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免疫力を高める食べ物とは?管理栄養士が食事や生活習慣の改善方法について詳しく解説

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2023/10/25

免疫力を高める食べ物や飲み物には、どのようなものがあるのでしょうか。疲れがたまっていたり食生活が乱れたりすると、免疫力は低下してしまう恐れがあります。大人はもちろん子どもの場合も、免疫力を高めて病気を遠ざけたいと思う方は多いでしょう。
免疫力アップにおすすめの食べ物や、食事や生活習慣のポイント、外食やコンビニ食が多い場合の工夫など、免疫力を高める方法を知り、元気な毎日を過ごしましょう!

 

免疫力ってなに?

免疫とは、ウイルスや細菌から体を守る仕組みのことです。
一般的に「免疫力が高い」というのは、ウイルスや細菌から体を守る力が強く、病気になりにくかったり、かかっても軽く済んだりする状態を指します。
しかし、免疫は体にとってプラスの働きばかりではありません。免疫は体によい働きをする一方で、過剰に働いてしまうと体に影響を起こす場合もあります。
たとえば、花粉症は免疫機能が過剰に働いている状態です。体内に入ってきた花粉を異物として捉え、免疫機能が過剰に反応して、目のかゆみやくしゃみといった不快な症状を引き起こしてしまいます。これは免疫力が高い状態ともいえるため、免疫力が高いことが「よいこと」とは一概にいえないのです。
このように「免疫」にはさまざまな側面がありますが、ここでは「ウイルスや細菌から体を守る“よい”仕組み」として、免疫力を高めるために必要な知識をお伝えしていきます。

 

免疫機能と腸の深い関わり

「免疫力を高めるなら腸内環境を整えたほうがよい」と聞いたことはありませんか?
腸は主に栄養の消化・吸収をする場所ですが、外部から細菌やウイルスも侵入してきやすい場所です。腸は免疫細胞の6割以上が集まっているといわれ、侵入物から体を守るため、免疫システムが備わっています。
中でも腸内に住みついている腸内細菌は、直接的に免疫機能をコントロールしたり、代謝物によって間接的にコントロールしたりする役割を担っています。
そのため、腸内環境を整えて腸内細菌が働きやすい状態を作ることが、免疫力を高めることにつながります。

参照:「腸管免疫(gut immunity)」/公益財団法人 腸内細菌学会
 

免疫力を下げる恐れのある食習慣

免疫力はストレスや生活習慣の乱れでも低下してしまいやすいのですが、食習慣によっても低下してしまう場合があります。
たとえば下記は、免疫力低下にもつながる、腸内環境を乱してしまう食習慣の一例です。
このような食習慣を長く続けている方は、腸内環境が乱れてしまっているかもしれません。腸内環境の乱れているサインは、便のにおいがきつかったり、便の色が黒っぽかったりしている状態です。
当てはまる方は次から紹介する食べ物選びのポイントや、食事の工夫の仕方を参考にしてみてください。

  • ・肉を食べる量が多い
  • ・野菜やきのこを食べる量が少ない
  • ・朝食をとらない
 

免疫力を高めるための食べ物・飲み物の選び方

免疫力を高める食べ物とは?

免疫力を高めるために、腸内環境を整えることがひとつのポイントとなります。大人でも子どもでも、基本的なポイントは同じです。どのような食べ物・飲み物を選ぶとよいかを見てみましょう。

乳酸菌

免疫力を高めるために、まず意識して取り入れたいのが乳酸菌を含む食べ物です。乳酸菌は腸内で善玉菌として働き、悪玉菌の増殖を抑えて腸内環境を整えてくれます。
乳酸菌は腸内に住みつくことが難しいとされており、毎日続けて摂る必要があります。朝食や間食など、決まったタイミングでとるようにすると、毎日忘れずに続けやすいでしょう。

