セラピストライター白井未奈子
サービス業を10年経験するなかで、リラクゼーション業務に出会い「人を癒す」ことに目覚める。
フリーランスに転向して以降は、ボディートリートメントとフェイシャルエステの知識を活かし、美容・健康系の記事執筆を中心に担当。今は手ではなく、文章で読者にくつろぎとすこやかさを届けることを目指している。
服の花粉対策は、粒子のつきにくい服装選びと落とし方がカギです。目が粗いウールなどはなるべく避け、ツルツルとした素材を選ぶのが理想的。柔軟剤を入れて洗濯するほか、静電気防止スプレーを使用すると予防になります。外出直後はブラシではたく&コロコロをかけ、とくに心配なアウターにはクリーナーといった家電も有効。服につく花粉をキレイにするクリーニングも利用しつつ、シーンに応じて適切にケアしましょう。
毎年花粉に悩まされている人は、まず花粉を部屋に入れないのが第一です。小さな花粉の粒子は、知らず知らずのうちに服についてしまいます。服についた花粉を連れ帰ってしまうと、室内にいるにもかかわらず花粉と戦う羽目になりかねません。外出前に行っておきたい、素材選びと洗濯方法からチェックしてみましょう。
花粉シーズンは、ずばり花粉がつきにくい素材の服を選びましょう。素材に対する花粉のつきにくさは、静電気の起こりにくさにも関係しています。静電気が発生しにくいナイロンやポリエステルは花粉もつきにくく、静電気が付き物のウールには花粉も絡みやすいです。ナイロンやポリエステル、革はツルツルとした手触りも相まって、花粉がすべり落ちやすく留まりにくいといわれています。また、花粉が絡まりにくい綿を選ぶのも手です。
花粉がつきにくいコーディネートをしたいからといって、静電気が起きにくい素材同士の服を組み合わせればよいわけでもありません。そもそも静電気は、プラス・マイナスに帯電する素材がこすれ合って発生します。たとえば、ナイロン(プラスに帯電)とポリエステルもしくは綿(マイナスに帯電)を選んでしまうと、静電気が発生しやすい=花粉がつきやすい組み合わせになってしまうので注意しましょう。
静電気&花粉対策として、外出用の服を洗濯するときは柔軟剤を入れるのが有効です。なめらかな手触りに仕上げる柔軟剤には、繊維同士の摩擦を抑え、静電気を防止する効果も期待できます。香りにこだわれば、花粉シーズンのモヤモヤも晴らしてくれるでしょう。
柔軟剤を入れて洗濯するのに加え、お出かけ前には静電気防止スプレーを使ってみてください。静電気防止スプレーの多くに含まれる界面活性剤もまた、静電気防止効果が見込めます。スプレータイプなら、洗濯機洗いできない素材の服やアウターにも使えて便利です。
花粉シーズン中は、外ではなく部屋干しが基本です。部屋干しをすると生乾き臭も気になりやすいですが、部屋干し対応や消臭効果のある洗剤を選ぶと吉。今ある洗剤を使い切りたいなら、塩素系漂白剤でのつけ置きや重曹を併用すれば、不快なニオイを軽減できるでしょう。生乾きによる雑菌が繁殖しないよう、風通しをよくして素早く乾かすのも重要です。
いくら対策をしていても、服につく花粉を完全には防げません。ついてしまった花粉を持ち込まないためには、家に入る前の行動がカギとなってきます。外出直後に実践したい、花粉の正しい落とし方を確認しておきましょう。
花粉を連れ帰らないためには、まず玄関に入る前に服をはたくのが基本です。とくに袖やアウター・ボトムスの裾、バッグの触れていた部分は静電気が起こりやすく、花粉も付着しやすいと考えられます。外気に直接触れる帽子やマフラーも、念入りにケアしましょう。
ちなみに手ではたくと、手の油分で花粉が服に定着してしまい、かえって落ちにくくなる場合もあります。端を持ってパタパタして払い落とすか、洋服用のブラシを使うのが理想的です。
花粉対策のためにブラシを新調するなら、天然素材がおすすめです。洋服用ブラシは大きく分けて天然素材と化学繊維の2種類があり、天然素材は静電気が起こりにくいメリットもあります。また、ブラシをかける服の種類や使い勝手も加味して選ぶとなおよし。アウターなど面積の大きい服にも使いたいなら、しっかり握れる大きめのブラシが有力候補でしょう。
服をはたいて花粉を粗方落としたあとは、粘着性のあるクリーナーが役立ちます。手やブラシでは落としきれなかった、服の細かい部分に入り込んだ花粉までしっかり除去できるでしょう。帰宅後すぐに使えるように、玄関先に備えておくと便利です。
「花粉対策を本格化したい!」といった方は、花粉対策用の家電を導入するのも一案です。ほぼ年中飛散している花粉を撃退できる家電は年々増えています。なかでも服につく花粉に向くのが、扱いやすいハンディクリーナーや衣類スチーマーなどです。脱臭や除菌機能付きのタイプもあります。部屋のスペースに余裕があるなら、服をかけておくだけで花粉を除去できるクローゼット型のクリーニングマシンにも注目してみましょう。
花粉がついてしまった服は、最終的になるべく早い洗濯が求められます。ブラシや家電で十分に落としたあとは、40℃程度のぬるま湯をためて洗濯機を回しましょう。水よりぬるま湯の方が、花粉をしっかり落とせるといわれています。洗剤を入れるときは、外出前の対策同様、柔軟剤を加えて静電気を防止しておくとばっちりです。
花粉がつきやすい服のなかには家の洗濯機で洗えない素材もあり、いくら静電気防止スプレーを使っても不安がぬぐえません。洗濯機洗いできない服におすすめなのが、花粉除去のためのクリーニングです。花粉のシーズン終わりに出しておきたい、クリーニングのメリットも確認しておきましょう。
花粉除去のクリーニングに出せば、自宅で洗えない服もきちんとお手入れできるのが魅力です。なかには花粉を落とすだけでなく、付着を防ぐメニューを扱っているところもあります。ただし、すべてのクリーニングで花粉が落とせるわけではありません。とくに石油溶剤を使うクリーニングは、花粉除去に特化していません。仕上がりに石油の独特のニオイがするクリーニング店は、服の花粉対策には向かないと思っておく方がよいでしょう。
クリーニング店のなかには、花粉だけでなくウイルス対策もできるところがあります。服の繊維にウイルスを寄せ付けなくする工夫を施すのが、VB加工(抗ウイルス加工)です。ニットや厚手のアウターなどを着用する冬は、ウイルスから身を守りたい季節でもあります。服の花粉とウイルス対策を同時に行いたいなら、ぜひ活用してみてください。
花粉シーズンでも、ひどく汗をかいた日の服など、できれば外干ししたいときもあるかもしれません。外干しの花粉対策は、取り込むときの行動と干す時間帯がポイントです。花粉の飛散ピークの時間帯(正午~昼過ぎ&夕方)を避けて干し、部屋に入れる前には1枚1枚丁寧に花粉をはたいて落としましょう。はたくだけでも、服につく約6割の花粉を落とせるといわれています。臨機応変に対応し、ツラい花粉の時期も快適に過ごしましょう。
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