看護師ライター北村由美
看護師として総合病院、地域病院、訪問看護ステーション等で約30年勤務。超低出生体重児から103歳の高齢者まで看護を経験。
自らが家族の介護を行う中「自分の知識、経験が困っている人の役に立てるのではないか」と考えるようになり、ライターを開始。「読者が共感できる記事」をモットーに医療・健康分野の記事、看護師向け記事を執筆している。
野菜不足が気になり、野菜ジュースを手に取るときはありませんか。野菜ジュースはビタミンやミネラルなどを含み、不足しやすい栄養の補給に役立ちます。ただし、野菜ジュースだけで不足が解消されるわけではありません。食事での野菜摂取にプラスする目的で利用しましょう。
歴史をひもとき、栄養素や選び方、おすすめの飲み方を紹介していきます。比較されやすい青汁との違いも解説します。
野菜ジュースは、野菜不足を補えるとして人気が高い飲み物です。野菜100%のタイプや果物をミックスしたタイプなどがあり、お好みで選べます。いつ頃から作られるようになったのでしょうか。歴史や製造過程をみていきます。
世界ではアメリカで1948年にトマトミックスジュースが商品化され、のちの野菜ジュースに影響を与えたとされています。
日本では1933年に初めてトマトジュースが発売されました。戦時中は発売が中止になり、戦後再開されています。1966年、トマトミックスジュースが製品化され、以降多くの飲料メーカーで製造・販売されるようになりました。現在では、スーパーやコンビニエンスストアなどさまざまな店舗で購入できます。
野菜ジュースは、「ストレート」と「濃縮還元」に分類され、製造過程が異なります。それぞれの違い、メリット・デメリットを表に示します。
野菜ジュースの栄養素は、原材料となる野菜の種類により異なります。主に以下の栄養素が含まれます。
加工によりリコピンやβ-カロテンの吸収率は高くなるとされています。いっぽう、ビタミンCや食物繊維は加工により損失しやすい成分です。バランスのよい食事摂取が大切なのです。
野菜不足を野菜ジュースで補えるのでしょうか?そもそも日本人は野菜不足です。厚生労働省では、成人の野菜摂取量の目標値を「1日350g以上」としています。
令和元年の「国民健康・栄養調査結果の概要」によると、日本人の平均摂取量は目標には約70g不足しています。野菜ジュースは、不足しがちな栄養を補う目的での使用がおすすめです。「野菜の代わり」になるわけではないので注意しましょう。基本は食事からの摂取です。
野菜ジュースの種類はさまざまあり、選び方に迷う方もいるかもしれません。野菜の種類や飲みやすさ、糖質量や添加物の有無で選んでみるとよいでしょう。一つずつ解説します。
野菜や果物の種類、栄養素で選んでみましょう。野菜ジュースの多くは、トマトやにんじんがベースとなっています。トマトを含む場合はリコピン、にんじんを含む場合はβ-カロテンを効率的に摂取できます。不足している野菜や栄養素に着目してみるといいでしょう。
野菜ジュースは、野菜100%のタイプ、果物をミックスしたタイプに分類されます。野菜100%の場合、飲みづらさを感じる方がいるかもしれません。果物をミックスしたタイプは苦みやクセが抑えられ、野菜が苦手な方におすすめです。
野菜ジュースを日常的に飲む方や、摂取カロリーを気にされる方は、糖質量や添加物の有無で選んでみてください。野菜や果物の種類により、糖質の多い商品もあります。パッケージを確認し、購入するようにしましょう。
野菜ジュースを上手に利用するためには、飲むタイミングや量がポイントです。それぞれみていきましょう。
飲むタイミングは朝食前がおすすめです。ジュースの刺激により体が目覚め、スッキリした一日を過ごせます。日中活動するエネルギー源としても使われます。午後3時もいいタイミングです。ちょうど小腹がすく時間であり、空腹感を紛らすことができます。
飲む量は、1日に200ml程度が目安です。野菜ジュースは糖質や塩分を含むため、飲み過ぎると過剰摂取につながる可能性があるのです。健康を損なわないようにするためにも注意しましょう。
野菜不足が気になるときは、青汁を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。野菜ジュースと青汁の違い、メリットを詳しく解説します。
野菜ジュースと青汁は、野菜の種類が異なります。野菜ジュースは、トマトやにんじんなどのほか、さまざまな野菜が使われています。いっぽう青汁は、大麦若葉やケールなどの緑葉野菜です。昔は美味しくないイメージの強かった青汁ですが、最近は飲みやすい商品も増えました。
野菜ジュースも青汁も、β-カロテンやビタミンC、カリウム、カルシウムが含まれており、野菜不足の栄養補給に役立ちます。両者のメリットは下記の表の通りです。
野菜ジュースは、果物がミックスされた商品も多く、野菜が苦手な方も飲みやすくなっています。青汁は、野菜ジュースでは少ない食物繊維を摂取できます。バランスのよい食事と合わせて利用してください。
健康な生活を維持するための野菜摂取量の目標は、1日350gです。野菜サラダや野菜の煮物、具だくさんの味噌汁など、1日5~6皿程度の摂取が目安です。しかし、多くの方は不足しており、あと70g程度摂取する必要があります。とはいえ、調理をする時間がない方や、外食に頼りがちな方などは、食事のバランスが乱れやすくなります。野菜は1日1皿追加するようにして、不足しやすい栄養素の補給に野菜ジュースを利用しましょう。
参照:eヘルスネット「野菜、食べていますか?」/厚生労働省
各ブランドの商品一覧をご確認いただけます。