【乳酸菌を含む食べ物・飲み物】

ヨーグルト・乳酸菌飲料・チーズ・納豆・キムチ・ぬか漬けなど

食物繊維・オリゴ糖

善玉菌を増やすために必要なのが、食物繊維・オリゴ糖です。食物繊維とオリゴ糖は腸内で善玉菌のエサとなり、善玉菌が増えるのを助けてくれる働きがあります。
乳酸菌とセットで摂ると効果的であるといわれているため、意識して取り入れるようにしましょう。

【食物繊維を含む食べ物・飲み物】

野菜類(ごぼう、おくら、ブロッコリー)・海藻類(ひじき、わかめ)・きのこ類(しいたけ、舞茸)・果物(ブルーベリー、アボカド)など

【オリゴ糖を含む食べ物】

たまねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガス・大豆・バナナ・オリゴ糖シロップなど

 

免疫力を高めるための食事方法や生活習慣の工夫

免疫力を高めるには、腸内環境を整える食べ物・飲み物以外にも、食事方法や生活習慣の工夫も大切です。具体的に、どのような点に気をつけるとよいのでしょうか。

朝食をとる

朝食をとるようにすると、腸への刺激となり、排便をスムーズにしてくれるのを助けます。便秘は腸内環境をさらに乱してしまうため、朝食をとって排便習慣をしっかりつけたいものです。
また朝食により、食物繊維や乳酸菌を補給できると、より腸内環境を整えてくれます。
朝はなかなか食欲がない方でも、バナナやヨーグルトといった簡単なものから食べる習慣をつけてみましょう。

バランスよく食べる

免疫機能が正常に働くために、さまざまな食べ物をバランスよく食べましょう。免疫機能の維持には、たくさんの栄養素が関わっています。具体的には、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンEや、ポリフェノールがあり、野菜や果物、きのこ、魚といった食べ物から補給できます。

十分な睡眠をとる

十分な睡眠により休養をとると、疲労回復につながり、免疫力を高めてくれます。忙しいと睡眠時間が少なくなってしまうかもしれませんが、少しでも質のよい睡眠をとれるよう工夫してみましょう。寝る前に刺激になるスマートフォンの使用や、コーヒーや紅茶といったカフェインを含む飲み物は控えるようにしてみてください。

適度な運動を心がける

適度な運動により、免疫力を高められることが知られています。ウォーキングや筋力トレーニングといった運動はもちろん、通勤や買い物の際に遠回りして多く歩くようにすることでも運動になります。できるところからはじめてみましょう。

 

外食やコンビニ食が多い方への食事選びのアドバイス

外食やコンビニ食が多い方でも、食事選びを工夫すると、免疫力を高める手助けをしてくれます。下記に選び方の例を挙げてみます。
外食やコンビニ食をたまにしか利用しないのであれば、好きなものを食べても問題ありませんが、毎日のように利用する方は下記の工夫が大切です。

【外食やコンビニでプラス一品付け足すなら】

  • ・食事にヨーグルトをプラスする
  • ・野菜やきのこなどをたっぷりとれるメニューにする
  • ・肉やこってりしたメニューばかりになるのは避け、魚や大豆製品を選ぶ
 
免疫力を高めて元気な毎日を過ごそう!

「免疫力が高い状態」に近づくと、体調を崩しにくくなったり、体調を崩した後の回復が早くなったり…といった、さまざまなメリットを感じられるかもしれません。
免疫力に影響する生活習慣の要素は、食生活だけではありません。運動習慣、質のよい睡眠といった生活の工夫も忘れないようにして、元気な毎日を過ごしましょう。

  • 広田千尋

    管理栄養士ライター広田千尋

    病院、保育園、保健センターなどで13年間勤務。生活習慣病の方への栄養相談や、高齢者への栄養サポート、また赤ちゃんや子どもの食事相談など、幅広い年代の栄養サポートに携わる。現在は経験を活かし、フリーランスとして活動中。わかりやすく実践しやすいコラム執筆や、身近な材料で簡単に作れるレシピ作成を得意としている。