管理栄養士ライター広田千尋
病院、保育園、保健センターなどで13年間勤務。生活習慣病の方への栄養相談や、高齢者への栄養サポート、また赤ちゃんや子どもの食事相談など、幅広い年代の栄養サポートに携わる。現在は経験を活かし、フリーランスとして活動中。わかりやすく実践しやすいコラム執筆や、身近な材料で簡単に作れるレシピ作成を得意としている。
愛犬に私たちと同じ食べ物をあげたい、ご飯を手作りしてあげたい・・・そんなときに知ってほしいのが、犬が食べてはいけない「ダメな食べ物」です。一部の人間の食べ物は、犬の健康に影響を与える恐れがあり、ときには命に関わる場合もあります。
中毒を起こすものや肝臓に悪い影響を与えるもの、中性脂肪値やコレステロール値に影響するもの、さらにはアレルギーに配慮が必要な場合もあるため、基礎知識を身につけておきましょう。
犬に私たちと同じ食べ物をあげる場合は、食べてはいけない「ダメな食べ物」に気をつけなければいけません。犬は自分で食べ物を選べないため、飼い主が慎重に選んであげる必要があります。
中でも注意したいのは、玉ねぎ・ねぎ・ニラ・にんにく・チョコレート・キシリトールなどです。おう吐や下痢、発熱といった中毒症状を引き起こす恐れがあり、知らずにあげてしまうのはとても怖いこと。
下記の食べてはいけないもの、注意が必要なものを必ず知っておきましょう。
上記の食べ物は、家族と同居している場合は全員で把握しておきましょう。そして人間とまったく同じものをあげるよりは、犬用に調理したものをあげるほうが安心です。たとえば、玉ねぎが入ったハンバーグ。作った人はわかっていても、家族が気づかずに間違えてあげてしまうかもしれません。調理を別に行えば、人間も犬も安心して食事ができるのではないでしょうか。
人間にとっておいしく感じるものを、愛犬にも食べてもらいたい・・・と思うかもしれません。でも愛犬の健康を考えるなら、好ましくない食べ物もあります。
たとえば、脂質や糖質、塩分の多いものばかりをあげるのは待ってください。肥満の原因を作るだけでなく、肝臓の数値や中性脂肪値、コレステロール値などの健康診断の数値を悪くしてしまいかねません。
下記の食べ物はなるべく避けるようにしましょう。
人間と犬の体の仕組みは違い、また体の大きさの違いもあるため、脂質や糖質、塩分の多い食べ物ばかりをあげるのは、犬にとって好ましくありません。愛犬のためになる、よい食べ物を選んであげましょう。愛犬の健康によい食べ物については、こちらで詳しく紹介していますので、ぜひご参照ください。
関連記事:犬の食べ物は何をあげたらよい?愛犬の健康を守りたい飼い主が知りたい食べ物の知識私たちと同じように、犬にも食物アレルギーがあるとご存じでしょうか?食べ物にはアレルゲンといわれる物質が含まれており、免疫反応が過剰に生じて、さまざまな症状を引き起こすのです。代表的な症状はかゆみや皮膚の赤み。また下痢やおう吐といった症状を起こすケースも…。
どのような食べ物に注意が必要でしょうか。また、アレルギーを疑う愛犬のしぐさは?アレルギーが疑われる場合の検査についても確認しておきましょう。
原因となる食べ物は犬によって異なりますが、一般的にアレルギーの原因となる報告例の多い食べ物は下記があります。どれも人間の食物アレルギーの原因として、多い食べ物です。
アレルギーがなければ心配のない食べ物ですが、アレルギーを疑う症状があるときは、これらの食べ物が原因になっていないか、チェックしてみましょう。
牛肉・鶏肉・乳製品・小麦・とうもろこし・大豆・卵
食物アレルギーの一般的な症状は「かゆみ」や「皮膚の赤み」です。出る箇所は、眼や口のまわりなどの顔、肛門周囲、わきの下、背中など。他にも、下痢・おう吐も症状のひとつで、慢性的に繰り返している場合もあります。たとえばこんなしぐさが続いている場合はアレルギーが気になるサインです。
ただし、これらの症状が食物アレルギーによるものなのかどうか、飼い主で自己判断してはいけません。アレルギーでなく他の原因が隠れている場合もあり、自己判断では発見を遅らせてしまいます。気になる症状がみられたときは、一度動物病院を受診して、相談しましょう。
獣医師の診察により食物アレルギーが疑われたら、必要に応じて検査が行われる場合があります。検査の方法はさまざま。検査の一例に、血液検査や除去食試験があります。血液検査では、どの食べ物にアレルギーを持っているのかを知る手がかりとなります。
除去食試験は、アレルギーが疑われる食べ物を除去した食事を一定期間食べさせ、症状が出ないか確認する検査です。受診をする際は、愛犬の食事の内容、食事の時間、症状が出た時間、症状の種類をメモしておき持参すると、診察時の参考になります。
犬の食べ物はさまざまな心配りが必要ですが、人間と同じものを食べたがるときは困ってしまうものです。じっと見つめるかわいさに、ついあげたくなりますが、人間の食べ物は犬にとって塩分が多かったり、肥満になりやすかったり・・・。さらに、あげてもあげても欲しがるように。
どうしても欲しがるなら、人間と犬が食べるものは別のもの、と愛犬に覚えてもらえるように接してみましょう。お互いのストレスもなくなり、犬にとっても人間にとっても、より暮らしやすくなるはずです。
「犬が食べてはいけないものをうっかり食べさせてしまった」「気づいたら食べていた…」どんなに気をつけていても「つい、うっかり」な場面があるかもしれません。まずは慌てずに、ゆっくり一呼吸を。対処はまず落ち着いてから迅速に。
先ほどお伝えした「玉ねぎ・ねぎ・ニラ・にんにく・チョコレート・キシリトール」は、おう吐、下痢といった中毒症状を起こす恐れがあり、とくに注意したい食べ物です。気づいたらすぐに動物病院へ相談の電話をしましょう。
すぐに影響が出ない食べ物もあるため、心配な場合、まずは一度病院へ相談がベスト。自分の判断で吐かせようとするのは、とても危険な行為です。必ず獣医師の指示に従ってくださいね。
大切な家族の一員である愛犬は、ずっと元気に健康でいてほしいもの。食べ物に気を遣う大切さは、人間と同じです。
食べてはいけないものを避けるのはもちろん、愛犬にとってよい食べ物を選ぶのも、飼い主がしてあげられることのひとつです。ぜひ食べ物選びに気を配って、大切な家族との充実した生活を送りましょう。
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