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犬のダイエットサポートは、運動と散歩の工夫だけ。「まるくなったかも…」に目をつぶる飼い主さんへ

フードPETFOODS
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2024/05/22

愛犬のダイエットは、散歩と運動の工夫次第です。まるくなってしまったわが子の健康をおもうなら、散歩時間&散歩量を見直してみてください。散歩嫌いなら、室内で遊べる環境をつくってみましょう。
運動に対する食事のバランスも重要です。フードはパッケージ記載の給与量を守り、ついあげすぎるおやつは低カロリーや野菜中心に切り替えると吉。運動で消費できるだけのカロリー摂取を心がけましょう。

 

愛犬がまるくなったら健康に注意。肥満度をチェックしよう

犬の肥満を判断するのは、むずかしいといわれています。図鑑などに書かれている「◯犬の標準体重は◯kg」といった情報も、あくまで目安でしかないのです。
個体差もあるとはいえ「元々ふっくらしたタイプだから…」と、愛犬の肥満を見過ごすのは愛とはいえません。愛犬が本当にまるくなったかどうかの確認から始めましょう。

犬の肥満度を表す「ボディーコンディションスコア」

肥満予備軍になっていないかの目安となるのが「ボディーコンディションスコア(BCS)」です。飼い主さん自ら愛犬を見たり触ったりしながら、5段階(BCS1~5)で体型を判定していきます。
BSCが3であれば、理想体重と判断できます。現在の体重をキープできるよう努めましょう。3以外であれば、適正な体重とはいえません。食事や運動を見直してみてください。

<チェック箇所>


  • ・ 横から見たときの、腰のくびれ具合
  • ・ 上から見たときの、腰のくびれ具合
  • ・ 体をなでたときの、助骨の感じ方
  • ・ ウエストをなでたときの、腰のくびれ具合
  • ・ ウエストの上の方をなでたときの、助骨の浮き出具合

<チェック結果とBCS値>


  • BCS1(痩せ):助骨、腰椎、骨盤が外から容易に見える。触っても脂肪がわからない。腰のくびれと腹部の吊り上がりが顕著。
  • BCS2(やや痩せ):助骨が容易に触れる。上から見て腰のくびれは顕著で、腹部の吊り上がりも明瞭。
  • BCS3(理想的):過剰な脂肪の沈着なしに、助骨が触れる。上から見て助骨の後ろに腰のくびれが見られる。横から見て腹部の吊り上がりが見られる。
  • BCS4(やや肥満):脂肪の沈着はやや多いが、助骨は触れる。上から見て腰のくびれは見られるが、顕著ではない。腹部の吊り上がりはやや見られる。
  • BCS5(肥満):厚い脂肪におおわれて助骨が容易に触れない。腰椎や尾根部にも脂肪が沈着。腰のくびれはないか、ほとんど見られない。腹部の吊り上がりは見られないか、むしろ垂れ下がっている。※

犬や猫のボディコンディションスコア
※参照:「飼い主のためのペットフード・ガイドライン/環境省」

肥満領域なら健康リスクに注意して

犬の肥満は、さまざまな不調を引き起こす原因となります。体重が増えるほど関節や骨に負担がかかり、過剰な脂肪は臓器の圧迫につながりかねません。
BCS3以上であれば、生活習慣の見直しが必須です。飼い主さんが健康診断で「要経過観察」や「要再検査」の判定をもらったのと同じと考えてください。

 

愛犬がまるまるしてしまう主な原因

愛犬の肥満に心当たりがあるかたもいれば、ないかたもいるでしょう。「行動や習慣が何も変わっていないのに太ってしまった」と思うかたほど、行動や認識が間違っているかもしれません。主な原因を確認し、行動を振り返ってみてください。

原因(1)間違った食事

犬の肥満につながる大きな原因が、フードやおやつのあげすぎです。「おねだりする姿が可愛くてたくさんあげてしまう」「いっぱい食べる姿が愛おしくて量を増やしてしまう」といった飼い主さんはごまんといます。
あげすぎなのはわかっているけれど、いざ愛犬に見つめられると耐えきれず「1口だけなら…」がつみ重なっているのかもしれません。1口は犬の体格や体重によって異なります。15kgの犬にとっての1口は、5kgの犬の3口程度と考えられると覚えておきましょう。
食事から摂取したカロリーは、運動で消費しなければなりません。しかし、シニア犬に近づくにつれて運動量は減ります。摂取カロリーを消費しきれず、肥満につながっているとも考えられます。

原因(2)運動不足

原因(1)のシニア犬パートでもお伝えしたとおり、食事から摂取したカロリーを消費するだけの運動量が必要です。運動量が摂取カロリーに追いついていなければ、当然脂肪が蓄積していってしまい、肥満をまねく結果となります。運動不足は肥満の大敵なのです。
食事と運動のバランスがとれていないほか、犬種による運動不足も考えられます。ボーダー・コリーやミニチュア・ダックスフントといった牧羊犬や狩猟犬などは、一般的な犬より多く運動させてあげなければなりません。
また、室内犬は散歩に出る回数が減りやすいです。小型犬であればつい抱っこしてしまう機会も多く、運動不足に陥りやすくなるので注意してあげてください。

