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【医師監修】風邪薬の役割とは?市販薬・処方薬の違いや症状にあった成分を知り、もしもの時に悩まず選ぼう

風邪薬・解熱鎮痛剤COLD MEDICINE
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2024/03/20

風邪薬には発熱やのどの痛み、鼻水などの症状を和らげる効果が期待できます。ひきはじめは市販薬が便利ですが、種類が多いため、選び方に迷う人も多いはず。まずは、自分の症状に合った製品を選ぶのがポイントです。「眠くなりにくい」などタイプ別で選んでみるのもいいでしょう。症状が長引いたり、選ぶ薬が分からない場合は、医療機関を受診し、薬を処方してもらいましょう。病院の処方薬と市販薬の違い、症状別の選び方や目的別の選び方を理解し、自分に合った風邪薬選びに役立ててください。

  • 成田

    監修医師成田 亜希子

    2011年医師免許取得。初期臨床研修を経て総合診療医として幅広い分野の治療に携わる。
    臨床医として勤務しながら、行政機関での勤務経験もあり地域の健康課題にアプローチした健康寿命延伸、感染症対策などの医療行政にも携わってきた。 国立保健医療科学院、結核研究所での研鑽も積む。 現在、医療法人ウェルパートナー主任医師。

 

風邪薬とは

いわゆる「風邪薬」は病院で処方される薬と市販薬の2種類あり、正式には総合かぜ薬と呼ばれます。風邪の症状が生じたときには、どちらを選ぶのがいいのでしょうか。風邪薬の役割と、2種類の違いについて解説します。

風邪薬の役割

風邪薬は、風邪を「治す」ための薬ではなく、発熱・のどの痛み・鼻水・せきやたんといったつらい症状を和らげる薬です。風邪の原因のほとんどはウイルスですが、市販の風邪薬にはウイルスを退治する成分は含まれていません。風邪薬の役割は、症状を和らげ、体への負担の軽減です。

病院でもらう風邪薬と市販の風邪薬の違い

病院でもらう薬は、医師による処方が必要であり、処方薬ともいわれます。医師が患者を診察し、一人ひとりの症状にあった薬の種類や量、服用期間を考え処方します。風邪の場合は、「熱を下げる薬」「せきを鎮める薬」などに分けて出される場合もありますが、風邪の症状全般を和らげる複数の成分が含まれる総合かぜ薬が出される場合があります。
いっぽう市販薬は、医師の処方は不要で、ドラッグストアや薬局で購入可能です。「総合かぜ薬」といわれる風邪薬は「熱・のどに効く成分」「鼻に効く成分」「せき・たんに効く成分」といった複数の成分が一つになっているのが特徴。製品により成分や配合量が異なるため、自分の症状やツラさに合わせて選びましょう。

処方薬と市販薬の使い分け方

市販の風邪薬は、ひきはじめや症状が軽めのときに服用するようにしましょう。症状が強いときや、以下の場合は病院で診察を受けるようにしてください。

  • ・5~6回服用しても症状がよくならない
  • ・38℃以上の熱が3日以上続く
  • ・せきがひどくて眠れない
  • ・呼吸するのも苦しい
  • ・発疹が出た

病院で処方された薬は、自己判断で服用を中止しないようにし、何かあれば医師や薬剤師に連絡するようにしましょう。

 

【症状別】市販の風邪薬の選び方

市販の風邪薬には、複数の成分が配合されています。症状に合った成分が配合されている製品を選ぶといいでしょう。

熱・のどの痛み

熱やのどの痛みには、解熱鎮痛成分の「イブプロフェン」や「アセトアミノフェン」を主成分としている薬を選ぶといいでしょう。のどの痛みがとくにつらい場合は、抗炎症成分の「トラネキサム酸」を配合している薬がおすすめです。

「トラネキサム酸」

鼻水・鼻づまり・くしゃみ

鼻の症状が強い場合は、鼻汁抑制作用のある成分が配合されている薬を選びましょう。

鼻汁抑制作用のある成分

せき・たん

せきやたんがある場合は、せきを抑える成分や、たんを出しやすくする成分が配合された薬を選びましょう。せきが止まらなくてつらい方には「ジヒドロコデインリン酸塩」を配合した薬がおすすめです。せきの中枢に直接働き、せきの発生を抑えてくれます。

「ジヒドロコデインリン酸塩」を配合した薬

風邪のひきはじめ

風邪のひきはじめには、漢方製剤もおすすめです。「麻黄湯」は、「寒気」「発熱」「ふしぶしの痛み」といった、風邪のひきはじめの症状に効果を発揮してくれます。

 

【タイプ別】市販の風邪薬の選び方

【医師監修】風邪薬の役割とは?

