一級建築士・ライフスタイルライター神谷三理砂
住宅やインテリアの意匠設計に従事した経験を活かし、家の間取りやデザイン、インテリアなど住まいに関するコラムを多数手掛ける。ジュエリーデザイナーとしての経歴も長く、ファッション系コラムも執筆。最近は、より生活に役立つ記事を書きたいという思いから健康コラムに力を注ぐ日々。
刺繍や洋裁、家庭菜園といった手仕事を楽しむ暮らしを大切にしている。
「有酸素運動」と「無酸素運動」の違いを知っていますか?負荷の強さや必要な運動時間、期待できる効果が異なります。やみくもに運動をしても十分な効果を得られないので、自分の健康目標に合う運動を選び、適切な順番で行い、さらに継続的に続けるのが大切です。
有酸素運動と無酸素運動の基本的な違いや代表的な運動の種類、適切なトレーニングの順番や組み合わせについて解説します。健康的な体づくりにお役立てください。
運動には大きく分けて「有酸素運動」と「無酸素運動」の2種類あり、特徴や効果に違いがあります。
低~中程度の強すぎない負荷をかけ、一定の時間継続して行う運動です。酸素をたくさん取り入れて体内の脂質や糖質をエネルギーに変換するため、有酸素運動と呼ばれています。筋肉への負荷は低めですが、長時間にわたる運動により体脂肪の減少が期待できます。また、血液を通じて酸素を運ぶため血流量が増加。心肺機能を向上させます。
有酸素運動は、体の脂肪を燃焼させてダイエットしたい方や持久力を上げたい方に適しており、運動が苦手な方でも気軽にはじめやすい点も魅力です。
有酸素運動の中でも比較的強度が低いので、運動が苦手な方や高齢者でも行いやすいのがメリットです。ダイエット目的なら40~60分程度、健康維持が目的なら30分程度を目標に行いましょう。
ウォーキングに慣れてきて負荷を上げたくなったら、ジョギングが最適です。長時間継続して行うのが大事なので、20分以上を目標に無理のない範囲で行いましょう。走行距離は意識しなくて大丈夫です。
消費カロリーが高く、足腰への負担をさほどかけずに有酸素運動ができます。休憩をとりながら、20分以上泳ぐようにしましょう。運動が苦手な方や高齢者は、水中を歩くだけでも十分です。
他にも、有酸素運動としてはランニング・エアロビクス・サイクリング・フィットネスバイク・ダンス・縄跳びなどが挙げられます。
酸素を取り入れずに、短時間で高い負荷をかけて行う運動です。糖質が主要なエネルギー源となり、酸素を必要としないので無酸素運動と呼ばれています。消費カロリーは少ないものの、ピンポイントで筋肉を刺激できるので、効率よく鍛えられるのが特徴です。また、無酸素運動によってつくられる乳酸は脳を刺激し、脂肪を分解して筋肉を成長させる成長ホルモンの分泌を促します。無酸素運動を行えば筋肉量が増え、基礎代謝量も向上するので、太りにくく痩せやすい体を実現しやすくなるでしょう。有酸素運動に比べて筋肉への負荷が高いので、瞬発力を上げたい、筋肉量を増やしたい、基礎代謝を高めたい方に向いています。
短距離走、重い負荷をかけて行うウエイトレーニング、マシントレーニング、プランクやスクワットなど自重を利用したトレーニングが挙げられます。
自重で行うトレーニングは筋肉にかけられる負荷が決まってしまい、強度が上げられないので、筋肉を大きくしたい場合は道具を使った筋トレを取り入れましょう。初心者や運動が苦手な方は、まず自重でトレーニングを行い、慣れてきたらウエイトトレーニングにチャレンジするとよいでしょう。運動強度が高いので、運動後は入念なストレッチを行い、筋肉痛や怪我のリスクを軽減してください。
脂肪を燃焼させる有酸素運動と筋肉を鍛える無酸素運動の2つの要素をあわせ持つ運動があります。
呼吸を意識して行うヨガは、有酸素運動としての要素が高いです。しかしポーズによっては深層部にあるインナーマッスルに強い負荷がかかる無酸素運動になります。脂肪を燃焼したいときは有酸素の要素が強いポーズを、ボディラインを引き締めたいときには無酸素の要素が強いポーズを選びましょう。
ボクシングやキックボクシング、ボクササイズは、息を吸いながらフットワークを使ってパンチやキックを繰り出している間は有酸素運動、力強いパンチを打ち続けるコンビネーションでは無酸素運動の効果を得られます。
ボールを打って走り回るテニスは、激しいラリーの中で瞬発力が求められ、無酸素運動となります。逆に、ゆっくりとしたペースでラリーを続けると有酸素運動に転じます。
有酸素運動と無酸素運動を行う順番は、運動をする目的によって変わります。行う順番を間違えると効果が出にくくなるので注意しましょう。
ダイエットが目的の場合、有酸素運動のみでもある程度の脂肪燃焼を期待できますが、無酸素運動と組み合わせると効果が出やすくなります。筋肉量が増加すると基礎代謝が上がるため、通常の日常生活でもエネルギーの消費量が増えるからです。
脂肪燃焼の効率を上げるためには、はじめに無酸素運動で体脂肪を分解してから有酸素運動を行います。とくにダイエットに適したトレーニング方法として挙げられるのは、有酸素運動と無酸素運動を短時間で交互に行うサーキットトレーニングです。各部位の筋トレにかける時間は30秒ほど。1回あたりのトレーニング時間が20~30分程度でも、脂肪燃焼が期待できます。ただし、筋トレをやりすぎると、後から行うランニングなどの有酸素運動でケガをするリスクが高まるので注意しましょう。
筋力を増強したいなら、無酸素運動の筋トレをメインで行いつつ、有酸素運動も組み合わせて行いましょう。とくに「筋肥大」と呼ばれる筋肉量を増やす目的の場合、筋肉に十分な負荷をかけるのは不可欠です。
とはいえ、体力の限界までトレーニングを行った後、すぐに有酸素運動を続けるのは難しく、筋肉に休息を与える必要もあります。高い負荷がかかる無酸素運動を連日行うと筋肉の修復が追いつかなくなり、逆に効果が損なわれてしまうからです。筋肉の修復時間は部位によって異なりますが、一般的に48~72時間ほど必要とされています。
全身を筋トレした後は、1~2日おきに休息をとり、休息の間に軽い有酸素運動で体を動かしましょう。筋肥大を目指す場合は、筋肉の部位ごとにトレーニングを分割するスプリットトレーニングが最適です。全身の筋肉を2~4つのグループに分け、1週間のローテーションで順次筋トレしていけば、一つひとつの部位に十分な負荷をかけながらバランスのとれた筋肉をつくれます。
体力を向上させたいなら、有酸素運動をメインで行ってから無酸素運動を行いましょう。はじめに有酸素運動を行うと心拍数が上がり、心拍数が上がると脂肪を燃焼しやすくなるからです。また、有酸素運動で多くの酸素を体内に取り入れ、筋肉があたたまった状態で筋トレできるので効率的に鍛えられます。有酸素運動は、ランニングや水泳といった強度が高めの運動を選びましょう。
運動をはじめると多くの人が早く結果を出そうとしますが、体に負担をかけすぎるとケガのリスクを高めてしまいます。体力や年齢、運動の目的によって適切なペースは異なるので、とくにこれまで運動の機会がなかった方は無理をせず、少しずつペースや負荷を上げていきましょう。
運動は習慣化し、継続して行うのが健康にとって大切。健康的なダイエットを目指すなら、サプリで補うのもおすすめです。
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