美容×健康ライター中村里歩
元美容師で「超」がつく美容・健康マニア。試した美容法・健康法は数知れず…。経験を活かし、美意識の高い女性や、健康に悩む男性に寄り添う記事を執筆するべく活動中。
モットーは「明るく前向きに」「日進月歩」。AIに負けない、読者への愛がたくさん詰まった記事を執筆するため日々勉強中。
早期に妊娠している可能性を知り、医療機関を受診するきっかけをつくってくれるのが妊娠検査薬です。妊娠初期は「妊娠しているかもしれない」と、希望と不安が入り混じり、ソワソワとしてしまう時期です。また、妊娠している場合は、赤ちゃんの器官がつくられる大切な時期でもあります。まずは妊娠検査薬の正しい使い方と偽陽性・偽陰性の原因を知り、精度の高い検査をおこないましょう。
生理が遅れていたり、胃のムカつき感があったり、着床出血と呼ばれる微量な出血があったり…と、妊娠によって体調が微妙に変化する症状を「妊娠超初期症状」といいます。
しかし、妊娠超初期症状による身体の変化はごくわずかなため、多くの女性は妊娠していると確信がもてません。
そこで、医療機関を受診するきっかけをつくるために使用するのが妊娠検査薬です。いまではドラッグストアだけでなく、インターネットでも購入できるほど身近なキットになっています。妊娠検査薬について詳しくみていきましょう。
受精卵が着床し胎盤が形成されると、胎盤のなかに「hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)」がつくられます。hGCは、妊娠中にのみ著しく産生されるホルモンです。妊娠4週目(月経予定日)より、血中や尿中から検出されます。
妊娠検査薬は尿中のhCGを検出して、妊娠しているか否かを判断しているのです。
妊娠検査薬は非常に高い精度を誇るといわれています。ただし、正しい時期に、正しく使用することが前提です。また、妊娠検査薬はあくまでも補助であり、妊娠を確定するものではありません。
一般的に妊娠が確定されるのは、胎嚢のなかにいる「赤ちゃんの心拍が確認できたとき」です。妊娠確定のためには、妊娠検査薬で陽性結果がでたら、できるだけ早く産婦人科やレディースクリニックを受診しましょう。
妊娠検査薬を使用している多くの方は「早く妊娠の有無が知りたい」と思って使用しているでしょう。ただ、妊娠検査薬を使用する目的は、妊娠しているかを知るためだけではありません。
妊娠初期は、赤ちゃんの脳や心臓など、生きていくうえで大切な役割を担う器官が形成される時期です。一方で、未熟な赤ちゃんは外からの影響を受けやすい、尊くも非常にか弱い存在でもあります。
赤ちゃんの健全な発育には、お母さんの栄養摂取はもちろん、飲酒・喫煙・感染症の罹患・放射線照射などをできるだけ避ける必要があります。
妊娠検査薬で早期に妊娠の有無がわかれば、早期から「赤ちゃんを思いやる行動」をとれるのです。
妊娠検査薬は高い精度を誇りますが、正しい時期に使用しないと、効果を十分に感じられません。いつから使用するのがベストか、確認しておきましょう。
生理周期が規則的な方は、以下の計算例にあてはめて使用時期を考えましょう。
前回の生理開始日+生理周期+7日
例えば、前回の生理日が「8月10日」で、生理周期が28日で安定していたときは、「9月14日」から検査できる計算です。
生理周期が不規則な場合は、以下の計算例にあてはめて使用時期を決めましょう。
前回の生理開始日+最近の2~3周期の中で1番短かった周期+7日
生理周期が不規則な場合は、まずは前回の周期を基準に次の生理予定日を算出します。先ほどと同じく、前回の生理開始日が「8月10日」だった場合を考えてみましょう。
次に、直近2~3回の生理のなかで、もっとも周期が短かった日を調べましょう。月経不順の方は、生理によって周期が20日だったり30日以上だったりします。
この場合、もっとも周期が短いのは20日ですので、生理周期は20日で計算します。さらに、その1週間後に検査するのが適切なタイミングです。つまり、8月10日 + 20日 + 7日の「9月6日」から検査可能です。
生理予定日がわからない場合は、性交の日から3週間以上経ったタイミングを目安に検査をおこないましょう。
一刻も早く妊娠検査薬で妊娠の判定をしたい方は、早期妊娠検査薬を使用するのも手です。早期妊娠検査薬は、生理予定日から使用できる妊娠検査薬です。
通常の妊娠検査薬は、ほとんどのものがhCG濃度50mIU/mLで反応するようつくられています。一方で、早期妊娠検査薬は、およそ半分の25mIU/mLで反応します。わずかなhCGにも反応するため、妊娠超初期でも妊娠の有無がわかるわけです。
