今週の限定セール 初回10%オフ

花粉症は子どももつらい!学校・園での対策、受診と薬選びのポイントを知ってストレスを減らそう

マスク・マスクアクセサリーMASK ACCESSORY
MORE
2024/02/23

花粉症の子どもが増えています。「授業に集中できない」「目をかきすぎて痛い」「症状のせいで夜眠れない」と、子どもがストレスを感じるのは心配です。
病院を受診する際のポイントや市販薬の選び方、学校・園・家庭でできる対策を知っておけば、花粉症のつらさを軽減できる可能性があります。
子どもの花粉症対策のポイントを知り、生活への影響を最小限におさえましょう。

 

花粉症の子どもは増えているの?

今や国民の多くが悩まされる花粉症。とくに10歳以上の発症率が高く、10歳から60歳までの半数がスギ花粉症とする調査結果もあります。
気になるのは花粉症の低年齢化です。環境省による「花粉症環境保健 マニュアル2022」によると、0歳から14歳までのおよそ40%がスギ花粉症。割合は10年間で約14ポイント上昇しています。

年齢別スギ花粉症推計有病率
出典:環境省「花粉症環境保健 マニュアル2022」

また、0歳から4歳までの子どもでは3.8%であるのに対し、5歳から9歳までの子どもでは約30%が罹患しているといった調査結果もあります。つまり、就学前から学齢期にさしかかる時期に、花粉症が一気に増えているのです。

年齢別花粉症推計有病率
出典:福井大学スギ花粉症対策室「小学生のスギ花粉症をマスクで予防」
 

花粉症の子どもの特徴

子どもは大人と比べ、花粉症の症状が生活に影響しやすいです。
具体的には、学習に集中できなかったりイライラしやすくなったりします。症状がひどく睡眠不足になると、昼間でもボーッとする、元気がない、といった様子も出てくるかもしれません。
環境省が2002年から2年間で約5000人の小学生を対象におこなった大規模調査では、スギ花粉症の有病率と、スギ花粉の飛散数や、両親のアレルギー歴との間に関連が認められています。
両親が花粉症に悩まされている場合、残念ながら子どもに遺伝する可能性があるでしょう。

参考:環境省「花粉症環境保健 マニュアル2022」

大人と子どもの花粉症の違い

大人と子どもで、症状の出方や感じ方に違いはあるのでしょうか。
花粉症による鼻水は、大人の場合はサラサラした水状ですが、子どもは少し粘っこい鼻水も出る場合があります。大人と比べ頻繁に鼻をかめない子どもが多く、鼻周りの皮膚が荒れやすいのも特徴です。

子どもの花粉症発症にいち早く気づくには?

年齢や発達段階によっては、花粉症の症状を大人に伝えられないかもしれません。子どもの変化に気づいてあげられるよう、ポイントをおさえておきましょう。
まず、鼻水や鼻詰まりが気になると、鼻の周りを触ったり、鼻の穴に指を入れたりする行動が起きやすくなります。中にはいじりすぎて鼻血が出るケースもあり、注意が必要です。
また、目のかゆみを我慢できずかいてしまい、充血や目の周りのむくみにつながる場合も。子どもの様子や行動に注意しておきましょう。

花粉症と風邪の見分け方

花粉症と風邪には共通した症状が多く、見分けるのが難しいでしょう。
分かりやすいのは発熱、目のかゆみの有無です。ただし、花粉症でも症状が重いと微熱や下痢につながる場合もあり、一概にはいえません。
発作的にくしゃみが連続で出る、透明でサラサラした鼻水が止まらない場合は花粉症を疑います。花粉の飛散量が多い時間帯や天候に症状がひどくなるのもひとつの目安です。

 

子どもの花粉症を治療したいときは

花粉症が疑われる症状が出ていると、子どもの親としては、なんとかしてあげたくなるものです。少しでも早く症状を改善したいときは、どのように治療を進めていけばよいのでしょうか。

まずは受診して正確な診断を

大切なのは専門家の診断です。家庭で判断せずにまずは病院を受診しましょう。
親からみて「花粉症かな」と思っても、違う病気や感染症が隠れている場合もあります。
アレルゲンも一つとは限りません。「花粉と思い込んでいたけれど実はダニが原因だった」「時期からみてスギ花粉が原因だと思ったが、検査してみたら他の花粉もアレルゲンだと分かり、対策につながった」といった声も聞かれます。

子どもの花粉症は何科?

花粉症かなと思ったら、まずは小児科を受診しましょう。診察・検査の上、必要に応じて耳鼻科や眼科の受診を勧められます。
重症の場合は「アレルギー科」を診療科目に掲げているところに相談するのもおすすめです。

花粉症での受診のタイミング

今まで症状が出ていなかった子どもが、急に鼻水・くしゃみ・目のかゆみを訴えた場合、親からみて「つらそうだな」と感じた時点でできるだけ早く受診するのがおすすめです。
また、明らかに花粉症と分かっている場合は、花粉の飛散シーズン前に受診しましょう。花粉症の治療は開始のタイミングが重要。症状が出始める前に受診すれば治療の効果が上がります。

 

子どもの花粉症は市販薬で対応できる?

