風邪をひくと喉が痛くなるのはなぜ?
喉の痛みは発熱、鼻水、咳と同じように風邪をひいたときに生じる症状の一つです。では、なぜ風邪をひくと喉が痛くなるのでしょう?
体を守ろうとする防御反応による炎症
風邪で喉が痛くなるのは、鼻や口から侵入したウイルスや細菌が喉の粘膜に炎症を引き起こすからです。喉の粘膜にウイルスや細菌が感染してダメージが生じると、プロスタグランジンなどの物質が産生されるようになります。
プロスタグランジンは、痛み、腫れ、熱などの炎症症状を引き起こす物質であり、喉の痛みや腫れの原因となります。このような症状は、侵入したウイルスや細菌を攻撃するために生じる防御反応であり、身体を守るために必要な症状なのです。
また、風邪で鼻づまりや鼻水が起きると、口呼吸が増えるため、さらに喉の乾燥を悪化させる原因になります。のどの奥炎症が強いと声がかすれやすく、出にくくなり、気管や気管支の炎症が強くなると咳や痰を引き起こす場合があります。
喉の痛みを引き起こすウイルスの影響
風邪の約80~90%はウイルスが原因で、ウイルスの種類は200以上あると言われています。中でも、感染力の強いウイルスの一つとされるアデノウイルスの感染によって生じる風邪は、喉の痛み(炎症)や発熱、頭痛、食欲低下を引き起こします。とくに、子どもの間でプールを介して広がるケースが多いため、プール熱とも呼ばれています。高熱が続いて喉が赤く腫れ、痛みを伴い、冬に感染するとインフルエンザ並みの高熱が出るのが特徴です。
また、ウイルスの型がいくつもあるため何度もかかりやすいのが、コクサッキーウイルスA群により生じるヘルパンギーナです。感染すると突然高熱が出て、喉の奥に小さな水疱がたくさんでき、食事が辛くなるほど痛くなります。子どもの三大夏風邪と呼ばれる感染症の一つですが、大人も感染する場合があります。
喉の痛みと同時にあらわれる症状
風邪で喉が痛くなると、他にもいくつかの症状が、同時にあらわれる場合もあります。
イガイガする・ムズムズと痛がゆい
炎症により、喉がイガイガ、ムズムズと痛がゆくなる場合があります。喉に違和感があるときは、保湿して乾燥を防ぎ、刺激を与えないように心がけましょう。
ものを飲み込むと痛い
風邪で喉が炎症を起こして腫れると、ものを飲み込むときに痛みを感じる場合があります。ただし、痛みが強いくて飲食できない、息苦しいといった症状が見られたら細菌感染や他の病気が隠れている可能性があります。すぐに医療機関を受診しましょう。
咳や痰が出る
喉の痛みと同時に発症しやすいのが、咳や痰です。栄養価の高い食事を摂り、こまめに水分補給して、部屋を加湿して乾燥を防ぎましょう。ほとんどの場合、1週間以内に症状が軽くなってきます。万が一、咳や痰が長引いている、悪化してきた、といった場合には、細菌感染や他の病気も考えられます。放置せずに医療機関を受診しましょう。
声が枯れる
喉が炎症すると、かすれ声やしわがれ声になったり、発声しにくくなったりします。無理に声を出そうとせず、症状が落ち着くまで喉を休めるようにしましょう。ただし、急に声が出なくなったり、息苦しさを伴うような場合には喉の奥に重度な炎症が生じている可能性が考えられ、緊急で治療が必要な場合があります。できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
風邪で喉が痛いときはどう対処する?
