美容×健康ライター中村里歩
元美容師で「超」がつく美容・健康マニア。試した美容法・健康法は数知れず…。経験を活かし、美意識の高い女性や、健康に悩む男性に寄り添う記事を執筆するべく活動中。
モットーは「明るく前向きに」「日進月歩」。AIに負けない、読者への愛がたくさん詰まった記事を執筆するため日々勉強中。
肌が乾燥する原因は、誤ったスキンケア、空気の乾燥、加齢、紫外線、生活習慣の乱れです。また、春の気温の寒暖差や夏の強い紫外線、秋の乾燥した空気、冬の寒さといった季節特有の原因も考えられます。つまり、肌が乾燥する原因はひとつではないのです。
乾燥対策は、「乾燥について知る」ところから始めてみましょう。原因や対策方法がわかれば、乾燥との上手な付き合い方がみえてくるはずです。
肌が乾燥すると、肌のカサつきやザラつきがあらわれます。乾燥が進んで悪化すると、かゆみや赤み、ゴワつき、ひび割れなどの症状が出てくる場合も。なぜ乾燥によって肌が変化するのか、原因や乾燥肌にみられる症状を詳しくみていきましょう。
乾燥というと「水分不足」のイメージが強いかもしれませんが、実は水分だけでなく油分も不足しています。ここでいう油分とは、毛穴から出て角質層をおおっている「皮脂」です。
皮脂は皮脂膜をつくり、肌内部にある水分の蒸発を防いだり、肌を外的刺激から守ったりする役割を担っています。ところが、空気の乾燥や加齢、紫外線によるダメージなどで、皮脂の分泌量は低下します。
皮脂量の低下、つまり肌の油分が不足すると、うるおいを保持できなくなり、乾燥を引き起こしてしまうのです。
乾燥している肌は、「肌を守る」働きをするバリア機能が低下しています。肌のバリア機能とは、角質層に存在している「皮脂膜」「角質細胞間脂質」「天然保湿因子」などが担っている役割です。
肌のバリア機能が低下すると、水分が逃げやすくなります。さらに、ウイルスや細菌、紫外線といった外的刺激の影響を受けやすくなり、肌荒れを引き起こす場合があります。
なぜ水分や油分が不足したり、肌のバリア機能が低下したりするのか、肌が乾燥する原因を紐解いていきましょう。
肌が乾燥するのは、スキンケアの方法が間違っているのかも。よくある間違いは、洗いすぎや擦りすぎです。肌の汚れを落とそうと洗浄力の強い洗顔料を使用すると、皮脂まで奪い取る可能性があります。
また、汚れやニキビなどの気になる部分を擦ったり触ったりしすぎるのもNGです。肌に余計な刺激を与えると、肌のバリア機能が低下する場合があります。
空気が乾燥すると、肌の水分は蒸発しやすくなります。そのため、気温の下がる秋や冬は必然的に乾燥しがちに。また、冷房や暖房による湿度の低下にも注意が必要です。とくに、エアコンは空気中の水分を吸収するため、長時間使用するとあっという間に肌の水分が奪われてしまいます。
乾燥を語るうえで避けて通れないのが、加齢による乾燥です。年齢を重ねると、肌のバリア機能をつくっている皮脂や細胞間脂質(セラミド)、天然保湿因子が減少します。すると、肌のバリア機能がうまく機能しなくなり、水分・油分不足が起きてしまうのです。肌のバリア機能低下は全身で起きるため、顔だけでなく、腕や脚も乾燥しやすくなります。
紫外線は、角質層にダメージを与えます。すると、肌のバリア機能が低下して、肌の水分が奪われやすい状態に。また、肌のバリア機能が低下している状態で紫外線を浴びると、ダメージをダイレクトに受けるので、さらに乾燥を進めてしまう場合があります。
食生活の乱れや睡眠不足などの生活習慣が原因で、肌のバリア機能が低下し、乾燥を招くケースもあります。とくにビタミン不足には注意が必要です。また、睡眠を十分にとらないとターンオーバーがうまく機能しなくなるので、角質が固く厚みを増し、ガサガサとした肌質になったり黒ずみができたりします。
乾燥肌は季節とも深くかかわっています。乾燥肌の原因と、季節に合わせた対策方法をみてみましょう。
春の乾燥は、昼夜の寒暖差が原因のひとつ。肌の水分と油分のバランスが崩れやすく、皮脂を十分に分泌できないため、肌のうるおいを保てないのです。また、春の風が運ぶ「花粉」や「黄砂」なども肌によくありません。乾燥してバリア機能が低下している肌に刺激物が付着すると、肌荒れを引き起こしたりアレルギー反応が出たりする場合があります。
強い日差しにさらされる夏は、過度に紫外線を浴びると肌のバリア機能をうまく保てなくなり、乾燥を引き起こします。また、体温調節のためにかく汗も肌の水分を奪い取る要素のひとつです。汗には塩分やアンモニアが含まれているため、肌に残ると刺激となり、肌荒れを引き起こすケースもあります。
夏の間に受けた紫外線のダメージにより、秋の肌はバリア機能が低下しています。その状態で急激な空気の乾燥にさらされると、乾燥が一気に進行してしまいます。また、暖房を使う機会が増えるのも、乾燥を引き起こす原因のひとつです。
冬の乾燥は、気温と湿度の低下がかかわっています。冬は長時間暖房を使用したり、長い時間お風呂につかったりするので、肌のうるおいが奪われやすく、乾燥が深刻化しやすくなります。
肌を守るには、「肌と身体への思いやり」が大切です。どのような点に注意をしてケアすればよいのか、詳しくみていきましょう。
乾燥対策の要は、なんといっても「保湿」です。洗顔後や入浴後はすみやかに保湿剤でうるおいを肌に閉じ込めましょう。とくに乾燥が気になる部分は、こまめに保湿するのも、うるおい肌をキープするコツです。日本皮膚科学会診療も「一度に大量に塗るのではなく、2回に分けて保湿剤を使用する方が効果を実感できる」と発表しています。
保湿のタイミングやコツは、以下の方法を参考にしてみましょう。
肌は刺激に敏感なので、よかれと思っておこなっているフェイスマッサージやピーリングなどが、実は肌にとっては刺激になっている場合があります。乾燥が気になるときは、なるべくバリア機能を低下させないように、刺激を与えない方法でケアするのがポイントです。
洗浄力の高い洗顔料で洗う、タオルでゴシゴシと勢いよく水を拭き取る、パッティングしながら保湿する、といった方法は、肌に負担をかけやすい行為です。「肌をやさしく丁寧にあつかう」という意識を忘れずにスキンケアをおこないましょう。
規則正しい生活ができていますか?次のチェックポイントを確認しながら、自身の生活習慣を振り返ってみましょう。
生活習慣が整えば、肌が生まれ変わるサイクルも整います。すぐに効果を実感できる対策ではありませんが、少しずつ変わっていく肌の変化を楽しみましょう。
肌の乾燥が進行すると、カサつきやかゆみだけでなく、黒ずみやひび割れ、さめ肌など見た目に影響を及ぼす可能性があります。うるおいをしっかりキープするには、乾燥肌が悪化する前からこまめな保湿をおこない、生活習慣を整える必要があります。辛い乾燥の季節に負けない肌を目指して、セルフケアを頑張りましょう。
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