 

まるくなってしまった愛犬のダイエット方法

犬のダイエットサポートは、運動と散歩の工夫だけ。

愛犬のダイエット成功へのカギは、飼い主さんの意識と心構えにあります。愛犬の健康を守るためには、心を鬼にするのも必要。肥満につながる食事と運動を見直してみましょう。

【食事編(1)】おやつをあげすぎない

愛犬のダイエット方法として、最もシンプルなのがおやつの与えすぎ防止です。おやつは犬に必要不可欠な食べ物ではありません。ほどほどを意識してみてください。
ただし、おやつをあげるのはコミュニケーションの一種。しつけや注射を打つときのストレスを減らしたり、食の細いシニア犬などの栄養を助けたりする役目もあります。
体型をキープしたいなら、カロリーを抑えたおやつに注目してください。野菜を中心としたヘルシー志向のおやつもあります。本気でカロリーを制限したいなら、ダイエット用のフードを代わりにするのもよいでしょう。

【食事編(2)】フードの与え方を工夫する

ドッグフードのパッケージに書かれている、体重あたりの給与量を守るのも大切です。BCSが3(標準)で5Kgなら、5kgの給与量を参考にしましょう。
もし、BCSが3以上(やや肥満~肥満)なら見方に注意。現在の体重ではなく、理想体重から給与量を確認しなくてはなりません。BCSに基づく理想体重は、動物病院などで聞くのがおすすめです。
給与量を守っていても太るなら、少しずつ減らしていって様子をみてください。ただし、急な減らしすぎはストレスへとつながってしまうかもしれません。反対に不調の原因にもなり得るため、段階を踏むのがポイントです。
愛犬の違和感をより減らしたいなら、低カロリーながら満腹感の高いダイエットフードに切り替えるのも手。満腹感重視なら、水でふやかしてかさ増しするのもよいでしょう。

【運動編(1)】散歩時間&量を工夫する

運動では、まず散歩を見直してみてください。毎日1~2回の散歩に連れて行くのが理想です。また、体格ごとに1回の散歩時間は異なります。あわせてチェックしましょう。
ダイエットを意識するなら、理想の散歩時間を少しずつ伸ばしてみてください。30分だった散歩時間を翌日は35分、翌々日は40分にするといった風にです。

犬の体格別・散歩時間の目安


  • 小型犬:負担にならないくらいの時間
  • 中型犬:30分程度
  • 大型犬:30~60分程度※

散歩嫌いの愛犬なら、途中で座り込んだり帰りたそうにするかもしれません。無理を強いる必要はありませんが、散歩の途中で休憩をはさむなど、すぐに諦めないのがコツです。
散歩時間を延ばしてもまだまだ元気そうなら、お散歩コースに坂道や階段を取り入れるのもよいでしょう。トレーニングになり、シニア期の健康にもつながるはずです。

※参照:「愛犬のダイエット方法は? 健康的に体重を落とすポイントや肥満の原因/兄ラボ(中央動物専門学校)」

【運動編(2)】室内に遊ぶ環境をととのえる

散歩に十分な時間がとれないときは、室内遊びを充実させましょう。「室内で愛犬を運動させる方法がわからない」「雨の日は散歩に行けないから仕方ない」と思っているかもしれません。遊び感覚でできる運動はいくつもあります。

ボールやおもちゃを活用

最も簡単なのが、ボールやおもちゃを投げてとってこさせる遊びです。ある程度のスペースは必要ですが、愛犬が疲れたり飽きたりするまで続けてみましょう。習慣化すると、飼い主さんがいう前におもちゃを持ってくるようになるかもしれません。

バランスディスクなどで筋トレ

ダイエット目的で運動したいなら、バランスボールやバランスディスクを活用するのも一案。普段使わない体幹が刺激され、筋肉トレーニングにつながります。お庭があるなら、子ども用のプールで遊ばせるのもよいでしょう。水の浮力が助けてくれるので、関節への負担も減らせます。

 
愛犬のダイエットは「緩くなだらかに」

ダイエットを始めたからといって、結果が出るのを急いではいけません。BCSがすでに3以上なら、ただでさえ体に負担がかかっているのです。急に厳しい食事制限をしたり散歩時間を増やしたりすると、かえってストレスや体調不良につながるおそれがあります。
愛犬のダイエットを成功させるためには、食事や運動をゆるやかに変化させていくのがポイント。半年ほどかけて、徐々に理想体重へと近づけていくペースが目安です。愛犬が気づくか気づかないかのラインで、こっそり減量を進めていってください。

  • 白井未奈子

    セラピストライター白井未奈子

    サービス業を10年経験するなかで、リラクゼーション業務に出会い「人を癒す」ことに目覚める。
    フリーランスに転向して以降は、ボディートリートメントとフェイシャルエステの知識を活かし、美容・健康系の記事執筆を中心に担当。今は手ではなく、文章で読者にくつろぎとすこやかさを届けることを目指している。