花粉症の症状が軽い場合は、市販薬を試すのもひとつの手です。ただし、前述したように専門家の診断が最も安心。3~4日程度、市販薬を継続しても効果がみられない場合は、病院を受診しましょう。

子どもの花粉症で悩んだときの市販薬の選び方

子ども用の花粉によるアレルギー症状の薬の種類は限られています。まずは、子ども用として対応しているか、飲みやすい形状や風味かをチェックしましょう。子ども用と書いていても、対象年齢が異なる場合もあるため確認が大切です。
また、苦い薬を嫌がる場合は、飲みやすいいちご風味やブドウ風味を選びましょう。粉薬が飲みにくいなら、チュアブル錠やシロップもオススメです。
つらいポイントがどこかによって、内服薬・目薬・点鼻薬と種類が異なってきます。子どもからの声や、親からみた症状を薬剤師に伝えて選びましょう。

 

子どもの花粉症に家庭でできる対策

花粉症は子どももつらい!

ウイルス性の風邪とは異なり、花粉は比較的対策しやすいといえます。家庭でできる花粉症対策の基本は、「健康によい生活を心がける」です。

バランスのよい食事

食事内容の偏りはアレルギー症状につながる可能性があるといわれています。できるだけ多くの食材を使い、バランスのよい食事を心がけましょう。

手洗い、うがい、鼻うがい

分かっていてもおろそかになりがちなのが手洗いやうがいです。この機会に、家庭で基本的なやり方を復習してみましょう。鼻の症状が重い場合は鼻うがいも効果的とされています。年齢の高い子どもには試してみてもよいかもしれません。

鼻のかみ方を教える

とくに低年齢の子どもにとって、鼻をかむのは難しいでしょう。すっきりするまで鼻をかめるようになると、自覚症状が改善するケースも多いので、根気強く練習するのが大切です。片方ずつ鼻を押さえて上手にかめると、耳の病気の予防にもつながります。

睡眠の確保

心身の疲れやストレスによってアレルギーが出やすくなる場合があります。花粉症の症状で普段より眠りが浅くなりがちなので、就寝時刻を早めるのもおすすめです。

加湿器の使用

空気が乾燥をしていると、のどや鼻の粘膜のバリア機能が低下したり、花粉が飛散しやすくなったりするといわれています。春先になると加湿器の使用をやめる家庭が多いですが、もう少し長く使い、乾燥を防ぎましょう。

 

花粉症の子ども、学校生活での対策は?

花粉症の症状を抱えながら学校・園・塾に通うのは大変です。花粉症によるストレスを軽減し勉強・スポーツ・外遊びに集中できるよう、以下に気をつけてあげてください。

マスク

花粉をブロックするには、何といってもマスクが効果的です。子どもの顔の大きさや形に合ったマスクを選びましょう。ただし、花粉が付着したマスクをつけ続けるのは逆効果です。こまめに交換するよう声かけを忘れずに。

花粉メガネ

目のかゆみがつらい子どもには、通学時の花粉メガネが効果的です。一方、ケガのリスクもあるため、運動時にはなるべく外すよう伝えましょう。

箱ティッシュ・ゴミ袋

学校や園に行く際、ポケットティッシュを持たせる家庭が多いですが、鼻水が多い時期にはあっという間に使い切ってしまいます。そんなときは箱のティッシュを持たせると便利です。底部分に穴を開け、机のフックにかけると使いやすくなるでしょう。授業中は使用済みのティッシュを捨てづらいので、ゴミを入れるポリ袋が役立ちます。

ツルツルした素材の服

花粉を持ち込まないよう、花粉がつきやすい素材を避け、ツルツルした素材の服を選びましょう。帰宅時も含め、外から室内に入る前に、花粉をはたき落とすのもあわせて伝えてあげてください。

担任との連携

花粉症の症状が重くつらそうなときや、新たに薬を飲み始めたときは、担任に連絡帳などで伝えておくと安心です。副作用の可能性があるときも学校側に連絡しましょう。

 
対策で花粉症と上手につきあい、スムーズな学校生活を

花粉症は大人でもつらく、子どもはなおさらです。しかし、花粉症とのつきあいは悪い点ばかりではありません。
自分の体調を自覚して対応したり、症状が出る時期にあらかじめ対策したりするのは、今後の人生を健康で過ごすための大切なスキルです。「花粉症はやっかいだけれど、子どもの“健康力”がアップするチャンス」と逆転の発想でとらえてみてはどうでしょうか。
そのためにも、早めの対策をとり、症状がラクになった経験をさせてあげてください。

  • 中村藍

    教育・福祉・取材ライター中村藍

    小学校・特別支援学校での20年の教師経験を活かし、教育や発達支援、福祉分野で活動するライター。
    現在も公立学校非常勤講師として教育に携わる。日本音楽療法学会認定音楽療法士の資格をもち、社会福祉法人にて非常勤の音楽療法士としても勤務。
    「わかる・できる・ラクになる」をモットーに、子どもたちや保護者に寄り添い、学校生活や家庭でのお悩みごとを解決に導く記事を心がけている。