ただ、もちろん医療機関で赤ちゃんの心拍を確認できない限りは、妊娠の確定はできません。あくまでも、早く妊娠検査薬を使用したい方向けのキットであると留意しておきましょう。
さまざまな妊娠検査薬がありますが、基本的にはどの妊娠検査薬も使い方は同じです。正しい検査結果を得るためにも、正しい使い方を覚えておきましょう。
ここでは、一般的な妊娠検査薬の使い方を紹介します。
袋を開け、指定されている部分に尿をかけます。しっかり検査をしたいからといって、長い間尿をかけたり浸したりするのはNGです。尿のかけすぎは、誤った結果を招く原因になります。必ず使用する前に製品の取扱説明書を確認しましょう。
検査をおこなったら、判定結果を待ちます。このとき、斜めに置いたり縦にしたりしないように注意しましょう。平らな場所へ置き、決められた時間まで待ちます。待ち時間は、おおよそ1分程度です。多くの製品は「判定終了」の線がでるつくりになっているので、確認しましょう。
判定終了のサインがでたら、結果がでます。多くの場合、判定窓に線がでれば陽性、でなければ陰性です。時間が経つと結果が変わるときもありますが、基本的には最初にでた結果が正しいと思いましょう。
妊娠検査薬は高い精度を誇っていますが、稀に「偽陽性」「偽陰性」などの、間違った結果がでるケースもあります。偽陽性や偽陰性は妊娠検査薬に問題があるわけではなく、誤ったタイミングでの使用や使い方、使用者の状態が関係している場合がほとんどです。
よくある失敗例をいくつか紹介しますので、覚えておきましょう。
「偽陽性」でとくに注意したいのは、不妊治療をおこなっている方です。不妊治療でhCG注射を投与している場合は、微量なhCGが妊娠検査薬で検出される場合があります。
また、非常に早い段階で流産してしまった「化学(的)流産」である可能性もあります。化学(的)流産のほとんどは、染色体異常が原因のため、お母さんに問題があったわけではありません。特別な処置も必要なく、経過観察で大丈夫です。
偽陰性には、検査時期が大きく関係しています。妊娠検査薬を使用する時期が早すぎると、hCGの分泌量が少なく、検査キットが反応できない場合があるのです。また、多胎児を妊娠すると、hCGの分泌量が多くなります。一見強く陽性反応がでそうに思えますが、hCGの分泌量が多すぎると、かえって偽陰性がでる例もあるのだそうです。
妊娠を心待ちにしている女性にとって、妊娠検査薬の「微妙な反応」はヤキモキするでしょう。そこで、妊娠検査薬のよくあるQ&Aを解説します。
陽性反応がでるときは、大抵くっきりとした線が判定窓に浮かび上がります。しかし、まれに薄っすらと線がでるときもあります。薄い線だと「妊娠しているのだろうか…」と心配に感じる方も多いと思いますが、線が消えず陽性反応が続いている場合は「陽性」であると考えてよいでしょう。
線が薄くなってしまう原因には、水分の摂りすぎ、妊娠状態の異常などいくつか理由が考えられますが、多くは「妊娠検査をおこなうのが早すぎたケース」です。フライング検査をおこなうと、hCGの分泌量が少ないために検査薬が反応しづらく、陽性であっても薄い線がでる場合があるのです。
逆に、薄い線があらわれたのに消えてしまった場合は、一時的にラインが浮いて見えただけの可能性が高いでしょう。したがって、陰性であるケースが多いでしょう。
妊娠検査薬を使用後に最初は陰性の結果がでたのに、しばらく放置した後にみたら陽性反応が出るケースがたまにあります。
この場合は、残念ながら「陰性」である場合がほとんどです。
検査後一定の時間経過後にあらわれた線は「蒸発線」と呼ばれています。蒸発線とは、名前の通り、尿の水分が蒸発して濃度が上がったことであらわれる線です。妊娠検査薬の説明書にも記載されている場合が多いので、確認してみてください。
妊娠検査薬で陽性結果がでたら、まずはすみやかに医療機関を受診しましょう。
産婦人科やレディースクリニックでエコーをおこない、赤ちゃんの心拍が確認できて初めて妊娠が確定します。
小さな命を授かる妊娠は、大きな責任を伴うものです。これからのことを、パートナーや自分自身と向き合って考えなければなりません。まずは赤ちゃんとお母さんの身体の状態を、詳しく、そして正確に知るのが一番大切なこと。
それから今後について考えましょう。
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