ヒューマングレードのドッグフードとは
ヒューマングレードとは「human=人間」「grade=程度」という言葉のとおり、人が食べても問題のない品質のドッグフードという意味を指すことが一般的です。愛犬の健康を支えるドッグフードですが、実は食品として扱われていません。愛犬が食べるものなのに、と驚く飼い主さんも多いでしょう。
そこで注目されているのがヒューマングレード。人の食品と同じように、原材料や製造工程などに配慮して作られるものが一般的であり、私たちの食べ物に近い、といえます。それではさらに詳しく、ヒューマングレードについて見てみましょう。
ヒューマングレードが注目されるワケ
昔は、人の近くで暮らしていたペットは、たとえば犬は「番犬」の役割を主に担っていました。しかし現在は「ペットは家族」といった考えが広まってきています。この文章を読んでいる飼い主さんも、ペットは大切な「家族の一員」として接しているのではないでしょうか。食べ物はペットの体を作るもの。家族に元気に長生きしてほしいとの気持ちから、人が食べても問題のないヒューマングレードが注目されているのです。昔に比べ、ドッグフードの質が重視されてきている、ともいえるでしょう。
実は明確な定義は決まっていない
ひとつ注意したいのは、ヒューマングレードには明確な定義はない点。メーカーによって表示している基準が異なるため、慎重にチェックする必要があります。たとえば、ヒューマングレードと表現している例は下記があります。どの部分がヒューマングレードなのかは、しっかり飼い主さんで判断して選ぶ必要があることを覚えておきましょう。
- ・食品と同じ原材料や製造工程で生産しているもの
- ・食品の端材や売れ残りを使用したもの
- ・保健所の許可を得た施設で製造しているもの
- ・乾燥させた加工肉を使わずに生肉を使用したもの
ヒューマングレードでないものは、人の食べ物とどう違う?
ドッグフードは「食品として扱われない」のが人の食べ物と大きく違う点です。製造に関する衛生管理も、食品は「食品衛生法」ですが、では「ペットフード安全法」である点が異なります。食品はHACCP(ハサップ)という厳しい衛生管理が行われるのに対し、ドッグフードではHACCP(ハサップ)は制度化されていません。
またドッグフードには、乾燥させた加工肉を使うなど、通常人は食べない材料が使われる場合もあります。人が食べないものだからペットにとってもよくない、というわけではありませんが、よくわからない原材料に対し、不安に思う飼い主さんも多いようです。
参照:「安心・安全なジビエペットフードのために~ジビエペットフード原料に関するマニュアル~」/農林水産省
「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」/環境省
ヒューマングレードのドッグフードの魅力って?
人が食べても問題のない品質であるヒューマングレードのドッグフード。メーカーによりヒューマングレードの内容は異なりますが、安全面や健康面など、愛犬にとってよい選択ができるのが魅力です。どのような魅力があるのか、見てみましょう。
衛生面で安心できる
ヒューマングレードのドッグフードの中には、人の食品と同じ製造工場で作られているものもあるため、衛生面で安心しやすい点は魅力です。
2007年にアメリカやカナダで起きた、ペットフードの事件をご存じでしょうか。ペットフードに混入された「メラミン」により、大量のペットが亡くなる悲しい事件が起こりました。この事件により、日本ではペットフード安全法が施行されるようになったものの、ペットフードの安全性について、心配に思う飼い主さんは多いはず。
より衛生面で安心したい飼い主さんにとって、ヒューマングレードのドッグフードが選択肢のひとつとなるでしょう。
参照:「動物の健康を守り、人間の健康にもつなげる“メラミン”によるペット大量死-そのメカニズムの解明-」/京都産業大学
私たちと同じ食材を使っている食事を与えられる
ヒューマングレードのドッグフードは、私たちが普段食べているものと同じ原材料となっているものがあります。愛犬は家族の一員であるとの想いから、使われている食材がわかると、安心する飼い主さんも多いのではないでしょうか。