風邪による喉の痛みは、つらく煩わしいものです。喉の痛みを和らげる対処法をご紹介します。
喉を刺激しない
辛いものや熱過ぎる食べ物、アルコールや喫煙は控えましょう。喉から水分を奪い、粘膜を傷つける場合があります。また、大声を出したり、カラオケなどで声を出し続けたり、喉を酷使するのもNGです。喉が痛いときは、できるだけ負担をかけないように過ごしましょう。
マスクを着用する
マスクは感染予防に役立つだけでなく、喉の保湿にも使えます。自分の呼気でマスクの中が高温多湿になるため、ダメージを受けた喉の粘膜が潤って炎症による痛みがやわらぐのです。マスクを少し濡らすのも、湿度を高めるのに役立ちます。とくに睡眠中は喉が乾燥しやすく、鼻づまりが起きているときには口呼吸になるため、さらに乾燥が進みます。炎症が酷くならないように、喉が痛いときにはマスクをするようにしましょう。
また、喉が乾燥していると別のウイルスや細菌に感染しやすくなるため、新たな風邪を引かないためにも喉の保湿は大切です。
体の中と外から保湿する
風邪の原因となるウイルスは、乾燥した空気中で活性化しやすいものが多いとされています。予防を兼ねて部屋を加湿しましょう。
湿度は50~60%になるように調整し、加湿器がない場合にはお風呂にお湯をためて扉をあけておくと、湯気で室内の湿度が上がります。寒い冬の外出時には、口元を覆うようにストールを巻くのもよいでしょう。
喉が痛いときには、体の内側からの保湿ケアも大切です。常温の水やぬるま湯をこまめに飲みましょう。ただし、コーヒーやお茶などカフェインが入っている飲料は利尿作用があり、体内の水分が減ってしまうので控えめに。のど飴やガムは、唾液の量が増えるので喉の保湿に役立ちます。
参照:かぜ症候群/一般社団法人 日本呼吸器学会
参照:インフルエンザの基礎知識/厚生労働省
症状を緩和する内服薬・外用薬を使う
消炎鎮痛作用のある市販薬でセルフケアする方法もあります。水分や食べ物を摂れなくなるほど喉の痛みが強くなると、脱水や体力が低下する場合があるので、薬を服用して症状の改善をこころみましょう。
解熱鎮痛成分のイブプロフェンやロキソプロフェンナトリウム水和物、抗炎症成分のトラネキサム酸といった成分が含まれていると、喉の腫れや痛みに作用します。その他に、トローチやうがい薬も、喉の腫れや痛み、イガイガやムズムズといった不快感の改善効果が期待できます。
喉の痛みに対応した薬の種類と主な成分
喉の痛みがなかなか治らないときは医療機関へ
喉の痛みは、軽い風邪などちょっとした体調不良から生じる場合があります。しかし、「喉に我慢できないほどの痛みがある」「食べ物が喉を通らない」「水分が摂取できない」「高熱がある」「腫れて息苦しい」「咳や痰が酷い」「関節痛や頭痛がある」「倦怠感が強い」といった場合には、単なる風邪ではなく、重症な細菌感染や風邪ではない別の病気のサインかもしれません。そのうち治るだろうと放置すると、炎症が広がって症状が悪化したり、肺炎になるなど命にかかわる場合もあります。セルフケアで症状が改善しないときは、速やかに医療機関で医師の診察を受けましょう。
監修医師からのアドバイス
喉の痛みは軽い風邪などでよく見られる症状の一つです。多くは発症して2、3日目でピークになると7~10日ほどで自然に回復していきます。喉の痛みはウイルスや細菌感染によって引き起こされ、身体を守るための防御反応でもあります。過度に心配することなく、喉を安静にして保湿に気をつけながら過ごすと自然に回復していくでしょう。
しかし、喉の痛みが強い場合は飲食ができなくなり水分や栄養が不足する可能性があります。風邪を治すには十分な水分と栄養を摂ることも必要であるため、回復が遅れる可能性もあるでしょう。また、喉の炎症は重症化すると気管にまで拡がって最終的には肺炎を引き起こしたり、喉の奥が腫れて空気の通り道が狭くなることで呼吸が苦しくなったりすることがあります。
強い喉の痛みや咳、痰、高熱などの症状が3日以上続く場合は医療機関を受診してください。また、息苦しさが出てきた場合は緊急で治療が必要になる場合があるため、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
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