市販の風邪薬は症状に合わせて選ぶだけでなく、タイプ別で選ぶ方法もあります。薬を飲むときのシチュエーションに合わせて、症状に対する成分以外にも注目するといいでしょう。

眠くなりにくい

仕事や運転がある場合は、眠くなりにくい成分を選びましょう。くしゃみや鼻水、せきを抑える成分のなかには、眠気を引き起こす成分もあるためです。たとえば、くしゃみや鼻水を抑える効果のあるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩や、せきを抑える効果のあるジヒドロコデインリン酸塩は注意が必要です。
パッケージに「眠くなる成分を含んでいません」などと記載されている製品を選ぶといいでしょう。

常備薬に

常備薬を選びたい場合は、風邪の複数の症状に対応できる市販薬がおすすめです。発熱やのどの痛み、鼻水、せきに効果のある成分を複合し「総合かぜ薬」と呼ばれます。

長く効いてほしい

日中は忙しくて服用する時間がとれない場合や、飲み忘れが心配な方は、1日の服用回数で選ぶのもいいでしょう。風邪薬には1日3回の製品と、1日2回の製品があり、1日2回の製品は昼に飲む必要がありません。確実に服用できる方を選ぶといいでしょう。

 

風邪薬の服用に関するよくある質問Q&A

風邪薬に関する、よくある質問についてお答えしていきます。

風邪薬はいつ飲めばいい?

風邪薬の用法・用量は製品の指示に従うようにしてください。多くの場合は食後ですが、なかには食前や食間の製品もあります。食後と食前、食間のタイミングを確認しましょう。

  • ・食後:食後30分以内
  • ・食前:食事の30分くらい前
  • ・食間:食事と食事の間の時間。たとえば朝食と昼食の間の時間

勘違いしやすいのは「食間」のタイミングです。食事中に服用するわけではないので、注意してください。

アルコールで飲んでもいいの?

薬は水や温湯で服用するのが基本です。アルコールで服用すると、眠気やめまいなどを生じる恐れがあるので避けてください。風邪が治るまではアルコールを控えるようにしましょう。

風邪薬を服用している期間に栄養ドリンクを飲んでも大丈夫?

アルコールやカフェインを含まない栄養ドリンクであれば、飲んでもかまいません。風邪のときに不足する栄養を補ってくれます。ただし、薬との飲み合わせがよくない場合や、病気によっては避けた方がいい場合もあるため、薬剤師や登録販売者に確認するといいでしょう。また、栄養ドリンクで風邪薬を飲まないようにしてください。

市販の風邪薬に注意が必要な人は?

以下の方は、市販の風邪薬の服用に注意が必要です。服用前に医師や薬剤師に相談するようにしてください。

  • ・医師または歯科医師の治療を受けている方
  • ・妊婦または妊娠していると思われる方
  • ・授乳中の方
  • ・薬でアレルギー症状を起こしたことがある方
  • ・ご高齢の方

新型コロナウイルス感染症やインフルエンザのときに飲んでもいいの?

飲んでも問題ありません。風邪薬は、発熱やのどの痛み、せきなどの症状を和らげてくれます。ツラいときは服用して症状を抑えましょう。また、症状が出始めた段階で、新型コロナウイルス感染症・インフルエンザ・風邪を個人で判別するのは難しいでしょう。一般的な風邪であれば3~4日をピークに改善へ向かっていきます。症状がよくならない場合は、風邪以外の可能性も考えられるため、早めに医療機関を受診しましょう。

参照:インフルエンザの基礎知識/厚生労働省
 
風邪薬は配合されている成分に着目して選ぼう

風邪薬を選ぶ際は、自分の症状と配合されている成分をみて選ぶのがおすすめです。総合かぜ薬は、さまざまな症状をカバーしてくれる配合になっています。製品によっては「のど・熱」のように狙いを定めている場合もあるので、自分のツラさに合わせて選べるでしょう。不明な点があれば、店舗の薬剤師や登録販売者に相談してください。
新型コロナウイルス感染症やインフルエンザにかかっている人と接触した後に、風邪症状が現れた場合は、いずれかの感染の可能性があります。あらかじめ医療機関に連絡のうえ受診するようにしましょう。

 
監修医師からのアドバイス

軽い風邪であれば病院を受診しなくても、数日で自然に回復していきます。症状がつらいときは、早めに市販薬を飲んでセルフケアをするとよいでしょう。
風邪の症状を和らげる風邪薬にはさまざまなタイプがありますが、基本的にはご自身がつらい症状の緩和が期待できるものを選びましょう。効果や効能はパッケージに記載されていますが、どれを選べばよいか分からない場合は薬剤師や登録販売者に相談して下さい。
ただし、風邪の症状はインフルエンザや新型コロナウイルス感染症などと似ているため見分けるのは困難です。市販薬を飲んでも症状がよくならないときは医療機関を受診しましょう。
また、当然ながら市販薬にも副作用が出ることがあります。
風邪薬を飲んでから、体調の変化を感じたときはできるだけ早めに医療機関を受診して下さい。飲む量が多ければ効果が高いわけではなく、副作用が出やすくなるため決められた量や回数は必ず守りましょう。

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第1類医薬品:この医薬品は、薬剤師から説明を受け、「使用上の注意」をよく読んでお使い下さい。アレルギー体質の方は、必ずご相談下さい。
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