自然の食べ物から栄養補給できる
ヒューマングレードのドッグフードの中には、食材の栄養素が損なわれないよう、必要最小限に加熱されているものもあります。添加物ではなく、自然の食べ物から栄養素を摂取しやすいのは魅力です。これも飼い主さんの安心につながるでしょう。
ヒューマングレードのここに注意して
注意したいのは、ヒューマングレードだからといって、必ずしも愛犬にとってよいものとは限らないこと。魅力をお伝えしましたが、魅力ばかりではない点を知っておきましょう。たとえば、人と犬は必要とされる栄養素は似ていますが、必要な量が違ったり、消化・吸収・代謝のメカニズムが異なったりするため、すべて同じというわけにはいきません。
またヒューマングレードは定義があいまいであるため、飼い主さん自身が判断して選ぶ必要もあります。さらに、ヒューマングレードのドッグフードは通常のものより高価な傾向があります。思っていた以上にコストがかかるからといって、頻繁にドッグフードを変えると愛犬のストレスになりかねません。ヒューマングレードのドッグフードを取り入れる際は「続けられるか?」といった視点も大切です。
ヒューマングレードはどう選ぶ?初めてさんの選び方
ヒューマングレードのドッグフードを取り入れたい、と思ったときに、何を基準に選べばよいか悩む方も多いはず。種類がたくさんあるため、初めての場合は戸惑ってしまうかもしれません。そんな方のために、選び方のヒントをお伝えします。
どの部分がヒューマングレード?
繰り返しお伝えしているとおり、ヒューマングレードの基準はメーカーによってさまざま。どの部分がヒューマングレードなのかは、しっかり確認しておきたい部分です。飼い主さん自身が「どの部分を大切にしたいか?」をしっかりと考えて判断してみてください。
<フードを選ぶ際の確認点>
- ・食品と同じ原材料や製造工程で生産しているもの
- ・食品の端材や売れ残りを使用したもの
- ・保健所の許可を得た施設で製造しているもの
- ・乾燥肉を使わずに生肉を使用したもの
無添加?産地はどこ?
愛犬の食べ物に気をつけたい飼い主さんは、添加物や産地が気になる方も多いはず。ヒューマングレードは原材料や製造過程に対して使われる言葉であるため、無添加かどうか、産地がどこであるか、といった点は関係ありません。栄養強化剤や酸化防止剤といった必要な添加物もありますが、愛犬にとって不要と思う添加物が使われていないかどうかも、チェックしてみるとよいでしょう。
また原材料の産地についても、飼い主さんが安心できる国であるかどうかも、チェックしてみてください。
ドライ?ウェット?それとも冷凍?
ヒューマングレードのドッグフードだからといって、喜んで食べてくれるかどうかは、愛犬次第。愛犬の好みに合うかどうかは、しっかりとチェックしたいポイントです。ヒューマングレードのドッグフードには、ドライ・ウェット・冷凍と、いろいろなタイプがあります。どのタイプを食べ慣れているか、また喜んで食べてくれそうかをチェックしてみましょう。
続けられる金額?
先ほども伝えたとおり、ヒューマングレードのドッグフードは高価な傾向があります。はじめてみたものの、思っていた以上に家計を圧迫する可能性があるかもしれません。取り入れる前に、続けられる金額かどうかは、しっかりと確認しておきましょう。
「グレインフリー」はヒューマングレードと関係ある?
ドッグフードの種類に「グレインフリー」を見かけて、気にするべきか悩む場合もあるでしょう。グレインフリーは穀類(グレイン)を使っていないもの。食物アレルギーへの配慮や、消化のよさを狙って選ばれるドッグフードです。ヒューマングレードとは関係がないため、よくチェックしてみましょう。
愛犬と一緒に生きていく。ヒューマングレードも選択肢のひとつ
愛犬が喜んで食べてくれるドッグフードは、飼い主さん自身の安心にもつながります。愛犬と一緒に笑顔で暮らせる。そんな暮らしを目指したいときに、ヒューマングレードは選択肢のひとつになります。ドライ、ウェット、冷凍など、さまざまなタイプがあるヒューマングレードのドッグフード。ぜひ愛犬が喜んでくれるドッグフードを選んでみませんか?
各ブランドの商品一覧をご確認いただけます。