:「高血圧治療の食事レシピ/厚生労働省」

血中脂質が高かったら食事を徹底見直し

血中脂質のうち、コレステロール値と中性脂肪値のどちらが高くても、食生活の改善に努めましょう。飽和脂肪酸や炭水化物を含むカロリーの高い食材のほか、アルコールも控えて肥満防止に気を配ってみてください。
食事における、コレステロール値・中性脂肪値を下げるためのポイントを紹介します。

  • ・ 炭水化物の多い間食を減らす
  • ・ 深夜帯の食事を控え、翌日の朝食をしっかり摂る
  • ・ アルコールを摂りすぎない

血糖値が高かったら食事&飲酒と運動を工夫

血圧や血中脂質よりも無自覚なケースが多い高めの血糖値は、食事(飲酒)と運動のダブルの対策が重要です。血糖値が高い状態で肥満に陥るのはリスクが高いため、自己流を避け医師のアドバイスを受けるのもよいでしょう。
今すぐ取り組める血糖値対策を紹介します。

  • ・ 医師と相談しながら、アルコール量・1日のカロリーを見直す
  • ・ ウォーキングなど、無理のない運動を習慣化する
 
健康診断の対策には機能性表示食品との合わせ技も

健康診断の結果は生活習慣と深く結び付いており、中でも食事による影響は大きいと言われています。血圧や血中脂質など、数値が気になる項目にあわせて食事を配慮すれば効果的な対策ができます。が、忙しくて料理をする時間がとれない方、外食が多くなってしまう方にとっては簡単ではありません。
もしライフスタイルを大きく変えるのがむずかしいなら、機能性表示食品に頼るのもひとつの手です。食事の補助として取り入れると、食事で補えない栄養素をサポートしてくれるでしょう。

 
監修医師からのアドバイス

高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は目立った自覚症状が現れにくく、検査を受けなければ異常に気付きにくいものです。
健康診断は、こうした自覚症状がない病気の早期発見、早期治療につながる大切な機会です。少なくとも一年に一度は健康診断を受けるようにしましょう。

また、健康診断は受けるだけでよいわけではありません。異常を指摘された場合は、生活改善をしたり、病院を受診して治療を開始したりして病気の予防や改善をしていく必要があります。

今回ご紹介したように、健康診断の前に生活改善をすることも大切ですが、異常を指摘された場合も放置せずに適切な対策を行うのが大切です。
直前の過度な対策は返って体の不調を招くことがありますので、ほどほどにしましょう。